京都山科

【京都山科】漬物の話|食べものの話をしよう

漬物

食のお便り/入荷情報

2020/04/24

 私たちが生きるこの日本には、さまざまな食文化があります。先人たちによって今日まで絶えることなく継がれてきたおいしさの中には、食という営みそれ自体のおもしろさや、もしかしたらよりよく生きるためのヒントが隠されているかもしれません。ふだん当たり前だと思って口にしている食材や素材を一歩後ろに下がって見つめてみると、あたらしい発見や学びが必ずあります。
  地下1階の食品売場を歩きながら、私たちと一緒に、食べることについて考えてみませんか。

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 数ある漬物のなかで、皆さんはどの漬物が好きですか?私は、独特の香りがたまらない奈良漬けが好きです。
 おかずの一品としてやお茶うけ、おつまみなど、日本人と関わりの深い漬物。日本人と漬物のつきあいは、1000年以上と言われていて、もともとは、野菜を塩漬けにして保存する、保存食として生まれたと言われています。
 
漬物

 漬物として食べる野菜は、食物繊維やビタミンを豊富に摂取することが出来きます。とくに乳酸発酵させてつくるぬか漬けなどが良いとされています。乳酸菌がつくり出すビタミンB1と野菜を一緒に摂ることが出来るだけでなく、乳酸菌にはリラックス効果やストレス軽減が期待されているんですよ。ぬか漬けに含まれている乳酸菌は、日本人の腸に合うと言われる植物性乳酸菌なので、ヨーグルトやチーズが苦手という方でも食事に取り入れられる発酵食品です。

 今回は、京都伏見区で50年漬物屋を営む『鳴門屋』のぬか漬けを食べて、漬物について考えてみました。
 
漬物

■きゅうりの浅漬け・古漬け
 
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 『鳴門屋』では、野菜を塩水に1晩、長いものだと3日漬けたあと、ぬか床で漬けています。そうすることで、水分が抜け、漬かりやすくなるのだそう。浅漬けの場合は、1晩ぬか床に漬ければ完成です。
 ぱりっとした食感ときゅうりのさわやかな青みで、ひと足先に夏をいただきました。鮮やかに色も残って見た目も涼やかですよね。
 
漬物

 こちらは、浅漬けより塩分濃度の高い塩水に漬け、ぬか床にも1週間ほど漬け込みます。
 古漬けは昔から生姜を絞って食べるのが伝統なんだそう。しょうがの良い香りと、つん、と鼻に届くぬか漬け特有の匂い。くさいものほどおいしい、と気づいたのはお酒が飲めるようになってからでした。

『きゅうり漬け』2本 消費税込 359円
『古漬きゅうり』2本 消費税込 359円

■日野菜
 
漬物
(撮影:平野愛)

 滋賀県日野町が原産地と言われる日野菜は、赤紫と白のコントラストが美しい、かぶの一種です。
 
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 根の部分は、きれいな淡いピンク色から想像できない、ぴりっとした辛みがくせになります。一方、葉はやわらかく噛むと塩気と甘みがにじみ出てきます。
 自ら市場に出向き野菜の目利きをし、漬物の仕上がりも自分の口で確認するという、『鳴門屋』代表の森さん。ひとつひとつ、漬物の説明をしてくれる目はとっても活き活きとしています。
 
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『きざみ日の菜』80g 消費税込 249円

■すぐき
 
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 「すぐき漬け」といえば京都の代表的な漬物ですよね。京都・上賀茂の伝統的な野菜で、現在、上賀茂地区周辺でしか栽培していないのだそうです。塩と乳酸菌の発酵作用のみでつくる漬物で、中に含まれる「ラブレ菌(乳酸菌の一種)」は、抗ウイルス作用があると言われています。
 「すぐきは葉の部分が酸っぱいので、細かく刻んで、葉と根の部分を混ぜて食べるのがいいですよ」と森さんがおすすめしてくれました。やさしい酸味と発酵臭が口の中で混ざり合い、まろやかな深い味わいです。

『きざみすぐき漬』130g 消費税込 389円


 私たちのまわりはおいしいもので溢れていて、最近では毎日の食卓に漬物が並ぶ家庭が少ないと耳にします。でも、疲れて帰ったときやごはんをつくる元気がないときに、漬物とごはんがある安心感。食べ終わってあったかいお茶をすすったときの、これだけでじゅうぶんなんだ、という幸福感。漬物はいつも私たちを少しだけしあわせにしてくれるんですね。

 無印良品ではあらかじめ発酵させて、毎日のかき混ぜが不要な『発酵ぬかどこ』を販売しております。好みの野菜を漬けるだけで簡単にできるので、皆さんもぜひ試してみてくださいね。


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