京都山科

【京都山科】全力で楽しんでいる|取材レポート

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2025/05/22

 みなさん、こんにちは。すこやか研究会です。
 私たちすこ研は、忘れかけている人ともののつながりの中で、すこやかについて考えてみようよ、と地道に活動しています。
 
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 今回は京都清水五条にて吉田さんご家族で京佃煮の製造、販売を営まれている〈津乃吉〉さんを訪ねました。

 集合時間は朝の7時25分。
 なぜこんなに早いのかというと、朝ごはんをいただくから。津乃吉では見学希望者へ、まず吉田さんお手製の朝ごはんを食べてから、調理場を見学するというツアーをおすすめされているんです。
 
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 朝ごはんは津乃吉の2階、吉田さんのご自宅でいただきます。
 「かつお味噌」がのった冷奴に「大根と生姜の煮切り漬」に「黒豆煮」、ごはんのお供には看板商品の「山椒じゃこ」と大人気「京なめたけ」と津乃吉の商品を堪能できる献立。お出汁や素材のおいしさにごはんおかわりしちゃいました。考えてみればこんな充実した朝ごはんは久しぶりです。食べ終わった食卓にあるのは空っぽのお皿なのに満たされたような空気が漂っていました。

 津乃吉を食卓で楽しんだあとは調理場へ。今日は看板商品「山椒じゃこ」の製造風景を見せていただきます。
 
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 ちりめんじゃこはまず人の手と目で異魚や色の悪いものなどを選別する工程からはじまります。こんなたくさんのじゃこの中から見分けられるのかと思いますが、吉田さんはひょいひょいと慣れた手つきで選別していきます。その様子を見ていると手作業の繊細さ、身にしみついた習慣からなる技というのを考えずにはいられません。
 
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 そして、ここからが津乃吉の「山椒じゃこ」がほかとは違うところ。
 ちりめん山椒は調味料で炊くのが一般的だそうですが、津乃吉では創業当時から蒸し器で「蒸す」というオリジナルの製法をとられています。

 「そのまま食べても充分おいしいものを使っているからこそ、丁寧に、手間暇かけておいしくする義務が僕らにはあると思って手づくりしています」

 うまみを外に逃がさないために蒸して漬けるという製法は素材を思った工夫なんですね。蒸し器からもれる蒸気はそれだけでごはんが食べたくなる良い香り。蒸し上がりは見た目にもわかるほどふっくらしています。
 
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 ちりめんじゃこを漬ける出汁醤油は、先代から引き継いでいるという、利尻昆布とあじ節とかつお節で丁寧に出汁をひき、醤油、麦芽水飴を溶いて一晩寝かせます。出汁をひくときに使うお酒が驚くほど飴色で思わず「きれい」とつぶやくと「いいものはね、やっぱりきれいですよね。毎回心ときめいてますもん」そう嬉しそうに笑う吉田さんが印象的でした。
 
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 そんなお話を聞いているあいだにもちりめんじゃこは小さなからだに出汁醤油をぐんぐん吸い込んでいきます。ときどきかき混ぜながら「育ててるなって感じなんです」と吉田さん。

 「じゃこが出汁醤油を吸っていくその工程がたのしくてうれしいんですよ」

 そのまなざしはわが子を思うような愛にあふれたものでした。
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 数時間漬け込んだら、調味液を切ってフライパンで山椒の実と一緒に乾煎り。
 このとき生まれるちりめんじゃこのうまみがでた「じゃこだし」は津乃吉にとって宝物。そのわけが試飲してわかりました。それぞれの調味料が調和しまるみが出て、濃縮されたちりめんじゃこのうまみにからだが喜んでいると感じるんです。
 津乃吉ではこれを使って実山椒を炊くなど、他の商品に活かしています。私たちがSDGsと大声を上げるずっと前から津乃吉は「二次利用しておいしいからつかっている」という自然な理由で素材を使い切る製法を続けてこられました。ひとつひとつの工程を人の手で行うからこそ、津乃吉の商品には素材同士のつながりが生まれている。そして、それが食べたときの「おいしい」という満たされた気持ちにつながっているのかもしれません。
 
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 娘さんの通う学校のPTA会長をしたり、行きつけのスーパーを語る会を企画したり、飲食店(バー)のレシピを開発したり。吉田さんのお話を聞いていると、大変やけど自分がやって楽しい、という気持ちが原動力になっているのだと感じました。だって一緒に話しているとこっちまで楽しくなってくるんですよ。
 みなさんもぜひ、お店に行ってみてくださいね。また、無印良品 京都山科の地下1階では、津乃吉の商品を取り扱っていますよ。




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