国土の7割が森林という日本では、経年の対応にも強い代替材の普及により天然資材の需要は下がり続けていいる——
大阪のとなり町にあたる兵庫県尼崎。この町の老舗木材店の陽の目をみない木材を使用し、簡単にスツールをつくる体験がOpen MUJIで行われました。
1月13日に行われたワークショップのレポートです。

地域のクリエイターや生産者、アーティストの方々と無印良品のお客さんをつなげるOpen MUJI。
イベントを重ねるごとに色んな繋がりがうまれるのですが、今回もすてきな繋がりによりイベントが開催されました。
かねてよりグランフロント大阪 Open MUJI でワークショップを定期的に開催しているNPWの学校のふるもとひろしさんの紹介で、すてきな講師をお招きしました。
木工家具作家ユニット「2M26」ことフランス人アーティスト/建築士のセバスチャン・ルノーさんとメラニー・エレスバクさんです。
フランスと京都を拠点に世界中で活躍するふたり。数多くの空間デザインを手掛ける他、都市のあり方や人々の暮らしを理解するための試みとして各地で路上パフォーマンス行うなど枠にとどまらない活躍をしています。
日本語は話せないのですが、簡単な英語とジェスチャーでみなさんとワークショップを楽しみました。

人が腕を伸ばして立ったその高さが約2m26。ユニット名の“2M26”は建築の巨匠ル・コルビジェが提唱した「モデュロール」に由来しており、彼らのこの家具製作の「基準寸法」になっています。

モデュロールを用いて簡単に手に入る材料で誰でも使いやすい家具をデザインすることをが彼らのスタイルです。
作業は実にシンプル。インパクトひとつで用意された穴にネジを打って組み立てていくだけ。
一人掛け用、二人掛け用を選んでつくりました。
はじめてインパクトを使うという方が殆どでした。
慣れない作業でネジを折ったひとの「ヘルプミー!」という声が聞こえてきたり、難しい箇所は隣のひとと支えあったり……四苦八苦しながらも皆さん夢中で賑やかに楽しんでいました。

最後はヤスリをかけて完成。
撫でるように表面に丸みを出していました。
自分の手で作ったものは無条件に愛着が湧くものですね。

使われてなった木材だったので、中にはロゴや数字が刻印されているモノものがありました。
これはこれで無骨でかっこいい……

「こういう意図しない柄に、ストーリーを感じるからいいですね。」
というある参加者のひとりの満足の一言がこのワークショップの本質を物語っていました。
今回のワークショップを企画し2M26のふたりを繋いでくれた、NPWの学校のふるもとひろしさん。
使われなくなったヌメ革の裁ち落としでバッグをつくるワークショップを全国や海外でも行う活動をされていて、全国のOpen MUJIでも度々ワークショップをされています。
「材はあるもの、技術は身の丈、実作業はスピーディーに」
NPWのコンセプトです。
そんな彼が尼崎の材木店でみつけた、長い間陽の目をみなかった木材に、近いシンパシーを感じるというセバスチャンさんとメラニーさんと共に“NPW的”にスポットライトを当てた事がきっかけです。

なんと今回のワークショップを皮切りに、同じマインドを持つ「2M26」のセバスチャンさんとメラニーさんと共に
『WOOD STOCK 2019 -NO PLOBLEM, NO PRODUCTION-』
として全国を巡る活動をスタートされたのです!

今回行ったワークショップが全国で行われます。
詳しくはNPWの学校のホームページで情報が公開されていて、このワークショップを企画した経緯も知ることができますよ。
「2M26」のセバスチャンさんとメラニーさん。
「NPWの学校」のふるもとひろしさん。
彼らの今後の活躍もとても楽しみですね。

2M26
NPWの学校
無印良品 グランフロント大阪