MUJI BOOKS 人と物
ずっといい言葉を文庫本で。
人と物をつなぐ「人物シリーズ」です。
人と物8 「伊丹十三」
映画『マルサの女』の監督・伊丹十三は料理、ことば、子育て、なんでもこだわる多才な生活者。
11編のエッセイと自筆の挿絵などを収録。
『お葬式』以来10本の脚本監督作を発表し、俳優、エッセイスト、商業デザイナーなど幅広く活躍した伊丹十三。趣味人でもあり、食、音楽、ファッションなど多くのことに精通していました。ふだん使いの道具へのまなざしが愉快な「私の博物図鑑」、誰も知らない「目玉焼の正しい食べ方」など11編のエッセイと自筆の挿絵などを収録。
【書籍情報】
MUJI BOOKS文庫 人と物8『伊丹十三』
著者 伊丹十三
定価500円(税抜き)
2018年12月1日 初版第1刷発行
ISBN978-4-909098-13-9 C0195
【目次】
くらしの形見
伊丹十三の言葉
クワセモノ
素朴な疑問
プ
博物図鑑
目玉焼きの正しい食べ方
最終楽章
父と子
伊丹十三の映画全チラシ
逆引き図像解説
この人あの人
購入方法:MUJI BOOKS全店及びネットストア
※ 在庫の有無については各店舗にお問い合わせください
くらしの形見
伊丹十三がたいせつにした物には
こんな逸話がありました。

妻と次男から誕生日に贈られた「有次」のもの。本人は困惑しながらも毎日練習! 連日卵焼きをつくり、家族にふるまいました。

6月から8月にかけての朝顔の観察日記。池内義弘は本名。題字や絵の配置などが表紙然とし、小2らしからぬ驚異のデザイン力。

還暦前後にパソコンに開眼。シナリオ執筆に活用したのはもちろん、インターネットの可能性にも早くから注目していました。

女物の傘を持たされたのが恥ずかしかった幼少期の思い出からか、大人になって、男性的な「ブリッグ」のこうもり傘を愛用しました。

創業150年以上、老舗イタリア帽子ブランドのソフト帽。映画監督だった父を真似て、撮影現場ではいつもかぶっていました。

幼い頃から後年まで原稿を書くときはいつも腹ばい。セーターの肘はしだいに傷み、妻が当て布をして繕ったものを着続けました。

海外へ行くときはヴィトンのえんじ色限定モデルを大小セットで愛用しました。脚本監督作『大病人』にも登場したお気に入り。

戦時中、軍国主義的な標語のかるたで遊んでいるのを不憫に思った父・万作の手作り。そのかるたの裏に芭蕉の俳句と絵を書きました。
この人(プロフィール)

伊丹十三(いたみ じゅうぞう)/映画監督、俳優、エッセイスト、商業デザイナー(1933-1997)
映画監督・伊丹万作の長男として京都に生まれる。
54年に上京し、商業デザイナーを経て、60年から俳優に。映画・ドラマ出演のかたわら、エッセイスト、テレビマン、CM作家などとしても活躍。観察力が鋭く、ユーモアとウィットに富みながらも骨太なエッセイが人気を博した。84年公開の『お葬式』以降、10本の脚本監督作品を発表。趣味人でもあり、食、音楽、ファッション、乗り物、精神分析などにも精通し、その才能をさまざまなシーンで発揮した。妻は女優の宮本信子。