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【IDÉE TOKYO】アーティストインタビュー / ayaka nakamura

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2023/01/18

アーティスト・ayaka nakamuraさんの個展“small sun”開催に際して、現在のように活動されるようになったきっかけや制作についてお話しを伺いました。展示会の詳細はこちらの記事をご覧ください。

作品リストはIDÉE Onlineにてご覧いただけます。
*作品リスト
instagram @ayaka__nakamura / @ideetokyo

 
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(1月24日まで開催中の展示会“small sun”)

-はじめに、芸術の道に進むことにしたきっかけについてお聞かせください。

もともとずっと絵を描いていたのですが、「絵をやろう」と感じた一つのタイミングは大学受験です。国境なき医師団とかにも興味があったので、医大か美大か悩んだのですが、今までやってきた「作ること」(美大)へまずは進んでみて、それで合わなかったら医大に行こうと考えていました。

医大と美大って全然違うかもしれませんが、必要なところにそれがあるというか...なんだかずっと世の中を良い感じにできないかな、と思って活動しています。

卒業した後はアーティスト・イン・レジデンス(国内外からアーティストを一定期間招いて滞在中の活動を支援する事業)でアメリカ・デンマーク・上海で滞在制作をしていました。

「黒ねこサンゴロウ」というひとり旅を愛するかっこいい黒ねこの冒険を描いた本があるのですが、子供の頃からこの黒ねこになりたくて、その土地の匂いと人を感じながら旅するように生きたいな、と。そんな中で制作して生きたいと思っています。でもCOVID-19もそうですが、戦争とか国の雰囲気とか、どんどん旅がし辛い世の中になっているなぁ・・・と感じます。

そんな中で絵は何になりえるのだろうと考えてしまいます。こんな世の中だからこそ、少しでも作品が希望や、ふとした時の癒しにつながれば良いなと思っています。

-制作といえば、すごく大きな作品を卒業制作で発表されていましたね。

はい、幅600cm×高さ250cmの木版画作品を作りました。
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「先  hereafter」 woodcut, 250×600, 2013

卒業したら大きな作品をつくる機会は制作スペースの関係上、すぐには無いだろうなと思って、卒業制作はできるかぎり大きい作品を作ろうと思いました。

卒業制作前はアートの道へ進むとはまだ思っていませんでした。冬の寒い中、外で心身共にすり減らしながら卒業制作をしているときに「やっぱり自分は作るのが好きなんだな」と気づきまして、めいっぱいに、作ることに命をかけられる生活がしたいと思いました。このときに膝を酷使したせいで未だに膝をつくとビリっときます。

 
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(左3点の作品が今展でもっとも小さなサイズで、大きさは15×15cm。117×80cmの作品も2点あるので、かなり幅広いサイズで展示いただいている。15×15cmはすべて売約済)
 

 
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(今展でもっとも大きな作品である“across the wind / Silver”は117×80cm。支持体の上に風景が広がっている)

-画材はアクリル絵の具をお使いなんですね。なぜアクリルを?

描きたいイメージ逃げないように追いかけながら描きたいので、乾燥時間の短いアクリル絵の具を選んで使っています。私の集中に入るスイッチは「スピード(速さ)」なのですが、スピード感をもって動くと集中の度合いがさらに深くなっていきます。

その集中力の高さが絵の完成度の高さと直結しているので、イメージが逃げてしまうよりも速く動いて描くことを大事にしています。

制作は自分との闘いなので、毎回描いていると心身ともにすり減るのですが、描くことに集中している爽快感や気持ちよさ、そして完成した作品を見て頂いたり、お客様と会ってお話ししたり、そういうコミュニケーションが生まれる一瞬のために制作しています。

 
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(“finding some kind of peace Ⅰ” / 木製パネルを支持体としてアクリル絵の具とメッキ調顔料で制作。色と形が複雑に重なり合っている)
 

 
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(壁に掛けることを前提として制作するので、画材も軽いものを選んで使っているそう)


―アーティストとして大切にされていることはなんでしょうか。

発表するごとに変化していくことを大切にしています。ずっと見続けてくださっている方がいることもありますし、自分に飽きない人生を送りたいと思って絵をやっているので、見るたびに発見のある作品を作りたいと思っています。

―コンセプトに“レイヤー”という単語がよく出ているので、nakamuraさんの重要なキーワードなのかなと思っています。ご自身がレイヤーのひとつだと感じた体験について教えてください。

特別なエピソードがあるわけじゃないのですが、風が吹いたり、夕陽が綺麗だったり、そういうときにふと自然の中にいると「自分はこの世界を構成している一部なんだ」、「自分は世界に愛されているんだ」と感じることがあります。

一人一人はちっぽけな存在ですが、今見ている景色は全ての命が集まってできていて、自分もその一部なんだなって。「居場所がある」ってわけでは無いんですが、なんだか安心するんですよね。

―これから先の10年でやっていきたいこと、取り組みたいことはなんでしょうか。

アートは言葉を介さずにできるコミュニケーション手段なので、どんどん作品を世界へ発信して活躍していきたいです。あとはプロデュースしてくださる方が欲しいとすごく思っています。やっぱり、つくったからには多くの人に見て欲しいですし、遠くまで広げていきたい。でも自分一人だと限界があります。

大きな作品を発表する場との出会いや、海外での活動を進めていきたいので、これからの自分にはとても必要だと感じています。

-人と一緒にやることで、一人ではできないことも実現できますよね。アーティスト・イン・レジデンスを再開した国や地域も増えてきたので、実現できることを願っています。
今日はありがとうございました。




ayaka nakamuraさんの展示会は2023年1月24日(火)まで開催中です。今後ますますの活躍と変化を遂げていくnakamuraさん。鮮烈なエネルギーを内包している、何度見ても発見のある作品の数々を展示しています。nakamuraさんの今ここをぜひ目撃してください。
*次回在廊日 2023年1月21日(土)


 
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ayaka nakamura / アーティスト
1988年 東京都生まれ
2013年 武蔵野美術大学油絵学科版画専攻卒業

展示作品リストはIDÉE Onlineにてご覧いただけます。通販での購入もできるので、お気軽にお問い合わせください。
*作品リスト
instagram @ayaka__nakamura 

国内外で活動し、近年ではアメリカ・デンマーク・中国にて滞在制作を行う。 「命の存在」をテーマに、繊細かつ力強い画面づくりを目指し、絵や映像などを手がける。 2016年の六本木アートナイトで行った横7m・高さ3mのパネルのライブペイントが好評を受け、 イベントなどでライブペイントを行うようになる。

主な個展にBunkamura Box Gallery(東京)、江夏画廊(東京)、 参加したグループ展はEPICENTRO ART(ベルリン)、White Box(NY)、WAH Center(NY)、 Anthology Film Archives(NY)、ART FORMOSA(台北)、OLA Galleri & Ateljé(スウェーデン)などがある。大型新人発掘アートコンテスト「ARTIST NEW GATE」第1回グランプリ受賞。



<お店への行き方>
○場所
東京都千代田区丸の内1-9-1
JR東日本東京駅改札内
グランスタ東京 B1F スクエアゼロエリア 48番

①丸の内地下中央口から
改札入場後、銀の鈴待ち合わせ場所方面に直進。左手のはせがわ酒店を越えたら左折して直進。ピエール・エルメ隣。

②グランスタ地下北口から
八重洲・丸の内連結通路途中のグランスタ地下北口から入場し直進。右手のガトーフェスタ・ハラダをこえて左手。
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