MUJI BOOKS 人と物

ずっといい言葉を文庫本で。
人と物をつなぐ「人物シリーズ」です。

人と物9 「濱谷 浩」

失われゆく日本のくらしをカメラで見つめた写真家・濱谷 浩。
「こども風土記」など4作品と書籍初公開となる私邸の写真を収録。

濱谷 浩/写真家
日本と世界の人々のくらしをカメラに収めた写真家・濱谷 浩。『裏日本』をはじめ、民俗学の手法で記録した作品は国内外で高く評価され、アジア初のマグナム・フォト寄稿写真家としても活躍しました。津々浦々の子どもの遊びを写した「こども風土記」など4作品の他、愛用の撮影道具や書籍初公開となる大磯の私邸の写真を収録します。

【書籍情報】
MUJI BOOKS文庫 人と物9『濱谷 浩』
著者 濱谷 浩
定価500円(税抜き)
2018年12月1日 初版第1刷発行
ISBN978-4-909098-14-6 C0195

【目次】
くらしの形見
濱谷 浩の言葉
雪国
裏日本
こども風土記
AMERICAN AMERICA
写真体験五十年
大磯の家
逆引き図像解説 この人あの人

購入方法:MUJI BOOKS全店及びネットストア
※ 在庫の有無については各店舗にお問い合わせください
ネットストア|「人と物9」 濱谷 浩

くらしの形見

濱谷 浩がたいせつにした物には
こんな逸話がありました。

ライカ MⅢ
愛用のカメラはライカ。レンズはズミルックス50mm。1961年製のブラックモデルはプロ写真家向けの特殊仕様です。
ジーンズの三脚袋
朝夫人がジーンズで仕立てた三脚袋。過酷な取材に持ち歩き、擦り切れたら当て布をしましたが、それでもまた破れました。
マグネシウム発光機と防火手袋
この発光機で夜景を照らし、『雪国』の鳥追い行事を撮影しました。「ハマヤ」と刺繍された防火用の手袋は朝夫人の手製です。
MAGNUMのヘルメット
国際的な写真家集団マグナム・フォトの報道用ヘルメット。60年の安保闘争や学生運動の取材時に着用しました。
七大陸周遊トランク
70年代に七大陸の撮影行で愛用した革のトランク。世界中のホテルや航空機のトラベルステッカーが貼られています。
沙漠のバラ
『AMERICAN AMERICA』の全米一周自動車旅行の際に手に入れたアリゾナ州の沙漠の結晶石。バラの花状に結晶した鉱物です。
ゴム草履
『日本列島』で沖縄の珊瑚礁を撮影するときに履いたゴム草履。「ぬれてもいいクツをはくとよい」とのちにペンで書き入れました。
大福帳『福緣随處』
29歳の時から持ち歩いている撮影台帳。写真家ルネ・ブリや棋士・呉清源など百余名の学芸諸家の自筆が記帳されています。

この人(プロフィール)

濱谷 浩(はまや ひろし)/写真家(1915-1999)
東京生まれ。オリエンタル写真工業を経て、1937年、フリーの写真家になる。40年頃から民俗学に傾倒し、日本海沿岸の農村、漁村のくらしを撮影。57年、『裏日本』を発表する。60年、アジア初のマグナム・フォト寄稿写真家となり、日米安保闘争を取材。その後、南極やサハラ砂漠などの世界各地の自然を撮影した。国際的な評価も高く、『今世紀の偉大な写真家たち』(F・グル―バー著)に選ばれている。大磯の私邸は、自ら設計し、図面を引いて4年がかりで完成させて。