シエスタハコダテ

【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

MUJI BOOKS

2021/10/21

大人向けのダークな絵本の先駆けといえるエドワード・ゴーリーの作品は、独特のちょっと怖い世界観をもった作品ばかり。
奇妙な作品という印象が深くて苦手なかたも、一冊手に取り、ゴーリーの世界を覗いてみませんか。

エドワード・ゴーリーは1925年アメリカのシカゴ生まれの絵本作家です。
2000年の75才で亡くなるまで、多くの作品を残しています。

インパクトのある文章、独特のモノトーンの絵は、底知れぬ不安感を感じさせ、読み手を圧迫してきます。
そんなエドワード・ゴーリーの作品をいくつか紹介していきますね。

『うろんな客』
 
【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

ある家族のもとにやってきた「うろんな客」のお話。
この「うろんな客」は突然やってきて、家族の困惑と迷惑をかえりみずに好き放題です。
「うろん」を辞書でひくと正体が怪しく疑わしいことと書いてありました。
読み進めていくとだんだんこの怪しい「うろんな客」が愛しく思えてくるのが不思議です。
冷静に変てこな状況を、美しく語る短歌訳も素晴らしい。
エドワード・ゴーリーの本をはじめて読む方におすすめです。

『優雅に𠮟責する自転車』
 
【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

まずタイトルの「優雅に𠮟責する」という表現がいいですね。
だけど物語の中では一度も自転車が優雅に𠮟責する場面はありません。
「火曜日の翌日で 水曜日の前日のこと」というプロローグから始まり、二人の子供が奇妙な自転車に乗って不思議な旅をする物語です。
自転車のようで決して自転車ではない自転車が、意思や目的もわからないまま二人を連れ回すのですが、それが時空の狭間で起こっているのか、それともそこへ連れていかれたのか。
旅から帰るととてつもない年月が流れているという日本の物語の浦島太郎を思い出させます。
エドワード・ゴーリーの本の中では怖さ、ブラックさというよりシュールさが際立った作品となっています。

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』
 
【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

こども達がアルファベットに合わせて恐ろしい運命に出会う物語。
AからZまで、まるで歌みたいです。
「どういうわけか、人生におけるわたしの使命は人をできるだけ不安にさせること。人はみんなできるだけ不安になるべき。世界というものは不安なものだから。」という言葉を残しているエドワード・ゴーリーにしか書けない怖い絵本。

怖いけれど美しいエドワード・ゴーリーの世界を感じてみてください。
売場は2階大人の絵本コーナーにございます。
 
【シエスタハコダテ】エドワード・ゴーリーの世界

~本日紹介した本~
『うろんな客』
著者:エドワード・ゴーリー
訳:柴田元幸
出版社:河出書房新社
消費税込1100円

『優雅に𠮟責する自転車』
著者:エドワード・ゴーリー
訳:柴田元幸
出版社:河出書房新社
消費税込1100円

『ギャシュリークラムのちびっ子たち』
著者:エドワード・ゴーリー
訳:柴田元幸
出版社:河出書房新社
消費税込1100円


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