自分で熱をつくれる体へ。秋から始めたい「温活」の基本を解説

自分で熱をつくれる体へ。秋から始めたい「温活」の基本を解説

おたより/暮らしのQ&A

2026/10/11

秋が深まり、肌寒さを感じる日が増えてくると、手足の冷えが気になり始める人もいるのではないでしょうか。そこで意識したいのが、体をあたためるとともに、自分で熱をつくる習慣も育てる「温活」です。イシハラクリニック副院長の石原新菜先生に、温活の基本から、食事や入浴のポイント、忙しい日にもできるセルフケアまで、教えていただきました。
取材・文/秦レンナ
石原新菜先生
お話を聞いた人:石原新菜先生
いしはら・にいな 医師。イシハラクリニック副院長。帝京大学医学部卒業後、同大学病院で研修を経て、現在は漢方医学、自然療法、食事療法を取り入れた診療にあたる。ベストセラー『病気にならない蒸し生姜健康法(アスコム健康BOOKS)』をはじめ、『体を温めて冷えをとる! 温活365日(内外出版社)』『やせる不調がとれる読む冷えとり(主婦の友社)』など、温活に関する著書多数。

自分で熱をつくれる体へ。温活の4つの基本

「温活」というと、服を重ねたり、あたたかい飲み物を選んだりして、体を冷やさないようにすることを思い浮かべるかもしれません。石原先生は、そうした工夫に加え、「自分の体で熱をつくれるようになること」が重要だと話します。

「あたたかい服を着たり、湯船に浸かったりすれば、そのときは体が温まります。ただ、それをやめてしまえば、またすぐに冷えてしまう。肝心なのは、自分自身が熱を生み出せるようになることです」

そこで石原先生がすすめるのが、温活の4つの基本です。

① 運動

「筋肉は、1日に体が生み出す熱量の約4割をつくり出しています。そのため、体を動かして筋力を上げることで、自ら発熱しやすくなり、体温を上げることにつながります。

一般的に男性より筋肉量が少ない女性や高齢者は特に、日ごろから階段を使う、少し遠回りして歩くなど、筋肉を使うことを意識してみましょう」

ストレッチをする女性
撮影:藤井由依

② 入浴

「忙しい日など、シャワーだけで済ませてしまうこともあるかもしれませんが、体をあたためるには、5分でも毎日湯船に浸かることをすすめます。理想は、41℃くらいのお湯に10〜15分。額に汗がぷつぷつと出てくるのが、体が芯からあたたまった目安です。

また、入浴剤を使うのもおすすめ。炭酸系の入浴剤は、血の巡りを促すことが期待できます。

入浴剤を浴槽に入れる手元
撮影:藤井由依

バスソルトなど塩類を含むものは、肌の表面に薄い膜をつくり、湯上がりのあたたかさを保つ助けに。リラックスできる香りのものなど、その日の気分や体調に合わせて選んでみてください」

③ 腹巻き

「お腹には重要な臓器が集まるだけでなく、免疫に関わる細胞の7割が腸に集まるといわれています。お腹を冷やしてしまうと、全身の血流や巡りが悪くなるだけでなく、免疫まで弱めてしまうことに。私は24時間、1年中、腹巻きを着けるようにしていますよ」

無印良品の腹巻きをつけた女性のお腹

④ ショウガ

「体をあたためる効果のあるショウガは、生のままでももちろん効果がありますが、加熱したり乾燥させたりすると、辛み成分のジンゲロールの一部がショウガオールに変わり、あたためる働きがより高まります。

生姜
撮影:藤井由依

うどんやそば、鍋、味噌汁、納豆にも、飲み物にも合うのがショウガの魅力。パウダーやショウガ入りのレトルト食品を使うのも手軽です」

発酵食品と旬の食材を、毎日の食事に

ショウガに加えて、毎日の食事ではどんなことを意識すると良いのでしょうか。石原先生がまず挙げたのは、味噌や麹、ぬか漬けなどの発酵食品です。中でも味噌は、あたたかい料理に取り入れやすい身近な調味料です。

「味噌汁を一から作るのが大変なら、マグカップに味噌を溶かすだけでもいいですし、インスタントの味噌汁でも十分です。コンビニのおにぎりにあたたかい味噌汁を添えて、ショウガパウダーを少し足す。それだけで、立派な温活ランチになりますよ」

無印良品の養生スープ
撮影:藤井由依

発酵食品に加えて、石原先生がすすめるのは、漢方の考え方を生かした食材選びです。

「漢方では、秋から冬に旬を迎える根菜や芋類、きのこは、体をあたためる食材と言われています。筋肉の材料になる肉や魚、卵、豆腐などと組み合わせ、ショウガやネギなど薬味をたっぷり添えた鍋は温活にぴったり。これからの季節、積極的に食べたいですね」

無印良品の養生鍋

一方、きゅうりやトマトなどの夏野菜は、体を冷やしやすい食材。食べるときは蒸したり炒めたりして、あたたかい料理にするのがおすすめだそう。マンゴーやバナナなどの南国の果物も、ドライフルーツを選ぶなど、食べ方を工夫してみましょう。

忙しい日にもできる、5分の温活セルフケア

「温活」で大切なのは、できることを毎日の習慣にしていくこと。仕事の合間や入浴の前後、眠る前など、暮らしの中に取り入れやすいセルフケアを教えていただきました。

入浴前に、スクワットを30回

運動を習慣化するのはハードルが高いという人に、石原先生がおすすめするのは、入浴前のスクワット30回。

「続けているうちに体がポカポカしてきます。そのまま湯船に浸かると、あたたまるのも早いんです。回数は、体調に合わせて調節しましょう」

入浴後は、5分のマッサージ

湯上がりには、気になる場所をやさしくマッサージ。

無印良品のマッサージツールを使って首をほぐす女性

「東洋医学では、首や背中をほぐすことは、自律神経を整える効果が期待できると考えられています。他にもむくみが気になる足裏やふくらはぎ、疲れやすい目のまわりや頭皮もケアしたいところです。マッサージクリームやオイル、ツボ押し用ボールなどツールを使うのもおすすめです」

あたたかいお茶で、体と心をリラックス

くつろぎのひとときには、あたたかいお茶を一杯。カフェインのとりすぎは冷えにつながるため、ノンカフェインのお茶を選ぶのもよいでしょう。

無印良品のフレグランスキャンドル
撮影:藤井由依

「リラックスすると副交感神経が働きやすくなり、血管も広がります。あたたかいお茶を飲んで、ほっとする時間そのものが大切なんです。発酵させてつくる紅茶にショウガを加えるのはおすすめの組み合わせ。コーヒーが好きなら、血流を良くする働きのある、シナモンを添えるといいですよ」

眠る前に、深呼吸で緊張をほどく

一日の終わりには、深呼吸を。息を吐くときにはリラックスに関わる副交感神経が働きやすくなります。

「少し吸って、ゆっくり長く吐くのを意識して。これを繰り返すだけでも、気持ちが落ち着きます」

仰向けで深呼吸をする女性
撮影:藤井由依

温活ルーティンで、「なんだか調子がいい」毎日に

入浴前にスクワットで体温を上げ、そのまま湯船であたたまる。入浴後は熱の冷めないうちに腹巻きを着け、5分ほどマッサージを。あたたかいお茶を飲んでひと息ついたら、スマートフォンからも離れ、深呼吸をして眠りにつく……。

石原先生がすすめるのは、こうした温活を一つの流れにして、毎日の習慣にすることです。

「寝る前の30分から1時間は、照明や香りも工夫しながら、心を落ち着けて過ごしてほしいですね。忙しい毎日だからこそ、自分をいたわる温活時間をつくってみてください」

続けるうちに、「そういえば最近、頭痛がないかも」「むくみが気にならなくなったかも」と、ふと気づく変化があるかもしれません。石原先生が話す、温活の先にあるのは、そんな「なんだか調子がいい」という実感です。

できることをひとつずつ、自分のペースで。秋のうちから温活に取り組んでいくことが、寒い季節を心地良く迎える準備になります。

← 前の記事へ

次の記事へ→

← 前の記事へ

次の記事へ→

関連記事

関連商品