「昔はすべるように書けた。最近はじっくり書いています。でも、ずっと一貫して書き方を変えることはしていないですね。その時の自分の感じ方のまんま」
昨年の12月に最新刊『空気が静かな色をしている ー日々ごはん2021.7→12ー』を刊行された高山なおみさん。当店で二回目の登壇となる対談に聞き手として、〈ホホホ座浄土寺店〉山下賢二さんをお招きし、日記をテーマにお話ししていただきました。
『にいぜろにいぜろにっき』を刊行されている山下さんは、高山さんが〈Kuu Kuu〉で働かれていたころのエッセイに共感し、以前から高山さんがどんな若者だったかに興味があったそう。
「以前の(高山さんの)芸風は詩的表現が多くて、感受性を書かれていたなと感じていて」と山下さんがそのエッセイについて話すうちに、高山さんは「あ、うんうん。どんどん思い出してきた(笑)」と〈Kuu Kuu〉時代の出来事をお話ししてくれたり。山下さんが言った「〈Kuu Kuu〉のころは不良だったでしょう」のひと言には、高山さんも会場のみなさんからも笑い声が聞こえてきたり。まるで、お姉さんが弟の話を聞くような会話のラリー、高山さんの飾らない笑顔に会場はとても和やかな空気でした。
それぞれの理由でしゃべる機会の少なかった幼少時代に考えていたことやひとりの時間の使い方など、お二人の話を聞いていると、みな等しく若く青い時代があったのだと急に親しみが湧いてきました。
「どうして書いてるかっていうと、記録しておきたいんです。わあっと心が動いた出来事ををもう一回感じたいと思う、もう一度再生させたいと思う。それが生きていた、のか、生きてる?ってことなのかわかんないですけど、すごく生きてる感じがして、残したくてしょうがないというのがきっかけなので、あまりひとの視線とか気にしていないです」
これは高山さんが日記を書くことについて話してくれた言葉です。
日常は忘れていくものだし、言葉はどうしたってその一瞬一瞬には追い付けない。けど、天気でも買ったものでも見たものでも書き残せばそれは、何かを感じた自分がいたという証。そのあと振り返るか振り返らないかは別として、日記って自分を思いやる行為なのかもしれません。
(普段はメディアへの露出を控えられている山下さんですが、こちらの写真は掲載OKをいただきました)
ご登壇いただいた高山なおみさん、山下賢二さん、イベントにご参加くださったみなさん、イベントの開催にあたりご協力いただいた〈アノニマ・スタジオ〉さまありがとうございました。
高山さんによる山下さんの詩の朗読(『君はそれを認めたくないんだろう』所収「泣いているきみを見たい」)、アンケートに答えて体調が優れないときのおすすめのレシピ紹介、そして、対談後の当日限定のホホホ座浄土寺店による『高山なおみ座』まで。誰かに話したいような、でも自分の中だけにしまっておきたいような特別な時間でしたね。
最後に、高山さんが「山下さん、晴れ男だと思った!」と見せてくださった、イベント当日お部屋から撮られたとっておきの朝陽をみなさんにも。
1階Open MUJIでは、当日配布したMUJI BOOKS NEWS vol.6とお二人の関連本、おすすめの日記本などを並べています。ぜひお立ち寄りください。
京都山科を店舗フォローして、毎日の新鮮なおいしい情報やイベントの最新情報をチェックしてくださいね。右上のフォローボタンがエンジ色になればフォロー完了です。
無印良品 京都山科