
2021年11月17日(水)〜19(金)の3日間、大阪で行われた『オフィス防災EXPO2021』に、無印良品(株式会社 良品計画)が初出展しました。これまで、このような社外の展示イベントに出展したことはなく、初めての試みでした。
ここでは当日の会場の様子や、無印良品が防災用品を手がける理由について紹介します。

目次
無印良品が防災を行う理由

職場の防災用品について、なにがどこにあるか、把握していますか。
2021年の防災の日に因んで行われたあるアンケート調査によると、およそ半数の方が、防災対策をしていないという結果が出ています。
また東日本大震災や熊本地震以降、防災に対する意識が高まったという方が7割に達する一方、「なにを準備したら良いのかわからない」という方も、5割ほどにのぼります。

まず最初のステップとして、大事な命を守る防災の“自分ごと化”のきっかけに、「ふだん使いできるモノを、いざというときの防災用品に」という『いつものもしも』をコンセプトを掲げました。
誰でも気軽に日々のくらしの中に備えを組み込む「標準装備」を提案しています。
例えば、ふだんから鞄に入れておける「携帯」、避難時の「持ち出し」、数日分の「備え」と、緊急時に役に立つアイテムをコンパクトにまとめた『いつものもしも 防災セット』を展開しています。
加えて、無印良品の通常のラインナップの中から、日常でも、もしものときでも役に立つアイテムを組み合わせて、備えの場所やシチュエーションに合わせた提案を行っています。

モノを通じた提案のみならず、自治体と連携した防災ワークショップ・イベントの開催などを通じて、ふだんから防災に触れる様々な取り組みを進めてきました。
無印良品では、一日のうちのはたらく時間、学ぶ時間も「くらし」の一部と捉え、オフィスなど公共空間での日常備品や家具什器、整理収納や空間の企画設計と、法人様向けに提案を行ってきました。
備えも空間と一体となって考えるべきである、という考えのもと、新型コロナウイルスの影響で急速に普及したテレワークでの働き方に変化に合わせた「はたらく場の備え」について、提案しています。
無印良品の防災

1. もしもの備えは、いつもの延長で考える

シチュエーションを想定してつくられた『いつものもしも 防災セット』3種は、まず「備え」を身近に取り入れるきっかけにしていただくもの。住宅でもオフィスでも、気軽に備えることができます。
ふだんから目につくところにも、頻繁に出し入れしないデッドスペースでも収納できるためいざというときに、誰でもパッと取り出せます。
もっとも小さな『いつものもしも 携帯セット』は、プレゼントやノベルティ用途としても人気でした。自分で買い揃えるにはなかなかハードルが高いからこそ、もらって嬉しいものなのかもしれません。




セットの中身も陳列。たくさんの方が手に取っていました
2. 防災用品と役に立つ日用品で、備えを日常的に身につける

もしものときに必要なものの中には、「防災用品」として必要な専用品と、日常的にふだんから利用しているものがあります。
例えばヘルメットは、なかなか使う機会もないため、用意したとしても倉庫にしまわれてしまいがちです。実際に、防災用品がどこにあるかを把握しているのは総務の人だけ、という声もありました。もしものときに使えるように、誰もが日頃から場所を覚えておけるよう、小さく畳んで棚に設置しておくと、自然と備えが身近になるかもしれません。
逆に日頃から使えるものは、防災用に用意しておくのではなく、日用品のストックを代用するのがおすすめです。レトルトの日常食を定期的にランチなどで消費しながら、定期的に入れ替えることで、いざというときも食べ慣れた美味しい味が食べられます。


3. 防災セットに追加して、備えをカスタマイズする

『いつものもしも 防災セット』3種は備えの基本として、必要最小限のアイテムに留めることで、必要人数分を揃えても重複し、困ることのないように考えられています。
『備えるセット』は書類整理に使うファイルボックス型をしているため、並べておくと見た目もすっきりし、場所も取りません。備える場所や用途に応じて、組み合わせや収納方法をアドバイザーが伺い、提案を行っています。
無印良品のファイルボックスには、ヘルメットや食品を詰められます。オフィス・寮・在宅勤務用など、さまざまなシーンに対応します。

4. 備えの整理収納と、感じ良い空間のあり方について考える

テレワークが一般的になった昨今、「はたらく場」と「住まい」の境界も曖昧になってきました。防災用品も変化する環境に合わせ、従来のようにオフィスの倉庫にまとめて設置しておくのではなく、出社率に合わせて社員へ配布するなど、あり方を見直す必要があります。
無印良品では、「整理収納アドバイザー」の資格を持ったアドバイザーが、オフィスなどの収納や防災用品の管理について、相談を承っています。
全体的なレイアウト変更、働き方の相談、内装設計の相談にも乗っています。オフィスの見直しの際は、防災についても一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

5. 避難所の備え、ダンボールベッドを考える

慣れない環境下でも、いつもと変わらない過ごし方が少しでもできるようにと考え、ダンボールのベッドをつくりました。
避難所での利用を想定し、簡単にパーツを組み合わせるだけで完成する、簡易的なベッドです。
このベッドは、実際に東日本大震災や熊本地震の被災地で設営されたものを、どの自治体・施設でも備蓄できるようにと製品化したものです。
足元のスペースには収納ボックスがぴったりと収まり、荷物をしまえるよう考えられています。
2022年より全国の法人窓口店舗にて、法人様向け限定商品として販売を開始※します。
※間仕切り用のポールとカーテンは発売未定です

イベントを終えて

会場では、3日間で約2,200人程の方が、無印良品のブースを訪れました。
ブースでは、法人担当や企画・開発担当のメンバーが常駐し、オフィスにおける防災の悩みや、これからしっかりと考えたい、という生の声を聞きました。
各社の総務担当の方からは、「一応準備したけど、いざというときに使えるか不安」「まだ実は何も準備していなくて……探しにきました」などの声が寄せられ、防災に対する意識が高まってきていることを実感しました。
一方、総務担当以外の方からは、「会社で準備してあるらしいけど、どんなものが用意されているのか知らない」という声もあり、現状に対する不安を抱えていることもわかりました。

会社の防災、というと、最低限これだけ準備しておけば良いか、ということで、「用意して終わり」になってしまうことが多いようです。
ですが、実際はいつ不測の事態が起きても、従業員の皆さんが落ち着いて対応できるようにするところまでが、備えと言えるのではないかと考えます。
まずは備えの第一歩目、意識を持つところから、始めてみてはいかがでしょうか。
防災用品のご相談|法人様向けご注文サービス
https://www.muji.com/jp/business/emergency-supplies/