山のダイゴミプロジェクトから生まれた 「山の木っ端」シリーズ

現在、山に生えている木のうち、家具や建材などに使う部分はごく一部で、使いにくい枝や葉、短い丸太、製材の過程で出る樹皮や端材のほとんどは、燃やされたり土に還るのを待つばかりです。50年近く育てられた木の大半が使われずに姿を消している現状を少しでも変えるため、
私たちは宮崎県の素材生産者の皆様と協力し「山のダイゴミプロジェクト」を始めました。

「山の木っ端」シリーズは、その取り組みから生まれたものです。
ある程度のサイズや形状を揃えた未利用材を、建材と同等に乾燥を施し、お客様に”素材”としてお届けします。節や色味、自然が刻んだ割れや表情をそのまま生かすことで、規格材では生み出せない個性豊かな空間づくりが可能となりました。

木を余すことなく活かすことが、山を守り、未来のくらしを支える。
「山の木っ端」シリーズを通じて、新しいものづくりの可能性を広げていきたいと考えています。

山のダイゴミプロジェクトとは

宮崎県の森林産業の各過程で生まれる未利用材を活用したプロダクトを市場に流通させるとともに、消費者向けに林業ツアーを実施することで生産地(地域)と消費地(都市部)をつなげるプロジェクト。協議会を立ち上げ、山や木、森林産業が本来持つ資源と価値を認識、共有、活用することで地域社会の持続的な活性化を図る取り組みを推進しています。

「山の木っ端」図鑑

イメージイラスト
  • 4.輪切り

    丸太にする際に、薄く切り落とされた部分

    • 「山の木っ端」
      乾燥輪切(10 個入り)

  • 5.タンコロ

    丸太の長さ調整などで切り取られた部分

    • 「山の木っ端」
      乾燥たんころ(5個入り)

  • 7.ウケグチ

    伐採の際、最初に切り取られる部分

    • 「山の木っ端」
      乾燥ウケグチ(5個入り)

  • 10.根株

    伐採後に土に取り残される部分

  • 12.ザツ

    木を育てる際に自然と生えてくる雑木の総称

    • 「山の木っ端」
      乾燥ザツ(5本入り)

  • 15.バタ材

    丸太の周りの丸みのついた部分

    • 「山の木っ端」 乾燥バタ
      (背板)(10本入り)

  • 17.端材

    イメージイラスト

    建物や家具を作る際に切り取られた製品にならない端の部分

    • 「山の木っ端」
      乾燥中空端材(約100個)

    • 「山の木っ端」
      乾燥製材所全詰め合わせ
      (約300個)

  • 18.木くず

    建材や家具を作る際に出るノコくずやカンナくずなど

    • 「山の木っ端」 無選別乾燥
      ウッドチップ(約100L)

「山の木っ端」でつくる

山のダイゴミプロジェクトから生まれた「山の木っ端」をつかい、できるだけ工程を省くことで森や木のぬくもりを感じられる家具や照明を考えました。私たちは、素材を余すことなく活用するために、これらを空間提案に積極的に取り入れることを目指します。
また、無印良品の店舗では、気軽に木材に触れられる、端材を活用したワークショップを開催しています。

山のダイゴミ展

2025年1月~4月にAtelierMUJI銀座で開催した「山のダイゴミ展」
無印良品は40 年以上前から、限られた資源を余すことなく使うものづくりをしてきました。「山のダイゴミ展」では、「一見するとゴミに見えるものも、工夫して、余すことなく使う」これこそ、ものづくりの醍醐味(ダイゴミ)と捉え、宮崎県の森林産業関係者の協力のもと、使いにくいとされる素材の現物と一緒に「なぜ使われないのか」「どうすれば使えるのか」を展示しています。「もったいない」という感覚が、山を身近に感じるきっかけになれば幸いです。

<ウッドデザイン賞受賞歴>
一般社団法人日本ウッドデザイン協会が木の良さや価値をデザインの力で再構築することを目的として、優れた建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価し、表彰する「ウッドデザイン賞2024」。昨年、「コミュニケーション分野 ハートフルデザイン部門」において「山のダイゴミプロジェクト」が優秀賞(林野庁長官賞)を受賞しました。