MUJIキャナルシティ博多

【MUJIキャナルシティ博多】『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』展を観に行ってきました|週末イベント紹介

キービジュアル画像:『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』展を観に行ってきました|週末イベント紹介

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2019/10/04

こんにちは。

MUJI キャナルシティ博多です。

 

秋の風が吹きはじめたのも束の間、

ここ数日は、夏の再来のような暑さですね。

 

みなさま、体調はくずされておりませんでしょうか?

 

夏の疲れも出てきやすい季節。

そこへ急な気温の変化と、身体はついていくだけでも精一杯がんばっています。

無理なくご自愛くださいね。

 

秋といえば、「芸術」や「読書」とよく耳にします。

それは身体の熱を外側へ放出していた夏の活動から、内側へ温存する秋の活動へ

切り替えていくための手段のひとつではないかと想像する今日この頃です。

 

そこで、フツフツとわき起こりはじめた

「芸術に、本に触れたい!」

という思い。

その両方を、同時に満たせる欲張りな場所が、あるといいな。

 

そんなに、簡単に見つかるわけないよね・・・。

 

ありました。

 

場所は、三菱地所アルティアム(福岡・天神イムズ8F)。

ただいま開催中の、

『世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦』展

を、観に行ってきましたので、ご紹介します。

 

※会期は、今週末の10月6日(日)まで

 

ご紹介の前に、2つ、簡単にご説明します。

 

1:インド・タラブックスとは?

 

(写真:MUJIキャナルシティ博多4F・オープンMUJI)

 

南インドのチェンナイにある、小さな出版社。

企画から製本まで、全ての工程にまっすぐに向き合っています。

特に、手刷りのシルクスクリーン印刷でつくる絵本は、世界中から熱い支持と高い評価を受けています。

中でも、少数民族のアーティストたちとともにつくりだす絵本の世界は、ほかに類を見ないもので、

観るものを圧倒します。

 

2:三菱地所アルティアムとは?

 (写真:三菱地所アルティアム)

 

1989年4月、天神イムズのオープンと共に開館したアートギャラリー。

アート、デザイン、建築、ファッション、写真、演劇など、現代のあらゆる分野の表現を紹介する展覧会を数多く開催しています。

展覧会は各地を巡回するものと、独自の企画によるものとがあるそうです。

それぞれの芸術作品を通して、物事を、様々な側面から捉える視点を提示しています。

 

30年もの間、福岡・天神で、そこに暮らす住民がより日常的に文化を体験できる場や、機会をつくり出しています。

また 、その重要性や、ゆたかさについても、一貫した姿勢で発信し続けているアートギャラリーです。

※2019年の今年、開館30周年を迎えたそうです。

(参照:ARTIUM公式HP)

 

 

通称「アルティアム」と呼ばれ、地域住民にも親しまれているこちらのギャラリー。

かくいう筆者も、学生の頃から足を運んでいる、大好きな場所のひとつです。

 

キャナルシティからは、バスに乗車後、最寄りのバス停まで5〜10分ほどで到着します。

徒歩でも15分ほど。

意外にご近所さんです。

 

8Fへ。

併設するアートグッズショップ店のすぐ脇の受付カウンターで展覧会チケットを購入。

 

なんとこのチケット、会期中は本人に限り、

何度でも再入場できるんです!

なんてありがたいシステム。

チラシにも再入場可とあります。

(高校生以下のお客様は無料。学生の方は、学生証の提示が必要です。)

 

お買い物や、学校、お勤めの行き帰り、

家族や友人とのおでかけ、デートや散歩のついでに、

いつでも立ち寄ることのできる気軽さが、なんともうれしいですね。

 

 

受付で、スタッフの方から鑑賞上の注意事項を聞いたら、

いざ会場内へ。

(今回は、写真も、動画撮影も許可されているそうです。すごい!)

足を踏み入れると、決して広くはないけれど、コンパクトな空間は、感じのよい雰囲気。

ホッとします。

 

この感じも、地域のこどもやおとなに世代をつないで親しまれ続ける理由のひとつかもしれません。

 

さっそく、入ってすぐの文章が書かれた2枚の大きなボードパネルに目を通します。

(下写真・奥)

タラブックスや、今回の展覧会について、詳しく書かれています。

展示会場の至るところに設置されたことばの数々は、“キャプション”と呼ばれています。

観る人に作品や展覧会のことをより深く知ってもらい、

自分なりの想像を深めてもらうためのヒントであり、助っ人的存在です。

 

もちろん、読む、読まないは観る人の自由です。

筆者はというと、時間が許せば新しい世界との出合いを楽しむような気分で、

じっくりと読むのが好きです。

むむ。これは…。

 

ギャラリースタッフの方にお話をお伺いしたところ、

こちらは今回の展覧会のために作られたオリジナルの什器なのだそう。

側面に貼られた色とりどりの紙は、ハンドメイド絵本をつくる工程で、

刷り損じたものを活用しているそうです。

ひとつの作品として、十分見応えがありますので

来場の際はぜひご覧くださいね。

 

今回は、数ある絵本やビジュアルブックの中から、21冊もの作品を紹介しているそうです。

“The Night oh Tree”『夜の木』など、代表的な絵本の数々を観ることができます。

全部で約180点の作品中100点ほどは、アーティスト本人の手で描かれた貴重な原画なのだそう。

聞いているだけでワクワクしてきました。

 

さて、おまたせしました!

ここからは、会場内の様子を部分的にどんどんお届けしていきますよー!

 

入場すると、南インドの日常風景が。

淡々と流れている映像をじっと観ていると、一体ここは何処なのか曖昧になってくるから不思議です。

(個人の感想です)

 

日本と比べたり、動物や人の動きを観たりとついつい見入ってしまいます。

 

映像作品は、会場内に4点、会場外の併設グッズショップに1点の、合計5点。

紹介されている本に沿って展示されています。

当店のMUJIBOOKSでもお取扱い中の手づくり絵本、“creation”『世界のはじまり』の

制作工程を観ることができる映像。

 

いつもお店に並んでいる絵本を見ていることもあって、「本当に、ひとがつくっているんだ!」

と、当然ながら驚きです。

みなさん観入っています。

他にも、

“The cloth of the Mother Goddess”

『母なる神の布』映像より。

マタニパチェディという伝統的な布をきっかけにつくりあげた絵本に関わる職人や、アーティストたちの作業風景、

作品や、日常、制作への思いを垣間見ることができます。

タラブックスの代表ギータ・ウォルフと、

V・ギータが語る、仕事や人との向き合い方についての映像。

 

絵本がお店へ届けられるまでの物語は、単純に好奇心をそそられます。

また、仕事や、人との向き合い方、働き方というものを考えさせられるような場面もあって、

どれも見応えがあります。

 

ご紹介の途中ですが、展覧会を訪れた、他のMUJIスタッフから聞いた感想もお伝えしていきたいと思います。

スタッフTさん:

「とてもよかった。特に、ハンドメイド絵本『夜の木』の各国バージョンが集められているところ、

その向かいに原画がズラリと並ぶ様子は、胸に響きました!」

 

手刷りのハンドメイド絵本は、増版されるごとに、刷られる染料が変わることがあります。

そのため、貴重な第一版や、多言語の表紙を観られるのも興奮するポイントです。

緻密な原画は、観察するかのようにみつめてしまいます。

 

ここでもう一人のMUJIスタッフから聞いた感想です。

スタッフKさん:

「まず絵本と解説文があって、その横に原画があって、鑑賞するときの流れがわかりやすかった。お陰で、楽しく集中して作品を観ることができました!」

見本で開ける絵本も置いてあります。

絵本と原画の違いなどを探すのも、楽しい!

遠くから観たり、斜めから観たり、少し寄ってみたり。

作家の筆づかいや、息づかいまで感じられるようです。

 

原画の他にも、シルクスクリーン印刷の作品や、既に絶版となってしまった貴重な絵本、

土着の民族によってつくられた民芸品など、様々な作品があります。

インドは多言語の国なのだそうです。

そのため日本でいう昔話は、口承伝達が習慣化したのだそう。

 

「こどもやおとなが自国の物語を読めるような絵本をつくり、届けたい」という思いと、

アートが生活にも与えるゆたかさにも注目し、

従業員や、土着の民族アーティストはもちろん、絵本に関わるすべての人々、つながれてきた文化と真摯に向き合い、

数々の絵本をつくり出し続けています。

 

 

いかがでしょうか?

「いってみたい!」と、思われた方もきっといらっしゃると思います。

 

 

最後に、今回展覧会をご担当されている安田さんから、

展覧会のおすすめコメントを頂きましたのでご紹介します。

 

『タラブックスのユニークでクリエイティブな活動、魅力をたっぷりとお伝えする展覧会となっています。

美しく力強い原画とあわせてタラブックスが一貫して大切にしてきた活動の軸や

インドで作られる空気感を会場で感じてほしいと思います。』

 

 

あたりまえの風景、そこに暮らす人との関わり、時を経てもなお、日常の至る所に息づく文化。

そのつながりにまなざしを向け、まっすぐに向き合い続ける姿勢は、

タラブックスや、アルティアムだけでなく、わたしたちのお店にも共有できる

大切な根っこを感じさせられるような素晴らしい展覧会でした。

 

 

三菱地所アルティアムでの展覧会会期は10月6日(日)まで。

会期中は、併設グッズショップの「ドットジー」でタラブックスのハンドメイド絵本や、オリジナルグッズも販売されています。

人気のものはすでに売切れてしまっているものもあるようです。

 

さて、ここで当店からのお知らせが2つ。

 

まず1つめです。 

MUJIBOOKS売場のある当店ではタラブックスのハンドメイド絵本や関連書籍を販売しています。

ただいま、10月6日(日)までの期間限定で、通常のお取扱いコーナー(3F)に加え、

OpenMUJI(4F)にて「タラブックス書籍フェア」を開催しています。

こちらでは、タラブックスのハンドメイド絵本を含む関連書籍と、“creation”『世界のはじまり』の

制作工程の映像、刷り損じたシルクスクリーンプリントをご覧いただけます。

(Open MUJIでの展示品については、実際に触って手触りなど確かめていただけます。)

 

また、通常当店ではお取扱していないフルークブック(シルクスクリーンの刷り損じを使用した、タラブックス特製ノート)を販売します。

 

そして2つめです。

10月5(土)、6(日)Open MUJIにて シルクスクリーン体験ワークショップを開催します!

こちらのイベントは予約制です。

イベントの詳細とお申込みはこちらです。

 

 

どちらの展示も、残すところあと数日となりました。

みなさま、この貴重な機会をお見逃しなく!

 

MUJI キャナルシティ博多