イオンモール堺北花田
【堺北花田】“大阪湾のさかな”について。冬編｜さかな屋のはなし#番外編9
2021/12/15
2021年12月9日、12月とは思えない温かい日差しの中、大阪・岸和田漁港へ冬の魚たちに会いに行ってきました。
大阪湾は、大阪平野と淡路島の間に位置する湾です。
大阪の別称である“なにわ”は“魚(な)庭”を語源とする説があるほど、古来から魚介類が豊富な海として知られていたそうです。しかし全ての魚種が1年中湾内で見られるのではありません。『がっちょ』や『ねぶと』のような“定住種”という生涯を大阪湾で過ごす種類は全体の4分の1程度にすぎず、確認される種類の多くは産卵や餌探しのために一時的に湾内に回遊してくる『真鯛』や『ほうぼう』のような“入り込み(いりこみ)種”や、海流や気候などの影響である年だけ湾内に進入してくる“迷い込み種”とよばれるものです。
午後2時過ぎ。朝の5時から漁に出掛けた漁船の栄丸が帰ってきました。漁にはご主人と息子さん、陸地で市場に出荷する準備は奥さんとおばあちゃん、家族みんなで毎日協力して作業しています。
今回は漁船を見せてもらう為に乗船させてもらいます。漁船には魚を生きたまま陸地まで連れて帰れるように水槽が完備されているそうです。どんな魚たちに会えるか楽しみです。
漁港に戻るとすぐに、テキパキとご主人が魚種ごとに発砲スチロールの箱にわけていきます。『たちうお』や『真さば』がキラキラとしています。
捕れたての新鮮な魚たちを求めて料理人の方々も漁港にやって来ています。
魚の仕分けが終わると明日の漁の準備です。使い込まれたドラム缶は暖を取るためのストーブです。
このような薪に火を点けるんですって。
明日の漁も無事に終えれるように願って準備します。
隣の船からは、いつものようにおこぼれを貰おうと海鳥が狙っています。
それではお邪魔して乗船します。
普段は岸でおとなしくしている漁港に住んでいる猫が一緒に乗ってきました。
猫が興味をもっていたのは小型の甲いかの『ひいか』です。
漁船の後方から前方に向かって歩きます。ハンドルですね。操縦する姿を想像するだけで、こちらの気分も上がります。
自動で大きな網が巻き取られてしまわれています。
水槽発見！！期待が高まります。
水槽の中を覗くと勢いよくエアーポンプから泡が吹き出ています。よく見ると、何種類かの魚が泳いでいます。息子さんにお願いして、網で掬い出してもらいました。
■ほうぼう 
『ほうぼう』の色鮮やかな青緑色の胸鰭は大きく翼のように広がります。胸鰭の一番下の軟条3対を脚のように動かして、海底を歩くように会いにきてくれました。
もちろん浮き袋の振動を使って「ほうぼう」と鳴いてご挨拶。こちらも「こんにちは」。会いにきてくれてありがとう！
■すずき 
ビチビチと大きな体を力強く動かす『すずき』の姿はスマートな魚らしい形です。水ごと餌を飲み込む大きな受け口が名前の一説になっているとか。“すさまじい口”を何度も言っているうちに『すずき』になったそうですよ。
■真鯛 
ぎょぎょ～！この『真鯛』は4㎏越えの大物です！！
■ちぬ 
『ちぬ』は大阪湾を代表する魚です。
古代の大阪湾が“茅渟(ちぬ)の海”と呼ばれていたことから、ここにたくさん生息していた『黒鯛』が『ちぬ』と呼ばれるようになったといわれています。
大阪の商人は昔から縁起を担いで、正月の“睨み鯛”には赤地（字）の『真鯛』ではなく、1年間の黒字を願って『ちぬ』を使ったそうですよ。
ここが先端。風をきって進むと気持ち良さそうな場所です。これで漁船の見学はおしまい。
漁船から降りて足元を見ると、2匹の『ちぬ』が仲良く泳いでいます。水深1mほどの浅い護壁の壁面に付着生物をついばんで食べに来るそうです。
大阪湾では高度経済成長の時期に起こった環境破壊による水質の悪化が原因で『ちぬ』をはじめとする生きものの姿が少なくなってしまいました。しかし近年では大阪府や漁師さん達のさまざまな環境保全への取り組みの成果が出てきて、少しずつ出会える魚たちも増えてきたそうです。
海で魚たちと会うたびに感じることですが、いつまでも海の仲間たちが気分よく過ごせるように、これからも海を美しく保てるように努めようと思いました。
西風の強い冬の日には大阪湾に漁に出れません。春には新しい命があふれ、再び賑やかになるはずなので楽しみに待っていたいと思います。
栄丸さん、取材にご協力いただきありがとうございました！
無印良品イオンモール堺北花田 2021.12.17
大阪湾は、大阪平野と淡路島の間に位置する湾です。
大阪の別称である“なにわ”は“魚(な)庭”を語源とする説があるほど、古来から魚介類が豊富な海として知られていたそうです。しかし全ての魚種が1年中湾内で見られるのではありません。『がっちょ』や『ねぶと』のような“定住種”という生涯を大阪湾で過ごす種類は全体の4分の1程度にすぎず、確認される種類の多くは産卵や餌探しのために一時的に湾内に回遊してくる『真鯛』や『ほうぼう』のような“入り込み(いりこみ)種”や、海流や気候などの影響である年だけ湾内に進入してくる“迷い込み種”とよばれるものです。
午後2時過ぎ。朝の5時から漁に出掛けた漁船の栄丸が帰ってきました。漁にはご主人と息子さん、陸地で市場に出荷する準備は奥さんとおばあちゃん、家族みんなで毎日協力して作業しています。
今回は漁船を見せてもらう為に乗船させてもらいます。漁船には魚を生きたまま陸地まで連れて帰れるように水槽が完備されているそうです。どんな魚たちに会えるか楽しみです。
漁港に戻るとすぐに、テキパキとご主人が魚種ごとに発砲スチロールの箱にわけていきます。『たちうお』や『真さば』がキラキラとしています。
捕れたての新鮮な魚たちを求めて料理人の方々も漁港にやって来ています。
魚の仕分けが終わると明日の漁の準備です。使い込まれたドラム缶は暖を取るためのストーブです。
このような薪に火を点けるんですって。
明日の漁も無事に終えれるように願って準備します。
隣の船からは、いつものようにおこぼれを貰おうと海鳥が狙っています。
それではお邪魔して乗船します。
普段は岸でおとなしくしている漁港に住んでいる猫が一緒に乗ってきました。
猫が興味をもっていたのは小型の甲いかの『ひいか』です。
漁船の後方から前方に向かって歩きます。ハンドルですね。操縦する姿を想像するだけで、こちらの気分も上がります。
自動で大きな網が巻き取られてしまわれています。
水槽発見！！期待が高まります。
水槽の中を覗くと勢いよくエアーポンプから泡が吹き出ています。よく見ると、何種類かの魚が泳いでいます。息子さんにお願いして、網で掬い出してもらいました。
■ほうぼう
『ほうぼう』の色鮮やかな青緑色の胸鰭は大きく翼のように広がります。胸鰭の一番下の軟条3対を脚のように動かして、海底を歩くように会いにきてくれました。
もちろん浮き袋の振動を使って「ほうぼう」と鳴いてご挨拶。こちらも「こんにちは」。会いにきてくれてありがとう！
■すずき
ビチビチと大きな体を力強く動かす『すずき』の姿はスマートな魚らしい形です。水ごと餌を飲み込む大きな受け口が名前の一説になっているとか。“すさまじい口”を何度も言っているうちに『すずき』になったそうですよ。
■真鯛
ぎょぎょ～！この『真鯛』は4㎏越えの大物です！！
■ちぬ
『ちぬ』は大阪湾を代表する魚です。
古代の大阪湾が“茅渟(ちぬ)の海”と呼ばれていたことから、ここにたくさん生息していた『黒鯛』が『ちぬ』と呼ばれるようになったといわれています。
大阪の商人は昔から縁起を担いで、正月の“睨み鯛”には赤地（字）の『真鯛』ではなく、1年間の黒字を願って『ちぬ』を使ったそうですよ。
ここが先端。風をきって進むと気持ち良さそうな場所です。これで漁船の見学はおしまい。
漁船から降りて足元を見ると、2匹の『ちぬ』が仲良く泳いでいます。水深1mほどの浅い護壁の壁面に付着生物をついばんで食べに来るそうです。
大阪湾では高度経済成長の時期に起こった環境破壊による水質の悪化が原因で『ちぬ』をはじめとする生きものの姿が少なくなってしまいました。しかし近年では大阪府や漁師さん達のさまざまな環境保全への取り組みの成果が出てきて、少しずつ出会える魚たちも増えてきたそうです。
海で魚たちと会うたびに感じることですが、いつまでも海の仲間たちが気分よく過ごせるように、これからも海を美しく保てるように努めようと思いました。
西風の強い冬の日には大阪湾に漁に出れません。春には新しい命があふれ、再び賑やかになるはずなので楽しみに待っていたいと思います。
栄丸さん、取材にご協力いただきありがとうございました！
無印良品イオンモール堺北花田 2021.12.17