山形県遊佐町 お試し移住住宅

事例 No.032
時期
2024年4月
エリア
山形県遊佐町
カテゴリー
宿泊施設
業務範囲
コンセプト企画・提案、内装デザイン、什器・家具・備品納品
  • #空き家活用
  • #移住定住促進
  • #地域土着化
  • #DIY

空き家をお試し移住住宅にリノベーション

山形県の最北端、秋田県との県境に位置する遊佐町は1万2千人の人々が暮らす小さな町です。町のシンボルである鳥海山のふもとには広大な田畑が広がり、日本有数の米どころとして知られる庄内平野の象徴的な風景が見られます。海・山・平野、自然が豊かな遊佐町ですが、全国的な少子化の進行と同様に、人口減少の課題を抱えています。2014年に消滅可能性自治体に含まれたことをきっかけに、10年間、移住者誘致のため様々な施策を展開してきました。取り組みのひとつとして、町内の空き家を掘り起こし、移住希望者とのマッチングを行う空き家バンク事業があります。2023年7月、この事業を活用した、空き家を「お試し移住住宅」へリノベーションする企画が立ち上がり、プロポーザル形式の選考会を経て、(株)良品計画が事業者として選ばれました。

家の個性を活かした改修デザイン

物件の所在地はJR遊佐駅から徒歩2分。薬局やスーパー、飲食店などの小売店や、町役場、図書館といった公共施設が徒歩圏内にそろい、移住体験をするにはうってつけな立地にあります。建物は木造瓦葺の2階建て、築39年のお家で、もともと家主さんがクリーニング屋を営んでおり、住宅の正面には店舗スペースが併設されているのが特徴です。外壁材の剥がれや内装材の劣化など、所々約40年の築年数を感じさせる状態ではあったものの、致命的な痛みはなく、家主さんが大事にされてきたお家だとわかりました。中でも特徴的だと感じたのは、組子細工の建具と2つの部屋をつなぐ不思議な押入れ。組子の建具は割れたガラスを入れ替え修復し、玄関から入ってすぐのダイニングの扉に。押入れは童心をくすぐる「おこもりスペース」に変身しました。

自分の暮らしと向き合う時間を提供したい

料理がはかどる広々としたキッチンと、一家で団らんできるよう畳敷きにしつらえこたつを置いたリビング。子ども部屋やリモートワークに使える個室と、しっかり休息の取れる寝室。全部屋のインテリアにはもちろん無印良品の商品を使用しています。NPOいなか暮らし遊佐応援団がアレンジする移住体験ツアーに参加して、遊佐町のことを知り、遊佐町の人と出会い、お試し移住住宅に戻ってきた後は、家族とゆっくりこれからのくらしについて語らい、自身のくらしと向き合う。そんな移住体験をイメージしながら改修プランを考えました。

遊佐町民のみなさんと一緒に盛り上げる

物件改修の最後の仕上げは、地域住民の皆さんとDIY講座という形で、壁の塗装と断熱DIYを実施しました。講座をきっかけに町民のみなさんにもお試し移住住宅を知ってもらうことがひとつの目的です。当日、参加者のみなさんが前のめりになってDIYに励む姿から、楽しみにしてくれていた様子がうかがえました。また、お試し移住住宅の完成時にはお披露目会を開催し、その際、DIY講座参加者のほぼ全員と再会しました。みなさん完成をまちわびてくれていたようです。遊佐町のお隣、酒田市にある無印良品 酒田POP-UP STOREから移動販売カーが出店したこともあり、お披露目会は大盛況。これをきっかけに、今後も遊佐町のまちなかで移動販売を継続することとなりました。こんな風に、お試し移住住宅をきっかけに新しい出会いやつながり、コミュニティが生まれていくことを期待しています。

場をつくったそのあとに

物件改修の過程は、無印良品 酒田POP-UP STOREのSNSで発信を続けました。また、物件完成後には移住体験のモニターを募集しその様子を取材。遊佐町の魅力が詰まった移住体験記が出来上がりました。本格始動を前に、移住体験ツアーや移住お試し住宅の課題点、また、どんな人をターゲットに情報発信するかなど、改善したいことが様々見えてきました。今後も、移住検討者向けポータルサイトへ情報掲載し露出を高めたり、既存WEBサイトのリニューアルを検討するなど、遊佐町の移住促進の取り組みは続きます。
地方移住に興味のあるみなさま、ぜひ遊佐町での移住生活も体験してみてください。

ご相談の流れ

  1. ご相談

  2. 現地調査

  3. コンセプトメイク・設計デザイン

  4. 見積もり・ご契約

  5. 施工〜お引き渡し

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