港南台バーズ

【港南台バーズ】音と技術で伝えていく 横浜マイスター弦楽器の世界 | 5/5(火)イベントレポート

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イベント・地域情報/イベント

2026/05/15

 

 

こんにちは。

無印良品 港南台バーズです。

 

2026年5月5日のこどもの日。

令和7年度『横浜マイスター』に選定された木製楽器製造職人の福田喬史さんをお迎えし、

普段身近に体験できない弦楽器製作の魅力や楽器の構造についてのお話しと、キーホルダー作りのワークショップとミニ演奏会を開催しました。
 

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「横浜マイスター」とは1996年より市民の生活・文化に寄与する優れた技能職者として横浜市が選定。

横浜市の技能職者の代表として、技能職の後進育成及び貴重な技能の継承を行っています。

 

 

福田さんは2017年に独立しfumi’s Violin Shopを開業。

製造する弦楽器の表板等の板の厚みに関して、独自のタップトーンを駆使した技法を確立しました。

このタップトーンとは、板を指で叩いた際の音を聴き分けることで、数値だけでなく「耳」で適切な厚みを判断する技法です。これにより1本1本個性が違う木材の性能を最大限に引き出し、美しい音の弦楽器製作が可能となりました。

また、福田さんはプロアマ問わず全国から数多くの奏者の方から指名を受けて、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ等の調整を行います。

 

「こんなイメージの音を届けたい」「もっとはっきりとした音にしたい」と奏者の求める音にするため、

今までの経験の中から聴き分けた音を駆使して理想の音に調整していきます。

 

 

会場に展示されているヴァイオリンの本体やパーツはすべて木から手作業で製造されたもの。

そうした繊細な作業が伴うため1年間で製造できるヴァイオリンはわずか1台です。

 

「いつか製造だけに没頭して1ヶ月でヴァイオリンを作ってみたいです」と福田さんが夢を語る場面も。

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福田さんが製造されたヴァイオリンを皆さん披露、しかし何かが足りません。

弦楽器の弦を支えて振動を伝える『駒』というパーツです。

駒がない状態で弾くと音が響かず、「ギーッ」と弦と弓の擦れる音が聞こえます。

そこで駒を立てて弦を調節し再度弾くと、聴き馴染みのあるヴァイオリンの美しい音が店内に響きました。

わずかなパーツによってもここまで音の変わる繊細なヴァイオリン。

外からは見えない『魂柱(こんちゅう)』と呼ばれる木の棒も、表板と裏板の間に挟まることにより、音を響かせる役割があります。

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そのヴァイオリンの横には小さめのヴァイオリンが2つ。

『分数ヴァイオリン』はお子さんの成長にあわせて作られたもの。

 

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腕の長さに合わせて徐々に大きくしていき、大人用のフルサイズのヴァイオリンに移行していきます。

分数ヴァイオリンを使い、奏者の須藤さんと日下さんに実際に演奏していただきました。

少し音量が小さく、明るく軽やかな音が特徴です。

 


 

 

今回は『駒』を使ってキーホルダーづくりを行いました。

様々なサイズの中から駒を選び、やすりがけや自分の好きな文字を刻印。

そしてヴァイオリン製作で実際に使っているニスを塗っていきます。

丸カンを通す穴をあけ、ストラップをつけて完成です。
 

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奥のテーブルでは板を削る『豆カンナ』の体験。

指の幅ほどしかない小さなカンナを使い、板を削ります。

 

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ヴァイオリンの表板の厚さはわずか3mm。

この厚さは音色に直結する重要な要素なため精密に削り出す必要がある作業。

そんな細かな作業もこども達は楽しく夢中で行っていました。







 

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ワークショップ体験後はヴァイオリン奏者・須藤 みさ央さん、ヴィオラ奏者・日下 水月さんによる

ミニ演奏会を開催しました。

『楽器同士の対話』をテーマにモーツァルトの楽曲から演奏。

「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲 第1番 第1楽章」という曲は、

モーツァルトが病気の友人のためにこっそり代筆したという、友情深いエピソードのある楽曲。

 

ヴァイオリンの高らかで華やかな音とヴィオラの柔らかく深い音が合わさり、楽器同士がまるで会話しながら互いに励ましているかのように聴こえてきました。

 

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ソロ演奏での場面では実際に福田さんが奏者のリクエストに応えて、

音の調整をしていただきました。

 

ヴァイオリンの須藤さんからは「音をより遠くにクリアに届けたい」

ヴィオラの日下さんからは「ヴィオラのハ音をもっと響かせたい」とリクエストが。
 

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楽器の中にある『魂柱(こんちゅう)』と呼ばれるパーツをわずかに調節し、
タップトーンによって音を確認していきます。

演奏で聴き比べるとお二人の希望通りの音色に変わっていました。

普段の演奏会ではなかなか聴けない貴重な場面でした。


 

ソロ楽曲を演奏後は再び二重奏を演奏。

シベリウス作曲のこの曲はこどもの日にもぴったりな、

爽やかで明るい1曲。音の調整も加わりまた違う音色が楽しめました。

 

そして早くも最後の楽曲。

誰もが一度は聞いたことのある『猫ふんじゃった』

ヴァイオリンとヴィオラの演奏によって軽やかで華やかな印象になり、

こどもから大人まで楽しめる楽曲となりました。



 

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今回こちらのイベントを通して技術・製造・音・演奏など様々な角度から、弦楽器の奥深い魅力を福田マイスターに教えていただきました。

 

ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

次回のイベントもご期待ください。

 

無印良品 港南台バーズ
 

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