こんにちは、BOOKS2号です。
今週、読んでおすすめする本は『おなかがすく話』です。
『おなかがすく話』
出版社:河出書房新社 著:小林カツ代
料理研究家、小林カツ代さんの著書。
カツ代さんらしい、思わず笑顔になってしまうようなエピソードがたくさん詰まったエッセイ集です。
こちらは古書です。
料理は、時に思い通りにはいかないことがある。この本の中にもそんな場面が登場します。
カツ代さんが、牛肉一斤の表記に苦戦しながら明治時代のコロッケを再現しました。なのに、旦那さんには味付けが肉じゃがにそっくりだと言われてしまったんだとか。
それ以来、肉じゃがをコロッケにアレンジしてほしいという仕事の依頼には、「それだけは作んないのっ!」と断っていたのだと後日談で語られています。いつも明るく笑顔が絶えなかったというカツ代さんらしいエピソードですね。
このお話を読んでいたら、こんな出来事を思い出しました。それは私が中学生の頃、初めてティラミスをつくったときのことです。
コーヒーを染み込ませたスポンジの上にクリームを乗せて、最後にココアパウダーをぱらぱら。できあがったのはとても美味しそうなティラミス。試しにひとつ味見してみると……。
「なにこれ、酸っぱい!」なんと、見た目とは裏腹に大失敗でした。原因は、材料にマスカルポーネではなく、普通のクリームチーズを入れてしまったこと。
「いちばん大事なとこ間違えてるやん……」と静まり返った真夜中の台所で、ひとり落ち込みました。
当時は悲しかったティラミスの思い出も、今ではすっかり笑い話。料理ってうまくいかないときもあるけれど、それはそれでいい思い出になっているんだってこの本に元気づけられました。
「私とこの本」で紹介の本は、今日のずっといい言葉の黒板の下にあります。
ぜひお手にとって読んでみてくださいね。
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