地域ぐるみで再興する、かつてのブランド和綿

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諸国良品

2017/02/10

庶民の衣服の原料として、米と並ぶ農作物だった「綿」。一時は200種以上の地方品種があったともいわれていますが、1896年の関税撤廃によって安価な外国産綿が流入し、国産綿は衰退していきました。鳥取県西部・伯耆国(ほうきのくに)で栽培が始められた「伯州綿(はくしゅうめん)」も同様、境港の伝統的な織物、弓浜絣の主原料として一部での栽培に留まっていましたが、2008年より再興するための取り組みが始動。市民による“栽培サポーター”も発足し、農薬・化学肥料不使用で栽培されています。

繊維が太く、弾力性に富み、保温性にも優れる「伯州綿」。かつては北前船によって全国各地へと運ばれ、鳥取藩の財政を支えるほどのブランド綿であり、一大産地を形成していました。

伯州綿は繊維が短く、加工が難しいですが、弾力があって軽くて暖かいのが特徴。そして、何より農薬や化学肥料を使っていない国産綿は非常に希少な存在です。

現在、約2.0ヘクタールの畑で伯州綿を栽培しており、そのうちの約0.8ヘクタールの畑は、市民が種植えから収穫まで参加する“栽培サポーター制度”によって支えられています。農薬・化学肥料を使わないため、地道な除草作業が欠かせません。害虫対策には、水で薄めた牛乳をかけたりと、工夫を凝らしています。

収穫された綿は、加工され、境港市の新生児および100歳を迎える方に、それぞれ伯州綿製品の「おくるみ」と「ひざかけ」として贈呈されています。そして、おくるみを受け取った親子は、次年度の新生児のために種を蒔き、栽培に参加していくという取り組みも行われています。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 一般財団法人 境港市農業公社

    生産者名 一般財団法人 境港市農業公社 詳細

    2008年に休耕地の管理耕作用の作物を検討していた市役所職員が、地域に伝わる在来種の和綿「伯州綿」の試験栽培を行ったところ、見事な綿の収穫に成功。その後、伯州綿の再興に取り組むべく、境港市役所と農業公社が本格的に栽培、販売事業をスタートさせました。現在は県外から移住した地域おこし協力隊のメンバーが中心となり、伯州綿の栽培、商品企画などを行っています。

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