代々受け継いだ種と畑を守る、新しい農業のかたち。

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諸国良品

2018/03/16

佐藤さんの二人の祖父。一人は伝承野菜の里芋「甚五右ヱ門芋」のじいちゃん。もう一人は直売所をメインに果樹農業を営んでいたりんごのじいちゃん。農業に希望を持つきっかけとなった二人の意思を大切に継ぎながら、これからの未来に目を向ける佐藤春樹さん。減農薬栽培にも取り組んだ作物や商品を紹介します。

森の家は山形県真室川町の大沢地区にあります。 北に出羽富士鳥海山を望み、南に月山を望む自然豊かな里山にあります。電線一つないこの畑に山奥からの清水が流れ込み、清浄な土壌を育んでいます。

ほんとうにに森の中で暮らしていたので、佐藤家は「森の家」と呼ばれていたそう。実際にこの山の畑には7匹の動物たち(タヌキ、キツネ、クマ、イタチ、リス、カモシカ)が住んでいます。

風光明媚なこの森には、豊かすぎるほどに豊かな自然に恵まれ、遠い先祖から受け継いだこの土地に根をおろし、大切に室町時代から続く伝承野菜などの作物を育ててきました。
さらに佐藤さんは果樹園も営んでいます。

果樹の栽培に適した寒暖の差の厳しいこの土地で90年前から「こんな味のリンゴが欲しい」というお客様からの要望に品種をひとつ、またひとつ増やすことで応えながら地域で唯一の果樹専業農家「荒井りんごや」として歩みつづけてきました。

亡き祖父の遺志を継ぎ、2017年からは「リンゴリらっぱ」として活動を開始し、化学合成農薬を5割に抑え、特に生き物の生態系を破壊すると言われているネオニコチノイド系農薬を使用せず、農薬だけに頼らない健康的なりんご、栗、洋梨を育てています。

この地に実るりんごやその他の果実などが、これからもたくさんの人に愛される存在であることを願い、たくさんの人を笑顔にする魔法であることを信じながら。これまでの歴史と歩みを大切にしながらも「リンゴの先にある新しいリンゴの可能性」をめざします。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 森の家 佐藤春樹

    生産者名 森の家 佐藤春樹 詳細

    山形県真室川町の伝承野菜農家「森の家」20代目の跡継ぎ。2009年に父方の家で自家採種していた里芋「甚五右ヱ門芋」を発見し、専業農家に転身。2014年には真室川の地域に伝わる食と農の文化を伝えるおばあちゃんや、地元生産者と交流できる農家民宿を開業。また2017年から母方の果樹園を受け継ぎ、「リンゴリらっぱ」を立ち上げ、りんごジュースやシードルにチャレンジしている。