こんにちは。
無印良品酒田です。
今回は12月の慌ただしい日も心がふっとほどけるような穏やかなイベント「傘福(かさふく)づくり」をお知らせします。
山形県酒田市に古くから伝わる縁起のよいつるし飾り、傘福(かさふく)。
みなさま、ご存知でしょうか。
真っ赤な傘の下で色鮮やかな飾りがふわりと揺れ、ひとつひとつに「健康」「長寿」「良縁」などの願いが込められています。
眺めるほどに味わいが深まり、春の雛祭りやお祝いの席にもそっと華やぎを添えてくれます。
無印良品酒田の「まちの保健室」では、この傘福づくりを、地域のみなさまと一緒に定期的に行っています。
今回はイベントの様子の撮影と講師の先生と参加者それぞれにインタビューもさせていただきました。
講師の先生が傘福と出会ったのは、今から23年前。
商工会議所の講座に参加したことがきっかけだったそうです。
そこから長く手仕事に向き合い、飾り一つひとつに込められた意味や歴史を大切にしながら、今も丁寧なものづくりを続けています。
先生は「傘福は酒田の文化そのもの。すべてが一点もので、飾りにはそれぞれ深い願いが込められているところが魅力です。」と話してくれました。
たとえば「俵」の飾りは、かつて神社仏閣へ豊作を願って奉納されたもの。
その土地の暮らしが息づく工芸であることが、手を動かすたびに伝わってきます。
今回の会場には、初めて傘福づくりに挑戦する参加者の方々も集まってくれました。
無印良品のイベント情報や山王クラブの体験教室をきっかけに興味を持ったという方が多く、手仕事を愛する気持ちが自然と場をあたためてくれました。
綿の入れ方や縫い方、生地の選び方、鳥のくちばしのつけ方まで、小さな工程に戸惑う場面もありましたが、出来上がった飾りを手にした瞬間の笑顔がとても印象的でした。
「思っていた以上に可愛くて、嬉しくて」と話す声も聞こえてきました。
参加者の中には、お正月に向けてお重に飾ったり、タペストリーに仕立てたり、たくさん作れたらつるし飾りにしたいと計画している方もいました。
手を動かす時間が、日々の暮らしを少し豊かにしてくれる。
その様子が、会場のあちこちに広がっていました。
先生は「最近は若い人が少なくて……」と文化の継承についての悩みも聞かせてくれましたが、この「まちの保健室」のように、だれもが気軽に足を運べる場所で開く講座が、文化を未来へつないでいくひとつのきっかけになればと願っています。
世間話をしながら手を動かすひとときは、人との出会いが生まれるやさしい時間でもあります。
なお、2月からは酒田市の山王くらぶで傘福の展覧会が開かれる予定です。
傘福の世界に触れたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
初めての方も、手仕事が好きであれば安心して参加できます。
先生がそっと寄り添いながら教えてくれる、あたたかな時間が流れています。
まちとつながるやさしい時間。
傘福づくりは、ただ作品をつくるだけではありません。
世間話をしながら手を動かし、地域の文化を未来へつなぐ──
あたたかな「場」がそこにはあります。
イベント予約は無印良品酒田のイベント情報から。
無印良品酒田Instagramでも今回のイベントの様子をアップしています。
気軽にのぞいていただけたらうれしいです。
無印良品酒田