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紙のぬくもりと型染めの美しさを伝える「八尾和紙」

諸国良品

2019/06/21

日本古来の紙、和紙。洋紙に比べて繊維が長く、薄くても強靭で、独特の風合いがあります。江戸時代には全国各地で生産されていた和紙ですが、産地によってその用途や使われ方は様々。薬売りで有名な富山で発展したのが、薬の包装紙や袋紙、帳簿などに使われていた「八尾和紙」です。もともと字を書くための紙ではなく、加工する紙として製造されてきたため、とても丈夫。また、現在唯一八尾和紙を生産する「桂樹舎」が手懸ける和紙は、カラフルでモダンな型染めが目を惹きます。

富山県南部の八尾町。かつては街道の拠点として、飛騨との交易や養蚕、売薬、売薬用紙の販売による収益などで繁栄していました。そんな八尾の地では、明治初期の最盛期には「八尾山家千軒、紙漉かざるものなし」と謳われたほど、ほとんどの家庭で紙漉きが行われていたといいます。

しかし、機械漉きが始まると、八尾の和紙産業は衰退。現在も八尾の地で紙漉きを行うのは、「桂樹舎」1軒のみとなりました。そんな桂樹舎の誕生は、八尾で衰退していた和紙産業を再び盛り上げるために、創業者の吉田慶介さんが富山県製紙指導所に入ったことが始まり。

その後、吉田さんは染色工芸家の芹沢銈介氏と出会い、戦後手に入りにくかった布の代わりに和紙の型染めを共同開発。そんな吉田さんは民芸好きで、日本のみならず、アフリカや南米の紙・布・器などの収集家でした。時代を感じさせないモダン柄はそれらの影響を受けていたんだとか。

桂樹舎には、職人が1枚1枚手漉きで和紙を漉く「紙漉き部門」と、それらに型染めを施す「染め部門」があり、そのほとんどが手仕事により行われています。また、商品を企画し、加工品までを手掛けていますが、全ての工程を一貫して行う工房は、全国探しても他にないかもしれません。

なお、型染めは、色をつけない部分に糊を置いて染め、水につけて糊を落とすという作業を繰り返します。そのため、水に溶けないシワのある和紙を開発。使い込んでいくごとに柔らかく艶が増します。また、独自の防水・防汚加工を施しているので、耐久性を兼ね備えています。

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生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 桂樹舎 代表・吉田泰樹さん

    生産者名 桂樹舎 代表・吉田泰樹さん 詳細

    越中八尾おわらの里にある和紙工房。創業者のご子息で現代表の吉田泰樹さんは、芹沢工房で型染めを習得。その色彩感覚を生かして、数年前から現代により受け入れられるように、カラフルな色遣いをし、型紙の使い方も工夫しています。
    「継ぐのは当たり前と思っていましたが、和紙産業がこんなにも大変とは思っていませんでした。でも、うちが辞めてしまったら、室町時代からの八尾和紙の歴史がなくなってしまうから、前向きに自分を奮い立たせています」と話します。

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