京都山科

かなだや

【京都山科】京のおかき処 かなだや|現場を訪ねて

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2020/03/21

 私たちは普段食べているものが、どうやってつくられているのか、そのおいしさがどこからやってくるのかを忘れてしまいがちです。無印良品 京都山科では、できるだけつくっている人の顔が見えるものを揃えて、交流をしながら販売していきたいと考えています。今回は1階銘菓の売場で展開している、地元の山科でつくられているお菓子を取材してきました。その様子をレポートにして皆さんにお届けします。

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 店舗からほど近い住宅街のなかに、『京のおかき処 かなだや』はあります。蔵のような造りのお店には、風にはためく橘紋の暖簾とどこかごつごつしたおかきを連想させる字の“かなだや”の看板が目を引きます。
 
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 店先の石臼や年季の入った店内には囲炉裏机や椅子があり、どこか懐かしさを感じる佇まいにゆっくりとした時間が流れていました。
 
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 『京のおかき処 かなだや』はおかきづくりをはじめて61年。代表の加名田タカ子さんは、ご主人の思いを引き継ぎ、家族と共に今日の『かなだや』を守り育ててきました。
 
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 『かなだや』では、いい素材とは最高ではなく最良のもの、という考えで、契約農家の滋賀県産 羽二重もち米などの玄米を仕入れ、『かなだや』のおかきに合った方法で自家精米をしています。昔からの製法を用いており、そのほとんどが手作業です。素材の味を感じてほしいから、できる限り添加物も使用していません。素材と向き合い、より良いものを求める姿勢こそ、『かなだや』が継いできた伝統である“最良”という言葉に込められているのではないでしょうか。
 
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 「天候だってころころ変わるでしょう。人間の体をおかきに合わせなあきませんねん」

 チャーミングな瞳の奥に光って見えたのは、職人の姿でした。
 素材や天候に合わせて焼き具合も調整するとは……。おかきは人の手でもちをつき、乾燥させ、焼かれているということを、知っていたようで知りませんでした。
 取材中、ずん、ずん、と響く大きな音と揺れを感じました。地響きに身構えると、「2階でついたもちを機械からはがしているんですよ」と笑いながら娘の真沙さんが教えてくれます。どんなに時間が流れても、『かなだや』のこの音はずっと変わらないんですね。もっとこの音と振動を感じていたいと思いました。
 
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 焼き立ての素焼きおかきを食べてみてください、と真沙さんがすすめてくれました。
 
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 黄金色で、干したてのお布団みたいな、やさしく包み込んでくれる太陽の香りがします。さくっと軽い食感で中はふわふわ、くちどけの良さに驚きました。
 噛むたびに、凝縮されたお米の甘みと旨味がじんわり口の中に広がっていきます。味付けのされていないものってちゃんと素材の味を感じられます。まるで、おばあちゃんの家の畑で食べた、もぎたての野菜のよう。
 
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 ほっと心落ち着くお店にしたい、という先代の思いからたち上げた『かなだや』。家族経営は私たちが思うよりずっと大変なものだったと思います。タカ子さんに、無印良品 京都山科のテーマでもある「おいしいって、なんだ。」という問いを投げかけてみました。

 「心とからだが喜ぶものですね。『かなだや』のおかきは昔ながらの不器用なやり方でつくっていますけど、なんぼ食べても飽きがこない、とお客さまから言うてもらえるのは、自然の素材を大切にしてつくらせていただいてるからやと思います。水、木、藁、なんでも自然に勝るものはないですよ」

 「使命感のようなものですかね。主人の志と『かなだやさん、頑張ってや』っていう地元の方の声に、励まされてやってこられました」

 タカ子さんは優しさをたたえたまなざしで、お店に並ぶおかきを眺めて、そう教えてくれました。

 家紋にはそれぞれの家が受け継いできた意味があり、『かなだや』の継ぐ橘紋には、“永遠”という意味が込められているそうなんです。
 世の中には、安くて食べるとやみつきになるお菓子が溢れています。そんな中で、『かなだや』のように素材の味を大切にしたお菓子がずっと永く続いていきますように。そう願わずにはいられませんでした。
 
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 帰り道、「私たちの心をおかきに託して、お客さまに届ける。それが最上の喜びです」というタカ子さんの言葉を思いだしながら食べたおかきは、なんだかいつもと違う味がしました。
 食材の味を舌で感じるだけじゃなくて、つくっている人を知ると、味が深まったり、よりわかる気がしたり、自分から見つめることで“味わう”が更新されていくんだって発見がありました。つくり手の顔を思い浮かべながら食べるって、こんなにうれしいことなんですね。
 食べるほどにあたたかい気持ちになる『かなだや』のおかきは、誰かと一緒にゆっくりお茶を飲みながら食べたいなあ。そんなことを考えていたら、食べものは人の心を動かしたり、大切なときをもたらしてくれるんだということに気づきました。
 
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 無印良品 京都山科ではこれからも、近くでものづくりをしている方たちの現場を訪ね、行ってみないとわからない、お話しないと聞けない、そんなことをおたよりで配信していきます。
 1階 銘菓の売場には、今回訪問した『京のおかき処 かなだや』の、京都吟味百選に選ばれた、山椒の香りがクセになる『鬼さんしょう』や古くから愛されてきた『都のかがり火』など、いろんな種類のおかきを取り扱っています。お茶漬けやお吸い物に使える『ぶぶあられ』はタカ子さんの字がパッケージになっているんですよ。
 皆さんも、ぜひこの機会に味わってみてくださいね。


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