冷奴に和え物、サラダ、肉魚料理にも、和食に関わらず幅広い料理に使われるごまは、ぱらりとふりかけるだけで料理にぐっと魅力が増す名脇役。あの香ばしい香りと風味はどこからやってくるんだろう。私たちはその不思議を探しに、大阪府八尾市にある「株式会社和田萬」のごま焙煎工場を訪ねました。
「株式会社和田萬」は、1883年創業以来小さな小さなごま粒と向き合ってきたごま専門店です。長年に渡ってごまの焙煎方法の研究に尽力され、2010年からは地元の農家さんや参加者を募り、自分たちでごまの栽培も始められたのだそう。
その活動のきっかけは日本のごまの自給率。実は国内で流通しているごまのほとんどが輸入で、その自給率は0.1%だと言われています。
「日本がいちばんごまと深い食文化を築いていると思うんです。それなのに実際の自給率を見るとさみしいですよね。だからこそ、色や形のうつくしさ、噛むほど味を感じる国産ごまのおいしさをもっとたくさんの人に知ってほしいと思ったんです」
そう話してくれたのは株式会社和田萬の社長である和田さん。
現在でも種まきから収穫まですべて手作業で行われているごまの栽培は、土地の拡大が難しく、高齢化も手伝って生産量は減少していく一方と言います。「1件でもごま農家さんがいればどこへだって行きますよ」と笑う和田さんは、実際に圃場へ赴き、農家さんと考えを分かち合いながら、スタッフのみなさんと栽培期間中、無農薬・無化学肥料でごまを栽培しています。
簡単に何でも手に入るこの時代に生きていると、つくる人、加工する人、届ける人、食べる人はどうしたって切り離された存在に思えてしまいます。和田さんたちのように自分の手で触って、見て、感じながら生産者さんと関係を築くことが、つくる人と食べる人をつなぐ架け橋になってくれるのですね。
春に撒いたごまの種は、夏の間成長し、秋には収穫。そのまま乾燥させ、さやから取り出したものがこの焙煎工場に届きます。細かな枝や石、鉄粉などを取り除くために何工程にも分けて選別されたごまは、洗浄脱水後、ようやく焙煎の工程に。
焙煎所は足を踏み入れた途端、胸いっぱいに吸い込みたくなるような香ばしい香りでからだが包まれました。
「コーヒーの焙煎と同じで、ごまも 一回一回焙煎が違うんです。その日のごまの状態を見極めて、2分に1回、1度ずつ調節します。焙煎時間も短いので、1秒で味が変わるんですよ。ごまは自然のものだから、その風味を左右するのは6割が焙煎技術だと考えています」
焙煎の様子をのぞくと、灼熱の中でごまが躍っていました。黄金色に焙煎されたばかりのごまは温かく、一粒一粒がぱんっと張っています。噛みしめると香りが鼻に抜け、コクと甘みが舌に広がります。
今まで気づかず無頓着にいろんな料理に使っていたけれど、ごまっておいしいんだ。この小さな粒には手間ひまとつないでいきたいという人の想いが詰まっている。そんな意思を継いで、ごまたちはさやから飛び出していくのかな。
そして、この度無印良品 京都山科は京都・山科に工場を構えるソース屋『オジカソース工業』さんにご協力いただき、和田萬さんのごまを使ったごまだれを開発しました。
(京都・丹後で金ごまを育てる『京都株式会社』のみなさん)
使用するごまは京都・丹後産の金ごま。実は京丹後は“薬膳、薬味の里”とも言われ、ごまを育てるのにも適した土地なんだそう。金ごまの豊かな香りを生かすために、たれにはすりごまと煎りごまをブレンドしました。
濃厚なのにすっきりしたコクと焙煎によって引き出された金ごまの甘みがあとを引きます。たれとして蒸し鶏や焼肉に、ドレッシングとしてサラダやしゃぶしゃぶに、幅広く使えそうです。
ごまは仏教の伝来とともに広がり、日本でも古くから食べられてきました。無くても困らないけれど、あったらうれしくて。いつの時代も変わらない「おいしくなあれ」とふりかける食べる人への思いやりが、今日まで絶えることなくごまをつないできたのかもしれませんね。
ぜひみなさんも京都生まれ、京都育ち、ごまの魅力がぎゅっと詰まったごまだれを味わってみてくださいね。『京都・水尾の柚子ぽん酢』とも相性ぴったりですよ。
3月30日(水)発売
『京都・丹後の焙煎金ごま』1本 消費税込 620円
#開けごま
#香りは鼻からやってくる
#五感を使う
#地元でつくった
#職人の技
#ごますってないで
#ごまかさない
#一日一ごま料理
#甘みを探せ
京都山科を店舗フォローして、毎日の新鮮なおいしい情報やイベントの最新情報をチェックしてくださいね。右上のフォローボタンがエンジ色になればフォロー完了です。
無印良品 京都山科