みなさんは日々の生活で蝋燭の灯りを見ることはありますか?
日常の明かりとしては電気がありますし、たまに雰囲気のいいレストランやバー、法事などのお仏壇などで見る程度。災害時などに役に立つ事もありますが、なかなか普段の生活の身近なモノとしては捉えにくいのではないでしょうか?
『蝋燭のあかりは、季節の空気に寄り添いながら暮らしを柔らかく照らしてくれます。』
と話すのはキャンドル作家の河合悠さん。
暮らしを彩るための道具としての蝋燭を制作・提案する活動をされています。
冬真っ只中のグランフロント大阪Open MUJIにて、河合悠さんをお招きし、冬を彩る蝋燭をつくるワークショップを開催致しました。
2月23日に行われたイベントレポートです。

蝋燭作りは実はとてもシンプルで、実際に“作る”という工程は時間にして1人約10分程度で終了します。
河合悠さんのワークショップはただ作るだけではなく、「なぜ日常に蝋燭を用いるのか」という自分の生活に立ち返って理解を深めることからはじまります。
まずはその魅力を話す時間がありました。

せわしない日常の中でも、蝋燭を灯し空間を優しく照らす生の火と過ごすひと時を設ける。
河合悠さんは「朝に火を灯すのもおすすめです」といいます。
特に雨の日の薄暗い朝に灯すのが最高にいいそうです。
想像するだけで…いいですね。
一日の始まりや終わりに、気分をフラットにする。
空間をピシッと、整える。
そんな効果が蝋燭の火にはあります。
河合悠さんの穏やかな口調で説明があった後、早速蝋燭づくりに取り掛かりました。
まず最初に蝋燭の配色を考えることからはじまります。

使用するのはオイルパステル。
用紙に自分の思い描く蝋燭の色を一旦、描いてみます。
自分の好きな色はもちろんの事、落ち葉や空、普段何気なく見る風景の色彩も参考になります。
この日はミロコマチコさんの画集やレオ・レオニの名作「スイミー」の絵本からも色彩のインスピレーションを受けて配色を考えたりしました。

普段何気なく過ごす風景も、意識してみる事により色彩の豊かさに気付かされますね。
色彩が決まった後はいよいよ蝋燭を作り始めます。

約60度に熱せられた液状の蝋を使用し型へ流していきます。
雪平鍋に蝋を少量すくい、着色して流す。

配色を元に度々色を変えて流す。
これを数回繰り返します。

使用済みの固形の蝋燭は細かくして型に入れて使用します。
無駄がありませんね…!

9割ほどのラインまで蝋を流して少し置き、ほんのり表面が固まってから残りの1割を注いで終わりです。

ワークショップはここまで。
あとは河合悠さんが工房へ持ち帰り仕上げを行いました。
後日グランフロント大阪に完成品が届きました。

素晴らしい配色と仕上がりですね。
ワークショップに参加されたみなさんの作品です。
この大きさで約3か月使用することができるそうです。
春・夏・秋・冬
と、ちょうど季節ごとに使用することができますね。
河合悠さんのワークショップは様々な場所で開催されております。
また、音楽ライブの舞台演出やパフォーマンス、インスタレーション等……
蝋燭による多岐にわたる活動もされています。
河合悠さんの活動はホームページやSNSなどで確認することができますよ。
ホームページ
Instagram

何気なく過ぎていく日々の生活。
季節がめぐるように、蝋燭が尽きるまでの風景を楽しんでみてはどうでしょうか?
無印良品 グランフロント大阪