アートチャイルドケア株式会社 | アートチャイルドケア奈良鎌田保育園

事例 No.013
時期
2022年4月
エリア
奈良県香芝市
カテゴリー
保育施設
業務範囲
コンセプト企画、内装デザイン、造作家具設計、サイン計画、什器・家具納品
  • #国産材活用
  • #地域土着化

感じ良いチャイルドケアを考える

2021年7月、アートコーポレーション株式会社との取組みの一つとして、グループ会社であるアートチャイルドケア株式会社との保育園共創のプロジェクトがスタートしました。
第一弾の取組みとして始まったのが、奈良県香芝市に新築で建設予定の今回の施設でした。
まずは、実際に保育施設で働く先生方に「お茶の間会議」というワークショップを実施して、「感じ良いチャイルドケア」とはどのようなものか考えていきました。
「お茶の間会議」とは、無印良品のお茶やお菓子を食べながら、リラックスした雰囲気で、意見交換をしていく雑談会のことです。
今回は、保育園で働く中で困っていることや、改善できたら良いこと、自慢できることなど、さまざまな内容をヒアリングしていきました。

お茶の間会議を通して見えてきたこと

お茶の間会議でヒアリングをしていく中で見えてきたことは、とにかく保育士の皆さんが活き活きとお仕事をされているということでした。こどもたちのためのおもちゃや空間を、自分たちで作れるものは手作りして使いやすくしていたり、収納はきちんと区分されていて、きれいに整理整頓されていたりと、たくさんの工夫をされていることもわかりました。
そこで、空間の使い方自体はあえて大きく変えることはせず、こどもたちにとっても、ここで働く方にとっても、「より居心地良く過ごせる空間」とはなんだろう?と考えていきました。
そして、「こどもに寄り添ったやわらかな空間」というコンセプトを立てました。

こどもに寄り添ったやわらかな空間

こどもたちにとっては守られているようで安心できて、働く方にとっては居心地がよく仕事がしやすい空間づくりを目指しました。
まず、空間や家具のあらゆる角には大きく丸みを持たせ、衝突した時の安全性も確保しつつ、やわらかい印象に仕上げました。
収納家具には、優しい色味のシナ合板を使用し、ここにも大きく丸みを付けて、中の収納には「やわらかポリエチレンケース」がぴったり収まるサイズでデザインをしました。廊下の角や出入り口のドア枠にも丸みをつけていきました。
次に、「木育の空間づくり」として、床や壁、家具やサインなどには天然の木材をふんだんに使用しました。
天然の木材を取り入れることで、肌触りが良く、人肌に近い温度のため、適度にあたたかさがあり安心感がある空間となります。
また、保育室には部屋ごとに異なった淡いカラーのクロスを貼り、どこが自分の保育室かがすぐわかるようにしました。

地元でつながり循環していく

今回のプロジェクトでは、「地域とのつながり」も大切にしていきました。
それぞれの部屋のサインには、同じ奈良県産の木材である「吉野杉」という材を使用しています。
実際に吉野の山に足を運んで、山を見学したり、製材所の方にお話を聞いたりしながら、打合せを重ねて製作を行いました。
また、サインのイラストについては、保育園の近隣にある福祉施設「good job! Center KASHIBA」と連携をしました。
「good job! Center KASHIBA」は、障害のある人の個性豊かな表現と、それを活かしたいと考えるデザイナーや企業をつなぐ活動を展開しています。
今回はこのアトリエに所属しているアーティストの黒野大基さんに、オリジナルのイラストを描いていただきました。
黒野さんならではのやわらかなタッチで、かわいらしい動物のイラストが入ったサインが出来上がりました。

地域とのつながりをもちながら、家具や空間を作っていくことで、長く愛着を持って使い続けることができて、それがさらに次の世代のこどもたちへと循環していく。
そのような思いも込めて、今回のプロジェクトを進めていきました。
天然素材のあたたかみがあり、こどもたちもここで働く方たちも、安心して過ごすことのできる「やわらかな空間」ができあがりました。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

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