新潟を代表する秋の味覚「おけさ柿」。300年ほど前に変種で生まれた種なし柿は当時、世にも珍しい柿として「八珍柿」とも呼ばれていました。その主要産地は佐渡島で、“おけさ”とは民謡「佐渡おけさ」から名付けられたものでした。そんな柿を約80年、親子4代に渡って栽培しているのが吹上農園です。
一般に炭酸ガスで渋抜きが行われるおけさ柿ですが、吹上農園ではより甘さが引き出され食味も良いからと、昔ながらのアルコールによる渋抜きにこだわっています。また、木材チップ・米ぬか・牡蠣ガラを混ぜた自然由来の有機肥料を使用し、土づくりにも余念がありません。
そんな吹上農園では、新潟を代表するもう一つの秋の味覚、西洋梨「ル レクチエ」も手掛けています。明治36年頃にフランス(オルレアン)から新潟に伝わったもので、栽培が非常に難しく、生産量も限られているため“幻の西洋梨”とも呼ばれていました。気候がル レクチエの故郷フランスとよく似ていることから、現在もそのほとんどが新潟県でつくられています。
10月中頃に収穫後、40日ほど追熟させ食べ頃を迎えたル レクチエは、柔らかな甘みで芳醇な香りがほとばしります。果肉がきめ細かく、口に入れるととろけるような舌触りで、濃厚な味わいです。西洋梨といえばのラ フランスとはまた違う味わいです。
『おいしい と しあわせ』を全国へ届けたい、と話す吹上農園さんのおけさ柿とル レクチエ。そんなル レクチエは新潟県果樹振興協会主催の果樹品評会にて、平成16年度『最優秀賞』、平成29年度『優良賞』を受賞しました。佐渡の自然と共に育まれてきた秋の味覚を、是非ご堪能ください。