10月のMUJI BOOKSのテーマは『下を向いて歩こう』です。
この秋は視線をいつもと変えて、少し下を向いてみませんか。
うつむいて歩けば、いつもは気付くことのなかった意外な発見や出会いがあるかもしれません。
今回はMUJI BOOKSから刊行されたばかりの『人と物』シリーズの最新刊
・生涯を草木に捧げた日本植物学の父『人と物16 牧野富太郎』
・東北を舞台に、数多くの童話を世の中に送り出した作家『人と物17 宮沢賢治』
・戦後、父性的な愛の視線で「夢」を描き続けた童話画家『人と物18 茂田井武』
彼ら3人の習慣からみる世界観がテーマとなっています。
足元にある世界を気づかせてくれる、そんな特集です。
「人と物」シリーズは、作家も詩人も映画監督も、写真家もデザイナーも、だれもがひとりの生活者であるという視点から、愛用品やくらしの風景とともに随筆や図像作品を、1人1冊仕立てで編集する文庫本シリーズです。
発行:株式会社 良品計画 全て1冊消費税込み550円
『人と物17 宮沢賢治』、本の中には、3つの物語の他、彼が愛用した採集用ハンマーや、石の標本、農業の為の肥料の設計書、そして、死の直前に記した手帳「雨ニモマケズ手帳」の写真など。
少年時代、石コ賢さんと呼ばれたほどの鉱物マニアであったこと。
工場の技師、農業高校の教師、農業研究家でもあり、独自の世界観で新しい農村づくりを目指していたことなど。
知らなかった宮沢賢治の人となりや生き方を、知ることができる入門的な1冊でもあります。
そしてこちらもおすすめです。
主人公「ジョバンニ」と、親友「カムパネルラ」が夜空を走る銀河鉄道に乗って旅をするストーリー銀河鉄道の夜。
この宮沢賢治の代表作に、装丁家・司修が絵を添えた『絵本 銀河鉄道の夜』。
スクラッチボードという絵の技法を用いて描かれたモノクロの絵は、繊細な版画の様にも見えます。
飾り枠の部分のデザインと絵のコンビネーションが素敵で、それぞれが1枚の絵画のよう。
この絵の飾り枠デザインには、賢治の童話からのイメージや、彼の描いた絵を用いたそうです。
司修が描いた宮沢賢治の世界を物語とともに楽しむことができます。
名作は何度も読みたくなります。
銀河鉄道の夜は年齢によって感じ方や、心に残る印象が変わってくるのが不思議です。
物語に出てくる「ほんとうの幸い」とは。
賢治が伝えたかったこととは。
『人と物17 宮沢賢治』と併せて、読んでみるとまた違った視点で読み解くことができるかもしれませんね。
『絵本 銀河鉄道の夜』
・著者 宮沢賢治
・絵 司修
・出版社 偕成社
・消費税込1540円
函館も、秋が深まってまいりました。
読書の秋です。
秋の夜長に読みたい1冊を見つけにいらっしゃいませんか。
特集『下を向いて歩こう』は、2階エスカレーターホールにて展開中です。
無印良品シエスタハコダテ
MUJIBOOKS