会期終了まであと七日となりました。
今回はお二人について、そして展示作品を一部ご紹介いたします。
赤木氏の「赤木明登うるし工房」は北陸・能登半島にあります。
能登空港から車で10分ほどの工房は自然豊かな景色に囲まれています。生活雑誌の編集者をされていた赤木氏はここに1988年から移り住み、制作を続けてきました。
松林さんは高知にお住まいで、周囲に田園風景の広がる景色のなかで制作されています。
赤木氏と松林氏が出会ったのは90年代初めの頃。
松林氏が表参道で、赤木氏が青山で個展を開催していました。
あるとき、松林氏が赤木氏の展示を見に行ったところ赤木氏も松林氏の展示を見に来られ、お互いの作品を「いいねぇ」と言い合っていたそうです。
それから高知のギャラリーで赤木氏が他の作家さんと漆のコラボレーション企画をやっていたので、見に行かれた松林氏。
この展示が楽しそうだったので「僕もやりたいなぁ」とお話しされると、「じゃあ、やりますか。やるなら輪島にぜひお越しください」と赤木氏からお返事を受けて、2015年に都内ギャラリーで初めてのコラボレーション展示が実現しました。
今展の作品も、新作である白漆と赤漆の作品が能登で制作されました。
能登で制作される松林さん。
初めて赤木氏の工房に行かれた際、長い時間と手間をかけて漆作品がつくられていることにとても驚かれたそうです。
作品の基礎となる木地を作るところから始まる漆作品は、絵付けをする半年前から工程が始まります。丁寧に長い時間かけて作られていることを目の当たりにするときの驚きは、想像に難くないでしょう。
一尺五分パネル 赤漆 ①
一尺五分パネル 赤漆 ②
一尺五分パネル 赤漆 ③
松を燃やした煤を原料とする松煙を使用した黒漆で塗られた上に、松林氏が赤漆で描いた作品です。家や宇宙人とも見える絵は、赤と黒が深く濃い色をしています。
松林さんは「白漆」なのに濃いベージュ色をしていることに驚かれたそう。
原料となる透漆(すきうるし)は透きとおった茶色をしているので、色付けのために白い材料を混ぜるとこのような色になるのだとか。
このような柔らかな色をしている白漆は、経年変化によって濃いベージュからミルクティー色に白色度が増します。
一尺パネル① 白漆
一尺パネル白漆 ②
一尺パネル白漆 ③
作品は
IDÉE SHOP ONLINEからもご覧いただけます。
会期は3月30日(火)までです、どうぞお見逃しなく。
*お値段、作品の詳細につきましてはinstagramDMまたはお店へお電話ください。
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