朝採れのたけのこ

春の味覚の代表格である、たけのこ。
竹の地下茎の節から出る若芽のことで、文字通り“竹の子”とも”筍”とも呼ばれます。
食用たけのこにも品種があり、「真竹(まだけ)」「淡竹(はちく)」「根曲がり竹(ねまがりだけ)」
などがありますが、一番流通していて馴染みがあるのは「孟宗竹(もうそうちく)」。
やわらかい食感で風味がよく、たけのこごはんのほか、煮ても焼いても炒めてもおいしくいただけます。
福岡県と高知県から朝採れの孟宗竹を収穫したその日に発送します。

春の手てしごと、
たけのこの
アク抜きと切り方のコツ

たけのこは「朝掘ったら、その日のうちに食べろ」といわれるくらい鮮度が重要です。
掘り出すとえぐみの要因であるアクが出始め、時間が経つにつれえぐみが増すので、届いたらすぐにアク抜きをしましょう。

たけのこのアク抜き

  1. ①外側の皮を2〜3枚むき、穂先を斜めに切り落とし、縦に切り込みを入れる。
  2. ②鍋にたけのこがかぶるくらいたっぷり水を入れ、米ぬかと赤唐辛子を加えて火にかける。
  3. ③沸騰したら弱火にして1時間ほどやわらかくなるまで茹でる。そのまま一晩置いてしっかり冷ます。

アク抜き後の調理にもコツがあります。たけのこは根元になるほど繊維が硬くなるので、穂先は大きめに、根元は薄く切ったり、細かく切ったりするのがおすすめ。一般的に、煮物にする場合は繊維を断ち切るように輪切りに、食感を楽しみたい場合は繊維に沿って切るのがポイントです。
孟宗竹は比較的えぐみの少なく、肉質がやわらかで香りがよいのが特徴。
定番の煮物やたけのこご飯のほか、てんぷらや穂先をおさしみのようにわさび醤油で食べてもおいしさを楽しめます。

森林保全と自然からの恵み

竹はかつての私たちの暮らしには、身近でなくてはならないものでした。軽くて加工がしやすいことから、全国各地で積極的に植えられ、カゴやザルといった日用品をはじめ、農業や漁業で使う道具、茶道や華道の道具、笛や尺八といった楽器、竹刀や弓といった武道具など、あらゆるシーンで竹が使われてきました。
しかし、高度経済成長期に入り、日本人の生活が一変。プラスチックなどの代替材や安価な輸入品が台頭し、さらに真竹の一斉開花による枯死のため国内における供給量が激減したことも重なり、竹の利用が減っていきました。

竹が使われなくなると竹林の管理がされなくなり、同時に竹林管理の担い手の高齢化も伴い、各地で竹害(ちくがい)が深刻化しています。繁殖力が異常に強い竹を放置すると、竹が周囲に繁殖し既存の植生を破壊してしまいます。
また、放置された竹林に山からイノシシなどがおりてきて、周囲の畑に獣害などの被害を及ぼすことも問題となっています。そんな課題に取り組んでいるのが、今回ご紹介している生産者です。北九州市の「合馬たけのこ体験園」では20年以上前に「合馬たけのこ振興会」を立ち上げ、たけのこの生産と森林保全を行っています。また、高知市の「高知パック」では、2007年から放棄寸前だった竹林の再生に取り組んでいます。

「昭和の頃はどの竹林も整備されており、収穫時期は活気に溢れ、竹林からはたけのこのエネルギーが発散されていました。生産者も、どんなに疲労困憊でもたけのこに負けないエネルギーでがんばっていました。その時の“熱”を若い人や子ども達にも伝えたい、そういう想いから竹林再生に取り組んでいます」と、生産者は言います。

たけのこは漢字で書くと竹に旬で筍。
旬を迎えるたけのこを楽しんで、心地よい春の訪れを感じてみませんか。