みなさんご存知の「寺内貫太郎一家」など昭和史に残る名作ドラマの生みの親で、直木賞作家の向田邦子さんの食にまつわるエッセイです。
パリで食べたフランス料理のソースを自宅に帰って10時間もかけてつくってしまうところに、「食」への並々ならぬこだわりと食いしん坊ぶりを感じます。
この時代は今のように飽食ではなく、かつおぶしを削ったり、かまどでごはんを炊いたり、あるいは七輪で魚を焼いたりと素材を活かしたものを手間暇かけてつくっていました。あったか手づくりごはんはどんなに心とお腹を満たしたことでしょう。今よりずっと贅沢な食文化ですよね。
全体的に文章が端正で、今では見聞きしない表現が新鮮で、この時代を感じさせる表現に社会の移り変わりの速さも感じます。
名人の極上文章を読むという楽しみを久しぶりに味わいました。生きることは食べること。これに尽きますね。「あー、海苔と卵とうめぼしで朝めし食べたい。」と思ったのは私だけ?未曾有のたいへんな時だからこそ、あらためて食文化に考えをよせ、原点に戻った食を家族みんなで静かにいただく。こんな気分転換はいかがですか?
著書名 : 海苔と卵と朝めし
著者 : 向田邦子
出版社 : 株式会社河出書房新社
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