(閉)イデー東京

【IDÉE TOKYO】イラストレーター有瀬龍介さん インタビュー

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2022/02/04

1月28日(金)からIDÉE TOKYO併設のIDÉE GALLERYにて、京都を拠点に活動するイラストレーター有瀬龍介さんの展示“imaginaly objects”を開催しています。


京都を拠点に活動するイラストレーター、有瀬龍介さんは手描きによる繊細なタッチを得意とし、静物画、抽象画、墨絵など幅広い作品を生み出しています。

イデーは京都の有瀬さんのご自宅を訪ね、絵を描きはじめたきっかけや創作活動にまつわるさまざまなエピソードを伺いました。記事はイデーオンラインでもお読みいただけます。*Interview with Ryosuke Aruse(IDÉE Online)

 
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―絵を描きはじめたきっかけについて教えてください。

父が画家志望だったので、幼い頃から家に父の描いた油絵が置いてあったりしました。
中学生くらいの頃から、グリーティングカードとか針金で作ったアクセサリーなどを作ってお店に置いてもらって売っていました。そうやって作ったものが売れて、好きな洋服を買ったりするのが楽しかったですね。

高校でファッションの勉強をして、その頃から徐々に絵を描く方が好きなのかな、と思いはじめました。当時は五木田智央さんやフランシス・ベーコンの絵を真似して描いたり、丸善書店によく画集を見に行ったりしていました。美大受験のために予備校に通っていた頃は、サム・スザフランや田中一村、伊藤若冲の描く植物画が好きでよく見ていました。美術館でアンディ・ウォーホールのドローイングを見たのも印象に残っています。

20歳くらいからはアルバイトしながら絵を描きはじめて、たまに発表するという事をしばらく続けていました。

 

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―モチーフが抽象から具象まで幅広いですが、発想はどういったところから生まれるのでしょうか。

ものの構造を観察するのが好きなので、何かを観察している時にインスピレーションが湧くこともありますし、なんとなく思い浮かんだものや、記憶のイメージだったりもします。日々いろいろなものを忘れていくなかで、無意識に取捨選択した結果残ったものかもしれません。

こんなのどうかな?とアイデアが浮かんでもメモしたりせずに、いざ描く時にまだ覚えていたら描く、というようにしています。

 

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―描いていて苦しいとき、あるいは享楽の瞬間はどんな時でしょうか。

描く前も描き出してからもすごく悩んだり迷ったりしますが、進めていくうちに考えても仕方ないなと思い直す、という事を繰り返している気がします。描かないとなぁ、と思うのになんともスイッチが入らない、という時が苦しいです。四六時中絵のことは考えていても描ける時ってふと来る感じで、流れに任せるしかないのかなと最近は思うようになりました。

描いている時に「これなんか見たことあるな」と思って手が止まる時もしんどいですね。気にせず続けるようにしていますが、ボツになることもあります。

一方で、物凄くキツイ時に描く事で癒されると感じることもあります。僕の場合は描いていて楽しいというのはあまりないのですが、ときどき無心になれる瞬間があって、その感覚が凄く心地いいです。絵を描いているんだけれど、ようやく描く事について考える事から解放されるというか。

描いてるうちに盛り上がってきて「天才かも」とか思うこともあるんですが(笑)冷静になって見返してみて「あんまりだな」と思うことも多くて、つくづく不思議な作業だな、と思います。


 

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—有瀬さんにとって絵を描くとはどういった行為なのでしょう。

この質問に関しては普段から自問自答しています。何故自分は絵を描きたいと思うのか…謎ですね。自分の場合は、制作したり良いものを見たりした時に自信を失うことが多いのですが、それでもなんとか続けて来られました。

人と話すことや誰かの考えを知ることも好きですが、同じ認識を共有するのはつくづく難しいなとも思います。無理なのかな、と思うこともあります。言葉で伝えにくいことや、そもそも言葉では表現しきれないこと。そういうものが自分が絵を描く動機になっているのかもしれません。


 

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骨董品屋やアンティークショップで古い時代のものを見つけたときに、これは何に使われていたのか、どのような用途があったのか想像を巡らせることがあります。経年変化をしたものであれば、なおのこと元の姿を想像したり。


答えを知っている方に教えてもらえばすぐわかるときもありますが、そのような人がいないときには古物の用途や背景はわからず仕舞いですね。

用途はわからないけれどなんだか佇まいや美しい色合い、質感に惹かれる。そのような魅力が有瀬さんの描く空想上の物体“imaginary objects”にはあります。

ピッチャーのような、グラスのような、ゴブレットのような、卵のような様々な物体たち。静かであたたかみがあるけれどどことなく不思議な雰囲気がある。観るほどに惹かれる作品の数々です。有瀬さんの展示は2月21日(月)までです。

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お問い合わせはこちらまでどうぞ。
TEL 03-5224-8861
instagram @ideetokyo

<お店への行き方>
○場所
東京都千代田区丸の内1-9-1
JR東日本東京駅改札内
グランスタ東京 B1F スクエアゼロエリア 48番

①丸の内地下中央口から
改札入場後、銀の鈴待ち合わせ場所方面に直進。左手のはせがわ酒店を越えたら左折して直進。ピエール・エルメ隣。

②グランスタ地下北口から
八重洲・丸の内連結通路途中のグランスタ地下北口から入場し直進。右手のガトーフェスタ・ハラダをこえて左手。
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