MUJI BOOKS 人と物

ずっといい言葉を文庫本で。
人と物をつなぐ「人物シリーズ」です。

人と物7 「秋岡芳夫」

消費社会の中で立ちどまった工業デザイナー。
人とモノの心地よい関係をおしえてくれる「手で見る、体で買う」他8編。

秋岡芳夫/工業デザイナー
座上であぐらをかける「男の椅子」をはじめ、数々のくらしの道具を生みだした工業デザイナー秋岡芳夫。大量生産のものづくりに異を唱えてグループモノ・モノを結成し、「消費者から愛用者へ」というコンセプトで、良いモノと長くつき合うくらしを提案しました。「手で見る、体で買う」などのエッセイとデザインした製品を収録します。

【書籍情報】
MUJI BOOKS文庫 人と物7『秋岡芳夫』
著者 秋岡芳夫
定価500円(税抜き)
2018年12月1日 初版第1刷発行
ISBN978-4-909098-12-2 C0195

【目次】
くらしの形見
秋岡芳夫の言葉
一品一話
手で見る、体で買う
一机多用のテーブル
女には女の椅子
暮らしのデザイナーはあなたです
グループモノ・モノの企て
消費から愛用へ
竹とんぼからの発想
逆引き図像解説 この人あの人

購入方法:MUJI BOOKS全店及びネットストア
※ 在庫の有無については各店舗にお問い合わせください
ネットストア|「人と物7」 秋岡芳夫

くらしの形見

秋岡芳夫がたいせつにした物には
こんな逸話がありました。

スーパー竹とんぼ
多様な飛行性能の竹とんぼを毎日のように制作しました。その数は3,000本以上。求められても販売はしませんでした。
あぐらのかける男の椅子
自由な姿勢で気ままに使いたいと、脚を短く、座面を広くして、あぐらがかけるように設計。小柄な女性にも合うサイズです。
身長椀
幼児から大人まで、成長に合わせてた5サイズの木の椀。自らデザインし、大分の木工家・時松辰夫が製品化しました。
クライスラーキャビネット MS-200
金子至、河潤之介と結成したKAKでデザインしたラジオ。文字盤の版下から新回路の設計まですべてをこなしました。
三菱鉛筆 uni
uniの誕生は1958年。KAKはロゴデザインをてがけたほか、箱に芯削りを付けるなどの画期的なアイデアを考案しました。
万博ロゴをあしらった椅子敷
70年大阪万博のためにデザインした幻のロゴ案を織り込んだ、夫人手製の敷物。目黒ドマ工房の椅子の座面にいまも敷かれています。
市弘の鑿(ノミ)
京都で買い付けた名匠・市弘の追入鑿10本組。裏刃は三つ裏、二つ裏に透かれ、使いこなすには高度な鑿さばきを要する一級品。
小刀
小学生のころに父に買ってもらった小刀。何度も研いで使ううちに、15センチ以上あった刃が3センチ程にまに減りました。

この人(プロフィール)

秋岡芳夫(あきおか よしお)/工業デザイナー(1920-1997)
熊本県に生まれる。東京高等工芸学校(現・千葉大学工学部)卒業。1957年、金子至、河潤之介とKAKデザイングループを設立し、約3,000点の工業製品を手がける。70年、東京・中野で有志のサロンを母体にグループモノ・モノを創始。“立ちどまった工業デザイナー”を名乗り、「消費者から愛用者へ」「裏作工芸」などのアイデアを生活者に提案するとともに、全国各地の手仕事の復興や地域再生に力を尽くした。著作に『暮らしのためのデザイン』『食器の買い方選び方』(新潮社)など。