(閉)イトーヨーカドー弘前

【イトーヨーカドー弘前】私と夫と無印良品

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2022/03/05

*この物語はフィクションです。こちらに登場する人物等は架空であり、実在のものとは関係ありません。*

3月上旬、ようやく一面銀世界から抜け出せそうな気配がしてきた。心なしか太陽の光がいつもより強く感じる昼下がり、私と夫は居間でワイドショーを見ていた。そんな日常に少しの変化を与えたのは夫のある言葉だった。
 
「そういえば、孫のムジコは春から中学3年だったか?」
「お父さんったら、春から高校生よ。」
「なに、高校生だって?」
「だから今度の日曜に入学祝いのプレゼント買いに行くって話したじゃない。」
「そうだったか。」
「もう、しっかりしてよ。」
 
こうして私たちは約束の日曜日に近くの無印良品を訪れた。普段はスーパーでしか用事を済ませないため、久々のショッピングに私は少し舞い上がっていた。
 
「お父さん、こんなのどうかしら。」
「鞄?」
「そう、あらこの水色なんて良いんじゃない?」
「派手すぎやせんか?」
「女の子は少しぐらい派手な方が良いわよ!」
 
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私とは正反対に黒いリュックが良いと主張してくる夫。しかし、私も譲るわけにはいかず負けじと主張する。そこからどれほど時間が経ったのだろうか、埒が明かないため私達は文房具をプレゼントにすることにした。
 
「おい、これはどれがいいんだ?」
「私に聞かれてもねぇ…」
 
文房具売り場に着いた私たちは早々に言葉を失った。あまりにも種類が多いのだ。ノートにしろペンケースにしろ、ペンにしろ、とにかく様々な形や大きさがある。
 
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「だから、鞄が良いと言ったんだ。」
「お父さんがいつまでも黒だとか言うから決まらないんでしょうが!」
「お前の選ぶ色は派手すぎるんだ!」
「ムジコは若いんだから、地味な色より派手な方が良いに決まってるじゃない!」
「あの、何かお困りでしょうか?」
 
正に一色触発すんでの所を店員が話しかけてきたことで収まった。相談に乗ってくれるという店員のご厚意に甘え、私は事の経緯を話してみることにした。孫への入学祝いにプレゼントを買いに来たこと、商品の種類が多すぎて選べずにいることを包み隠すことなく伝えた。すると、店員は少し悩む素振りを見せたが、すぐに「あっ!」と何かを思いついたらしい。私は興味津々で次の言葉を待った。
 
「でしたら、ギフトカードはいかがでしょうか?」
「ギフトカード?」
「はい、プリペイドカードとなっておりまして全国どの無印良品でもお使いいただけますよ!」

 
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「でもそれいくらなの?」
「500円から5万円の金額の中でお客様自身にお選びいただきます。」
「あら、お父さんギフトカードにしない?」
「そうだな、その方がムジコも好きな物を変えるだろうし。」

店員の話を聞き、私たちの気持ちはMUJI GIFT CARDへと完全に向かいかけていた。しかし、ここである不安が私を襲う。
 
「…ムジコの家の近く、無印あったかしら?」
「なんだって?」
「いやだって、あの子たち田舎じゃない?無印まで行くってなったら大変じゃない。」
「またお前はそんなことを言って…」
「でしたら、ネットストアでもお使いいただけますので大丈夫ですよ!」
「本当?じゃあ良かったわ。」
「ギフトカード以外にもなにかお渡ししたいのであればバウムクーヘンのプレゼントなんていかがでしょうか?無料でラッピングいたしますよ。」
 
これで無事に入学祝いを渡せると安堵し、私たちはバウムクーヘン売り場に向かうのであった。
 
「「…だから種類が多いってー!!!!」」

最後までご覧いただきありがとうございました。
これからもお役立ち情報をたくさん配信してまいります。
ぜひ次回のおたよりを楽しみにお待ちください。
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