三井細山自治会館

事例 No.027
時期
2023年7月
エリア
神奈川県川崎市
カテゴリー
公共施設
業務範囲
コンセプト企画・提案・家具什器納品、グラフィック制作
  • #地域土着化
  • #ワークショップ

自分たちのまちを、自分たちでよくしたい

皆さんは、自分の住む街の自治会活動に参加していますか?
神奈川県川崎市に、加入率9割、約600世帯が加入する三井細山自治会があります。
設立から50年以上、世代交代が進みながらも住みやすい街の維持のためサークル活動や防災の取り組みなど、精力的に活動を行っています。
今回ご相談をいただいたのは、自治会館の建て替えにあたり、どうすれば住民の皆さんから使ってもらえる空間になるか、ということでした。
たまたま当時の自治会長さんが無印良品が手がけたオフィス空間をご覧になり、期待を込めてご相談をいただきました。
企業や自治体主導でなく、住民主導でまちをよくしていこうという思いに共感し、プロジェクトがスタートしました。

愛着と当事者意識をうむプロセスづくり

建築はすでに地元工務店による設計が進んでいたため、無印良品としては什器備品の提案や、活動をサポートしていく形で何ができるか考えていきました。
住民の皆さんとの意見交換会を企画し、実際にサークル活動を運営されている方や小学生のお子さんにもご参加いただき、どんな場所になったら使いたいと思えるか、ざっくばらんと話し合いました。
「ヨガ教室ができるよう、簡単に動かせる家具がいい」「子どもも集まりやすく」「今までどう使っていいかわからなかった」と様々な声をいただき、プランに活かしていきます。
どんな場であれば暮らしが良くなるか一緒に考え、自分たちの手で作っているんだという実感が得られるようになっていきました。

地域の皆さんに日常的に使われる場を目指して

実際に住民の皆さんから出た意見をもとに、インテリアを決定していきました。
テーブルは天然の杉材を利用した温かみのある素材。本棚は圧迫感のない無印良品のスタッキングシェルフを採用しました。
内装と合わせ温もりある、時間の経過とともに育っていく空間をイメージしました。
ハード以外の部分では、「誰でも気軽に使えて、ルールもわかりやすい」状態を目指すためのグラフィックデザインを行いました。
施設の使い方、利用のルールをイラストで子どもでもわかりやすく表現したリーフレットを製作、600世帯に配布していただきました。
また会館のロゴをデザインしのれんを製作、使いやすく親しみやすい会館を目指しました。
サークル活動や、ゆっくり本を読んだり、テレワークをしたり、集まってスポーツ観戦をしたり。
住民の皆さんが、自宅の延長のようにこの場を使い、地域で共有できる街中のリビングのような場所なれたら、という思いを込めています。

作って終わりではない、店舗との活動

無印良品の店舗は地域のコミュニティセンターの役割を持ち、地域の皆様と共に一緒に地域課題に対して取り組み、盛り上げていくことを目指しています。
竣工後に自治会館の近くにある「無印良品新百合ヶ丘オーパ」のお店ともつながり、イベントを共同開催する取り組みにも発展しました。

川崎市の看護師(まちの減災ナース)の皆さんにも協力いただき、災害時の備え、断水時のトイレ・手洗いの防災ワークショップを実施しました。
阪神淡路大震災時、7割弱が家族も含めての「自助」、3割が近隣住民同士で助け合う「共助」、救急隊による「公助」は全体のうち数%だったと言われています。
もしもの時に自分の身を自分で守ったり、地域の皆さんで助け合ったりできるようなコミュニティ形成に向けた活動を行いました。

無印良品では空間を作って終わりではなく、場づくりをきっかけとした持続する地域コミュニティ形成を目指しています。
空間デザインから始まった、近隣店舗と連携した活動はこれからも続いていきます。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

まずはご依頼ページよりお気軽にお問い合わせください。