株式会社デンソー|製作所食堂

事例 No.014
時期
2022年3月
エリア
静岡県湖西市
カテゴリー
オフィス
業務範囲
コンセプト企画、内装デザイン、造作家具設計、什器・家具納品
  • #国産材活用
  • #ワークショップ
  • #アップサイクル

44年間、ここで働く方の生活を支えた食堂のリニューアル

2019年秋頃、株式会社デンソー様より静岡県湖西市内にある製作所の食堂をリニューアルするにあたって、内装や家具のデザイン提案の依頼をいただきました。
製作所で働らくスタッフは4,000名を超える規模で、既存の食堂は座席数1200席弱、約44年もの間、働く方々の胃袋を支え続けていました。
この度のリニューアルでは、既存食堂は取り壊し、新食堂を敷地内の建物への増築にて建設、基本的には製作所が稼働している月〜土の食堂運営を1日も止めることなく、新食堂を立ち上げるという計画になっていました。
ここで働くスタッフの期待度は高く、製作所の中で新食堂検討プロジェクトチームも立ち上がっています。そのチームでは新食堂のコンセプトからどんな食堂にしたいかなどミーティングを重ね、製作所の皆様の声を集めていかれました。

あるものを活かす”アップサイクル”

まず、ご提案を作成するに当たって、現地を訪問し、
約4000名のスタッフが使われる食堂の雰囲気やオペレーションなど、現地でしか確認ができない様子を観察させていただきました。
印象的だったのは、食堂のオペレーションと使われ方です。
全スタッフが一度に休憩に入ると食堂の席数が足りなくなってしまう為、時間交代で入れ替わり立ち替わり足を運ばれていました。
食事をし終わると、雑談なども早々に、颯爽と席を立たれて食堂をあとにされる方が多かったです。
何交代か終えた後、食事時の賑やかさが嘘のように、ガランとした食堂に戻った風景を不思議な感覚で見ていました。
そのような中で、既存の食堂で使われているテーブルやチェアがまだまだ使える状態であるにも関わらず、全て廃棄される計画であることが素直に”もったいない”と感じました。
そこで私たちは、既存のテーブル脚を塗装し直し、天板を自然のぬくもりが感じられる木天板に張り替え、チェアは座面のファブリックを張り替えることで、できる限り使えるものは活かし、価値を上げる取り組みへと繋げてはどうだろうと考えました。
あるものを活かす”アップサイクル”という手法で、なるべくゴミを出さない家具運用をご提案しました。

過ごし方で選べる居場所

デンソー様が掲げられたコンセプトは”食べる場所から活力を生む場所へ”「活力想像空間」です。
プロジェクトチームの皆様と定期的なミーティングを重ねていく中で、製作所内でも自然を感じ、喫食以外の多目的利用ができる空間にしたい、というご要望もいただいています。
新食堂は大きく分けて3つのエリアに分かれたレイアウトになっています。
一番座席数が多く、高い天井からハイサイドライトを取り入れた明るい空間で食事が楽しめるスペースや、少し奥まったエリアには必要に応じてパーテーションで仕切りながら会議室利用もできるスペース、落ち着いた雰囲気の中、BOX席やソファ席を設け談話を楽しめるスペースなど、それぞれのエリアで内装や家具、什器の色味や種類を変えて”過ごし方で選べる居場所”をデザインしていきました。

陽が差し込む明るい新食堂

新食堂の内装工事の目処がたち、私たちがご提案した内装で出来上がった空間に家具や什器を納品すべく現地入りした際、まだ家具が並んでいないスペースを見て、改めて今回のプロジェクトの規模の大きさを実感しました。
新しい食堂は日中は陽が差し込む明るい、心地よい空間でした。
家具や什器をプランしたレイアウト通り、木天板に張り替えたテーブルが整然と並んだ空間は圧巻です。
納品後、オープンした食堂で食事をされるスタッフの方々を見ていると、BOX席で談笑する方々、ソファ席でくつろぐ方、思い思いの過ごし方で早速場所を選ばれている様子が見てとれました。
活力想像空間として、既存食堂と同じように働く皆様の生活を支える空間づくりのお手伝いができたと、嬉しく思えた瞬間でした。
今回のプロジェクトのように、無印良品はその場に関わる方々と心地よく合理的なデザインで感じ良いくらしの実現に向けて活動していきます。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

まずはご依頼ページよりお気軽にお問い合わせください。