株式会社アンドベーシック|新社屋Port

事例 No.018
時期
2023年2月
エリア
長崎県佐世保市
カテゴリー
福祉施設
業務範囲
内装デザイン、造作家具設計、サイン計画、什器・家具納品、収納計画
  • #国産材活用
  • #ワークショップ
  • #DIY

ふくしのカタチを考える

障がいのある方の「はたらくこと」を支援する福祉施設のこれからを考えているアンドベーシックさまより、新社屋建設にともない、内装材の選定やレイアウトの検討段階でお話がありました。経緯をお伺いすると、障がい特性を考慮した空間デザインや収納方法などについて、他の同業事業者が参考にできることを大切にしたいという思いを実現するために空間設計部へご依頼頂きました。
そこで本案件は、施設は点在していた3つの事業所を今回の移転でひとつにまとめ、連携性や事業同士のコミュニケーションを高めたいとのことで、いかに感じよく働き過ごすかを考え設計をしていきました。
3つの事業所も確認させていただき、現状困りごとやどのような雰囲気で新社屋を作成していきたいかを、数回に分けてヒアリングを進めていきました。

家のような施設

ヒアリングや現調から、コンセプトを「施設感をなくした、家のような場所」を目指すことになりました。
これは、アンドベーシックさまの経験談にも基づいています。施設感が強いと居心地が悪くなってしまい、近くのカフェで仕事してしまうことやひどい場合は、逆に症状が進行してしまうことなどが見受けられたようです。
そのほかにも、大人数が使う道具の収納方法にも困っていたので、収納セミナーも開催せせていただきました。新しい場所でも共通認識を持てるように、 しまい方や物の持ち方のレクチャーをいたしました。

未利用材を活用したDIYコミュニケーション

今後の地域とのつながりを広げていく、事業所同士のコミュニケーションを深めるために、まずは自分たちでできることを行い、塗装や組立ても行うことになりました。
モノづくりをされている方々でしたので、使用する材には、未利用材を選定し、素材の意味や形を考えてもらうきっかけにもしました。
未利用材の利用としてまずウケグチです。立木を伐採する際、はじめに切り込みを入れるのが「受け口」です。今回の案件では、ショップの商品棚にしました。
次にタンコロです。タンコロとは、切り出した木材を山から下ろす際に製材しにくかったり、山から下ろす際に長さを調節したりする際に出る端材です。こちらもショップで商品を並べるように高さ違いで納品しました。
これらの商品コンセプトを「愛着と手間のシェア」としています。山から下ろすひと手間、乾燥させるひと手間、加工するひと手間、仕上げするひと手間。 手間を分散させて、川上から川下まで連携した商品です。
最後の仕上げの余地を残すことで、 好みの形に仕上げ、手入れ方法を学び、そして愛着を持って使ってもらいたいという思いからできたモノたちになります。
お客様にも共感いただき、 楽しんで、やすりがけや塗装を一緒に行いました。

施設感がない家のような施設

木造2階で、1階にはショップとアトリエ、ギャラリーがあり、外から作業の風景を見ることができます。
2階にはミシン室や作業場兼サロンがあり、地域の方も呼びイベントでも使用することができます。
この場所の利用者は、精神的に病を抱えている方や発達障害の方が働いている特性に合わせて2階では、ひとりでもみんなでも使えるパーテーションを設置しています。
こもりたい人は背の高いパーテーションの場所へ、
コミュニケーションを取りたい人は外からも見えやすい目線くらいの高さの場所へ。
障がい者を障がい者だからと接するのではなく、施設感をなるべく無くした、家のような施設を目指しました。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

まずはご依頼ページよりお気軽にお問い合わせください。