日本の木でできた家具 前編

事例 No.033
時期
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業務範囲
商品開発
  • #国産材活用
  • #FFE

ふつうの商品と違うところ

2016年、無印良品は初の法人向け家具のシリーズ「日本の木でできた家具」をスチールオフィス家具のメーカーである株式会社内田洋行と共同開発し、発売しました。そこから約7年がたち、2023年にはより国内の資源循環の活性化をめざしていくため、木材の産地指定や新たな種類のパネルを加えてリニューアルを行いました。今回は、開発の過程で苦労した点や、大切にしている視点などについて前編・後編にわたりお話しします。
「日本の木でできた家具」は、無印良品の店舗で販売されている家具とは少しカテゴリーが異なります。国内外に1,200を超える無印良品の店舗では、多くのお客様に手にとっていただくために品質や価格の安定性を一番に考えられた商品が主流です。
一方で「日本の木でできた家具」には、天然の木の素材をできるだけそのまま活用することで、商品一つ一つの個性がはっきりと現れています。デザイン自体は木の板に鉄の脚やフレームを取り付けただけの明快な作りですが、木の素材感がまるで違います。そこがこの家具シリーズの面白いところであり、開発に苦労した点でもあります。

家具には不向き?それってほんと?

天然の「木」という素材は、樹脂や鉄と違い、人と同じように一本一本、板一枚一枚に「個性」があります。それは、木が生き物として山で成長し、私たちの元へやってきているという証でもあります。
天然の木を使う以上は、その個性と真っ向から向き合わなくてはいけません。このシリーズに使われている木は、日本の山の資源循環をめざし「杉」を使っています。「杉」は、軽くて柔らかいという個性を持っているので、家具には不向きと言う人もいます。ですが、私はそうは思いません。

欠点は理解すると欠点じゃなくなるのか

確かに節もあるし、見た目も違うし、ちょっとしたことですぐに傷が付くし、反ったり割れたり、汚れがつくこともあります。しかし、「モノを置く」「デスクワークをする」「食事をする」「座る」という本来の用途が失われるわけではありません。鉄を組み合わせることで、オフィス家具として必要な強度は、しっかりとあります。
必要なのは「木の個性」を理解し、許容することなのだと思います。
そして、「木への理解」が広まれば、日本の木の活躍の場はどんどん広がっていくはず。そう信じています。
後編へつづく

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