上手な買い物のヒント
プロに教わる「心と体を整える」ハーブティー&お茶の楽しみ方

2026/10/02
(取材・文/草野舞友)
ティーデザイナー・ホリスティックライフコーチ。ハーブティーショップ「るなぼうティーハウス」を運営。ブレンドプロデュース、国内外での百貨店での販売、セミナーの運営など、幅広く活躍している。お茶のある暮らしと、心がほっとゆるむ時間を提案。著書に『ココロ・カラダととのう ハーブティー365日』(山と渓谷社)などがある。
迷ったら、“香り”と“直感”で選びましょう

「ハーブティー」とは、植物の葉や花、実、根などをお湯で抽出して味わう飲みもののこと。一方、緑茶や紅茶、ウーロン茶などのお茶は、「チャノキ」という同じ植物からつくられていて、一般的にチャノキ以外の植物を原料としたものがいわゆるハーブティーになります。
「世界には数千種類のハーブがありますが、その中でハーブティーとしておいしく飲めるのは約50種類ほどです。味や香りを楽しめるのはもちろん、植物の力を体にダイレクトに取り入れられます」と話す、しばたみかさん。
種類が多くて選べない……という人も多そうですが、そんなときはどうすればよいでしょうか。
「ハーブの効能はいったん気にせず、香りをかいでみて『いい香りだな』『なんだか落ち着くな』と感じるものを選んでみましょう。それが、あなたの心と体が今欲しているものかもしれません。逆に好きだと感じないものは、今のあなたに必要のないものなのかも。無理に飲む必要はないですよ」
お茶とハーブが、心と体にもたらす「いいこと」

1. お茶タイムが「ゆとりの時間」になる
お湯を注ぐだけで手軽に楽しむことができますが、その際にちょっと意識してみてほしいことがあるというしばたさん。
「何かの作業をしながら飲むのではなく、いったん手を止めて、お茶を淹れること、飲むことだけに意識を向けててみてください。お湯を注ぐ音や、カップから立ちのぼる湯気、香り、色、味わいなどを五感でゆっくり感じていると、あちこちに向いていた意識が自然と『今ここ』に戻ってきます。
ほんの5分でもかまいません。忙しい日常の中で、何かをするためではなく、ただお茶を味わう時間を持つ。それだけでも、ほっとひと息つける心のゆとりにつながると思います」
2. 香りが楽しめて、リラックスできる
香りは鼻の粘膜で感知されると電気信号となり、脳の扁桃核や海馬を経て視床下部に伝わります。視床下部は自律神経やホルモンのバランスを調整する器官。香りが作用すると副交感神経が優位になり、緊張がほぐれてリラックスしやすくなります。
「たとえば精油は、植物の芳香成分だけを抽出したもので、香りがぎゅっと凝縮されています。一方、植物そのものであるハーブティは香りが穏やかです。カップから立ちのぼる香りを鼻で楽しむだけでなく、口に含むと、香りがのどの奥から鼻へと抜けていきます。飲んだあとにも、ふわっと香りが戻ってくる。その『香りを飲む』ような感覚も、ハーブティーならではの魅力だと思います」
3. ちょっとした体や心のセルフケアに役立つ
ハーブやお茶には、ポリフェノールが含まれています。さらに植物ごとに、おすすめの飲むタイミングも。
「例えば、気持ちを落ち着かせたいときにはジャーマンカモミールを。肌の調子が気になるときには、美容の味方として親しまれているローズヒップを。気分や目的に合わせて選べば、気軽にセルフケアができます」
4. 「ブレンド」で新しい味わいが楽しめる
ハーブティーの場合、単独では少し飲みにくいと感じるものもあるでしょう。
「ハーブを数種類組み合わせることで、飲みやすくなったり、よりおいしくなったりすることがあります。ブレンドは『味の魔法』。いろいろと組み合わせられるのも、楽しみのひとつです」
特別なことはなし。「おいしい淹れ方」

難しい「淹れ方ルール」がない点も、ハーブティーが手軽に楽しめる理由のひとつ。
「カップやティーポットは、事前にあたためておきましょう。ティーバッグでも渋くなりすぎる心配がないので、入れっぱなしでも問題なし。規定の量のお湯を注ぎ、濃いと感じたら、お湯を足してしまってOKですよ」
お茶の場合は、それぞれに合ったお湯の温度と蒸らし時間を守ることが、おいしく淹れるポイントです。
おすすめの飲むタイミング

体をあたためる・朝
朝の白湯と同様に、体があたたまり、血行がよくなる作用があります。特におすすめのハーブは、ダンデイライオンルート。
作業効率が上がる・お茶タイム
昔から10時と15時はお茶の時間とされていますが、ちょうど仕事や家事でひと区切りつく時間帯です。お茶タイムをもつことでリフレッシュできて、このあとの効率も上がりやすくなります。
心地良い眠りにつける・夜
ノンカフェインのハーブティーを飲むとリラックスしやすくなるので、眠る前に飲むのもおすすめです。ただし利尿作用があるので就寝直前は避け、就寝の30分~1時間くらい前に飲むようにしましょう。
人気のハーブティー・期待できる効果

レモングラス
使用部位は葉で、タイ料理などでもおなじみ。レモンのような爽やかな香りが特長。主成分はシトラールやリナロール、フラボノイドで、胃もたれ防止に食中に飲むことも多い。夏バテにも重宝され、アイスティーにしてもおいしい。
ローズヒップ
使用部位は果実で、レモンの約20倍ものビタミンCをはじめ、ペクチン、カロテノイド、フラボノイドなども豊富。ほんのりかすかな酸味が特長。美容の味方として親しまれ、ハイビスカスとのブレンドティーが人気。飲み終えた茶がらは砂糖と煮て、ジャムにするのがおすすめ。
ルイボスティー
使用部位は葉で、発酵させることで赤くなる。フラボノイドが豊富。クセがなくしっかりした味わいで、普段の水分補給にもおすすめ。
また、「グリーンルイボス」は発酵をせず、急速乾燥したもの。特有の成分であるアスパラチンをはじめ、ポリフェノールが非常に豊富で、緑茶のような爽やかな味わいが特長。
ジャーマンカモミール
使用部位は花。青りんごを思わせる甘くやさしい香りが特長。主成分はアピゲニン。リラックスと健胃のための代表的なハーブで、「マザーハーブ(母の薬草)」とも呼ばれる。
ジンジャー
使用部位は根茎。主成分はショウガオールやジンゲロールで、体を芯からあたためてくれる。冷え性や風邪の引き始め、食欲不振のときにも。ピリッとした辛味とほのかな甘みが特長で、レモンやはちみつを加えるとやさしい味わいに。
人気のお茶・期待できる効果
とうもろこし茶

香ばしくやさしい甘みが特長で、食事や甘いものとの相性も良い。食物繊維やカリウムを含み、日々の水分補給にもおすすめ。
韃靼そば茶

ポリフェノールの一種であるルチンを含み、健康維持をサポートするお茶としても人気。そばの香ばしい香りとすっきりした味わいで、和食と好相性。
黒豆茶

黒豆ならではの香ばしさとやさしいコク、ほのかな甘みが特長。大豆由来のポリフェノールを含む。和菓子のお供におすすめ。
茉莉花茶(ジャスミン茶)

ジャスミンの花で香り付けしたお茶で、華やかで上品な香りが特長。さっぱりとした飲み口なので、揚げ物や中華料理など味わいのしっかりした食事にも合う。
小豆茶

小豆のやさしい香りとすっきりとした味わいが特長。ポリフェノールや食物繊維を含む。和菓子との相性が良く、ホットはもちろん冷やしてもおいしい。
凍頂烏龍茶

台凍頂烏龍茶湾を代表する半発酵茶で、蜜のような華やかな香りとまろやかな甘みが特長。渋みが少なくぜいたくな味わいで、くつろぎのひとときにもおすすめ。
クロモジ茶

日本固有の香木で、枝や葉を折ると爽やかな香りがあることから、高級つまようじの素材や精油として古くから使用されてきたクロモジ。清々しい樹木を思わせる香りが口の中をさっぱりとさせる。柑橘に似た爽やかな香りとほのかな甘みが特長。
← 前の記事へ
← 前の記事へ


