生活協同組合コープさっぽろ|コープさっぽろきたひろしま お休み処

事例 No.024
時期
2023年7月
エリア
北海道北広島市
カテゴリー
店舗・商業施設
業務範囲
造作家具設計、什器・家具納品
  • #国産材活用
  • #地域土着化

北海道の木材をつかった多目的なオープンスペース

2023年7月、北海道北広島市にオープンした「無印良品コープさっぽろきたひろしま」の店舗共有部に北海道材を活用したラウンジ空間の事例です。
こちらの店舗は生活協同組合コープさっぽろ(以下「コープさっぽろ」)との協業型店舗となっています。
そのため、同じ建物内に地域のスーパーと無印良品をつなぐ共用部、オープンスペースが存在しており、今回この空間を活用して多目的なラウンジ空間をつくりました。
以前もコープさっぽろとの協業店舗では「お休み処」という休憩スペースを設けており、スーパーや無印良品で買い物をしたお客様が飲食をして休憩したり、仕事や勉強もできる空間を併設していたのですが今回は、従来のお休み処とは別に将来的に店舗でイベントやワークショップも開催できるような空間もあったらいいのでは?と提案させていただき、プロジェクトを進めていきました。

市場に出せない木材の使い道を考える

今回、オープンスペースで使用する什器は「ワケあって市場に出せない道南杉」を使用しています。
北海道の木材に拘った目的として、今回の店舗内装も北海道産のトドマツ、道南杉を使用していることから什器もできる限り、素材を統一した空間にしていきたいという思いがありました。
ただし、単に市場に流通している北海道の木材を使用するということでなく、せっかくであれば市場に出すことが難しく活用されていない木材を使いたい。
そこで、以前よりつながりのある企業の株式会社ハルキ(以下、(株)ハルキ※)より「市場に出せない根曲り材があるから活用できないか」とご相談をいただいていたこともあり、今回のラウンジ内で使用できるチャンスなのでは?と考えました。
早速、(株)ハルキ担当者にも連絡し、ご相談いただいた未活用の木材の現地確認に伺いました。
※株式会社ハルキは木の製材からプレカット加工まで一貫生産しており、無印良品の店舗内装材の供給やイベントにも出店いただいております。

素のかたちを活かしたベンチとスツール

根曲がり材のある北海道森町まで現地訪問し、北海道木材を活用した社屋、製材工場を巡りながら敷地の端に安置されていた根曲がり材の確認をしました。
そもそも、根曲がり材とは急斜面や積雪の多い地域でよく見られる立木になります。一度、根曲りが起きると市場価値がダウン、伐採後はウッドチップとして使われることが多いのですが、直接現地で見てみるとチップにするのにはもったいない!と感じました。
根曲がり材の特性上、根元にかけてゆるやかにカーブが拡がっていきます。
しかし、この特性を逆手に根元部分は腰掛ができるベンチにできないかと考えました。
また、寸法に合わせて製材した後に余った部分はスツールやサイドテーブルにもすることができそうです。
捨てる部分を最小限に抑えながら「素のかたち」を活かした什器になるよう意識しながらデザインしました。

地域材を活用した取り組みはこれからも

店舗のオープン準備も進むなか、並行して根曲がり材の製材から乾燥、加工も急ピッチで行われました。什器が仕上がるまでの過程で、木は傷つきやすく、割れることもあります。ただ、それが木の特徴や個性でもあります。
もちろん永くつかってもらえるよう塗装も施しながら今回の什器をつくっていきました。
オープン前には、ベンチやスツールへと生まれ変わることができラウンジも完成。
今後、この空間でDIYや木育などのワークショップやイベントを通じて、地域交流が生まれるスペースにしていく予定です。
地域材を活用した取り組みは今後も各地で続いていきます。
※今回の什器に使用した根曲り材は北海殖産株式会社が管理している山から伐採したものを使用しています。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

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