こんにちは。
無印良品 港南台バーズです。
横浜市が取り組む【横浜マイスター】事業。
横浜市が平成8年度より行っている事業で、市民の生活・文化に役立つ優れた技能を持った方を
【横浜マイスター】に選定しています。無印良品港南台バーズではこれまで「活字鋳造」「陶磁器絵付け」
「日本料理」「鉄道模型制作」「表装(壁装)」「クリーニング」「美容師」「建具」の、
横浜自慢の匠の技を持つマイスターをご紹介してきました。
令和7年度・第30期横浜マイスターが発表され、新たなマイスターが誕生しました。
横浜マイスターは、まちの中で技術と想いを受け継ぎながら、人々の暮らしを支えてきた存在です。
地域のみなさんとともに、暮らしの中にある「いいもの」「いい関係性」を見つけ、広げていく取り組みの一環として、
今回は第30期横浜マイスター・弦楽器製造職人の福田喬史さんにお話を伺いました。
_仕事の風景・楽器製作との出会い____
住宅街の一角にある工房。
扉を開けると、弦楽器がいくつも並び、日常の風景からふっと切り離されたような空間が広がっていました。
異世界に足を踏み入れたような感覚に、自然と引き込まれます。ほのかな木の香り。
福田さんの仕事場には、目には見えない積み重ねが、静かに息づいていました。
福田さんは幼い頃からピアノなどの楽器に親しんできましたが、弦楽器に本格的に向き合いはじめたのは高校卒業後のことだそう。ヴァイオリン製作学校へ進学し、ドイツで培われてきた4年間の製作カリキュラムを学びながら、楽器づくりの基礎を時間をかけて身につけていったといいます。
授業では製作とあわせて演奏の練習にも力を入れ、チェロ、ヴァイオリン、コントラバスと幅広い弦楽器に触れてきました。
「演奏ができなければ、演奏者に寄り添えない」その言葉から、音と真摯に向き合ってきた姿勢が伝わってきます。
削りかけの木や、使い込まれた刃物、手に馴染むよう整えられたすべて手作りの小さな道具たち。
_演奏者に寄り添うということ____
福田さんが何より大切にしているのは、楽器そのものよりも、その先にいる「演奏する人」の存在です。
演奏の環境や、音の高さや響きだけでなく、弾くときの力のかけ方や体の使い方、呼吸の仕方。
演奏者によって、求める音は少しずつ異なります。楽器の内部にある「魂柱」を、ほんのわずかに動かすだけで、
音の表情は大きく変わると教えてくれました。外からは見えない部分だからこそ、慎重に、丁寧に。
福田さんは、演奏者の言葉にならない感覚にも耳を澄ませながら、理想の音に近づけていきます。
工房で見せてもらった1700年代の楽器の内側には、継がれた木や修復の跡が残り、
そこに手を入れてきた職人たちの息遣いが感じられました。
目に見えない部分にこそ、積み重ねられてきた時間がありました。
そのヴァイオリンは、世界のどこかで演奏され、また別の場所へと渡りながら、音を響かせてきたのかもしれません。
つくる人、直す人、奏でる人、聴く人。
時代や国を越えて、さまざまな手が関わりながら、生き続けてきた一つの楽器、
福田さんの仕事もまた、その連なりの中にあります。
500年前に完成されたといわれるかたちや素材を受け継ぎながら、音を絶やさず、次へと手渡していくための営み。
その積み重ねの深さに、圧倒されました。
_横浜というまちで、音を支える____
横浜という、都市としての顔をもつまちの中で、福田喬史さんは、弦楽器づくりと修復の仕事を続けてきました。
横浜マイスターに選定されたことについても、福田さんはそれを「ゴール」ではなく、これからも仕事を続けていくための、ひとつの節目として受け止めています。
弦楽器製造の仕事には、明確な基準や資格があるわけではありません。
だからこそ、職人同士が横並びでつながり、技術や考え方を共有する仕組みは、見えにくいのが現状だといいます。
楽器づくりや修復は、決してひとりで完結するものではなく、職人同士、演奏者同士、手渡されていく。
横浜マイスターという存在は、そうした技術や文化の流れを途切れさせないために、職人が表に立ち、つなぐ役割を担うものだと感じました。
_暮らしの中に、音があるということ____
工房で話を聞き、音に触れながら過ごす時間のなかで、楽器や音楽は「特別な人のもの」ではなく、
暮らしのすぐそばにあるもの。
福田さんと話していると、確かな技術や驚くほど鋭い「耳」の良さだけでなく、
自分でも気づいていない要望や想いまで受け止めてくれるような、
不思議な安心感があります。全国から多くの人が足を運ぶ理由にも、自然と頷けました。
お話を伺い、弦楽器に触れてみたい、音を出してみたい、そんな気持ちが自然と芽生えました。
何かを始める、好きになるきっかけは、大きな決意ではなく、誰かに出会うことなのかもしれません。
住宅街の一角で、今日も福田さんは、ひとつひとつの音と、人と、向き合っています。
いつか、福田さんの仕事に直接触れられる機会があれば、ただ話を聞くだけでも、手にしている楽器の調子を相談するだけでも、
きっと音との距離は、少し近くなると思います。
舞台の上では見えない場所で、横浜の暮らしのすぐそばに、音楽を支える手がありました。
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fumi’s Violin Shop(フミズヴァイオリンショップ)
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