振り返れば約2年前。
整理収納アドバイザーの資格を持っていたため、「店舗で収納セミナーをやってみない?」と声をかけていただいたのが始まりでした。
でも、私は人前で話す経験もほとんどなく、どのようにすればいいのか全くの手探り。
収納セミナーの参加者の方も、最初は1人、2人の時も。
緊張して、伝えたいことをうまく話せていなかったのではと思います。
それでも回を重ねること30回近く。
まだ毎回「お客様の期待に応えられるか」と不安はありますが、今では緊張せずに話せるようになりました。
収納セミナーの参加者の皆さんは、いい方ばかり。
講座終了後のアンケートには、「参考になりました」など嬉しいお声も。
それを励みに、毎回企画を練り、資料を作り、体調を整え本番に臨んでいました。
日頃、店舗では収納関係の仕事をしているわけはなく、店舗内のイベントの運営などを中心に別の仕事をしているので、資料を作る時間を捻出するのも大変です。
それでも、好きなことについてお話しするのは楽しく、また、それがほんの少しお客様のお役に立てているということに、やりがいも感じていました。
収納セミナーを2年近く、毎月休まず続けること。
それは、私にとって簡単なことではありませんでした。
私には、主人と4歳の男の子がいました。
「いました」というのは、実は、主人は2024年2月に病気のため、亡くなりました。
37歳でした。
4年半の間、入退院を繰り返し、闘病していました。
本当に最期までよく闘い切りました。
私は、闘病中の彼を支え、子どもを育て、パートではありますが、働いて家計を支えました。
私は大阪出身。
愛知は地元ではないので、周りに助けてくれる家族や親戚もいません。
主人が亡くなってから気力もなくなり、もう全て投げ出して、子どもと実家へ帰ろうか・・この先、この子と2人でどうすればいいんだろう。
そんなことばかり考えていました。
だけど、浮かんだのは今の職場。
優しくて大好きなスタッフの皆さん。必要とされる居場所があること。収納セミナーを楽しみに待ってくださっているお客様。
ここで投げ出してしまっていいのだろうか・・
少しお休みをいただいた後、職場復帰をすることに決めました。
ひとり親だと、家事・育児・仕事・生活の全てを一人で決めて行わないといけません。
私の場合、助けてくれる家族も近くにいません。
子どもはまだ幼いので、急病もしばしば。
収納セミナーの度に、急に熱を出さないだろうか…と内心ヒヤヒヤしていました。
職場でも、子どもの急病でお休みをもらうことも。
その度にスタッフの皆に助けられ、謝ってばかりで、申し訳なさと仕事もままならない悔しさでいっぱいでした。
復帰したものの、体力的にも精神的にも、もう限界…
そう思い、9月末に退職し、息子と新たな生活を始めるため、転居することに決めました。
もっと子育てに優しい社会なら、ひとり親でも生きやすい社会なら、私がもっと「助けて」と言える性格なら、2年間経験を積み重ねてきた職場を辞めなくてもよかったのかもしれません。
だけど、辛い経験をした私だからこそ、この先、助けられる人から助ける人へ、成長していけたらと思います。
つたない講演にも関わらず、何度も収納セミナーに参加してくださった皆さん。
皆さんが参加してくださったことは、「セミナーを聞いてみたい」ということの他にも、「頑張って」という励ましのようにも思えて、ここまで続けてこられました。
今まで本当にありがとうございました。
無印良品で学んだことを忘れず、悔しさや、消えることのない悲しみもバネにして、新たな地で頑張っていきます。
またいつか、どこかで皆さんにお会いできることを楽しみにしています。
無印良品ルビットパーク大口
収納セミナー担当スタッフ