梅を楽しむ季節の手しごと。

梅を楽しむ
季節の手しごと。

梅が旬を迎えるのは、5月下旬〜6月の梅雨の時期。
その年に収穫した梅で梅干しや梅酒などを手づくりする「梅しごと」は、四季のある日本で昔から続く季節行事のひとつです。
完成までには少し時間がかかりますが、出来上がるまでの間、少しずつ変化する様子をながめるのも楽しみのひとつです。“仕込む・待つ・味わう”という3度の楽しみがある梅しごとに、ぜひチャレンジしてみませんか?

梅の品種を知る

諸国良品の梅

ひとえに「梅」といっても、その品種数は300とも500ともいわれています。
諸国良品で王道品種から珍しい品種まで様々な梅をご紹介しています。
産地・品種・熟度を変えて仕込めば、仕上がりの味わいも変わってきます。
たくさんの梅の中から、自分のお気に入りを見つけてみませんか。

白加賀梅

白加賀梅

  • 果肉が緻密
  • 繊維が少ない
  • 甘みと酸味のバランスが良く、すっきりとした後味
【梅しごと上級者向き品種】べに梅

【梅しごと上級者向き品種】べに梅

  • 完熟するとラ・フランスのようなフルーティーな香り
  • ペクチンが多く、冷凍してからの使用がおすすめ
十郎小町

十郎小町

  • 希少種
  • 中粒程度で種が小さく、果皮がやわらか
十郎梅

十郎梅

  • 希少種
  • 楕円形で小さく果皮が薄い
  • 果肉の割合が高く、種離れしやすい
パープルキング

パープルキング

  • 南高梅の枝変わりの品種
  • 梅酒・梅シロップにすると、鮮やかで透き通ったピンク色の仕上がり
【小梅】パープルクィーン

【小梅】パープルクィーン

  • 果皮が紅紫色の小梅
  • 梅酒・梅シロップにすると、鮮やかで透き通ったピンク色の仕上がり
古城梅

古城梅

  • 梅酒・梅シロップにすると濁りの少ないすっきりとした仕上がり
南高梅

南高梅

  • 定番人気品種
  • 果肉が厚く柔らかい
  • 黄色く熟すと香りが強くなり、まろやか
剣先梅

剣先梅

  • 肉厚でハリとツヤがある深緑の果皮
  • 果肉がしっかりとしている
紅映梅

紅映梅

  • 日が当たった果実の表面が紅色に色付く
  • 種が小さく、果肉は肉厚で緻密
  • 果皮がやわらか
林州

林州

  • 果皮が薄く、果肉が柔らか
  • しっかりとした酸味

梅の販売 商品一覧

  • ※商品の価格は梅本体のみとなっており、別途送料がかかります。
  • ※本年は梅のみを販売いたします。5月の梅酒セット(瓶と梅のセット)販売の予定はございません。瓶は個別でご用意ください。

梅しごとのコツ

梅しごとをする上で、梅の選び方や、下処理の方法など、さまざまな梅しごとのコツをご紹介します。

梅の選び方

梅は収穫する時期や成熟具合によって、大きく「青梅」「完熟梅」に分けられます。
どちらも酸味が強く、生では食べられませんが、ひと手間加えることでおいしく味わうことができます。

  • 青梅のイメージ

    青梅

    すっきりとした味わい

    梅が店頭などに出回りはじめる頃に最初に並ぶ、熟す前の青い梅のこと。実がカリカリと固く、フレッシュで爽やかな香りと酸味があります。
    梅酒、梅シロップ、梅味噌、醤油漬けなど、幅広く活用できます。

  • 完熟梅のイメージ

    完熟梅

    まろやかで香り豊か

    青梅の後に出回る、熟したオレンジ色の梅のこと。実がやわらかく、甘い香りが楽しめます。梅干しや梅ジャムに向いているといわれています。
    また、芳醇な香りを生かして梅酒や梅シロップをつくることもできます。

時間の経過とともに追熟し、青から黄色へ色が変わり、梅酒や梅ジュースにしたときの味わいに違いが出ます。

※画像はイメージです。
※お使いのモニターにより色味が異なって見える場合がございます。

家で追熟させるにはカビないように注意が必要です。追熟のポイントを埼玉県越生町の山口農園さんにお伺いしました。

ポイント

  • 梅を傷つけないように注意しながら、きれいに洗ってへたを取り、水気をとります。
  • 新聞紙などに日重ならない様に広げて完熟を待ちます。表面は黄色になり、甘い香りがしてくれば完熟の目安です。

※早い時期の青梅は完熟しずらいのでご注意下さい。

梅の下処理

梅しごとには、いくつか「コツ」があります。コツをおさえて、おいしくつくりましょう。

  • ヘタ取りは竹串で

    梅のヘタを取るときは、金串を使わないようにしましょう。梅の酸と金属が反応し、梅と金属の両方の傷みの原因になります。ヘタ取りには竹串や楊枝を使うのがおすすめです。

  • 水気をしっかり切って、カビ対策

    梅に水分が残っていると、カビの原因になります。布巾やキッチンペーパーでしっかりと水分をふき取りましょう。また、使用する保存瓶なども消毒をしてカビの予防をしましょう。

保存瓶の煮沸消毒の方法

  • 1食器用洗剤でよく洗います。

  • 2大きめの鍋に本体や蓋がひたるぐらい水道水を張った状態で、10~15分沸かします。

    ※必ず水のうちに本体・蓋を入れてください。熱湯から入れると急激な温度差で割れることがあります。

  • 3熱湯に注意をしながらトングで取り出し、湯を切り乾燥させてください。

    ※乾燥させる際は乾いたふきんなどにのせ、水気がつかないようにしてください。

  • 4室温に戻るまで置いてください。

煮沸消毒できない大きな保存瓶の場合は、洗剤でよく洗い、乾燥させた後、食品用のアルコールやホワイトリカーなどで本体の内側や口元などを拭いてください。

梅しごとのレシピ紹介

今回は奈良県西吉野町の「堀内果実園」の梅レシピをお届け。
梅しごとの定番である「梅酒」と「梅シロップ」「梅干し」に加え、
少量の梅で簡単につくれる「梅味噌」をご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

初めてでも簡単 梅シロップ

使い方いろいろ

基本の「梅シロップ」つくり方

材料

青梅
1kg
氷砂糖
800g 〜 1kg
保存瓶
4Lのものを消毒・乾燥させておく

つくり方

  1. 梅の実を傷つけないように、へたの黒い部分を取り除き、表面のゴミや汚れを洗い流す。
  2. 梅を重ならないようにザルに広げて水を切り、乾いた清潔なふきんで一粒ずつ丁寧に水気をふき取る。
  3. 24時間以上、冷凍庫で凍らせる。
  4. 保存瓶に梅と氷砂糖を交互に重ねていき、最後に氷砂糖を多めに入れ、上を平らにする。

1~2週間程度つけるとシロップができてきます。お好みのつかり具合になったら梅は取り出しましょう。

ポイント

梅は一度冷凍することで、梅の細胞壁が壊れ、梅エキスがでやすくなります。
氷砂糖の代わりに上白糖や本和香糖など粒子が細かな砂糖を使うのもおすすめ。砂糖が早く溶けてまんべんなく梅がつかるので、梅と空気の接地面が少なくなりカビが発生しづらくなります。果実酒瓶の代わりにチャック付き食品保存袋を使えば、少量でも気軽に漬けることができます。

選ぶ砂糖で変わる「味わい」

梅シロップや梅酒にはよく氷砂糖が用いられますが、選ぶの砂糖によって、風味や仕上がりに違いが出ます。
甘さやコク、味わいなど、砂糖の違いを知って自分好みの仕上がりを目指しましょう。

  • 氷砂糖のイメージ

    氷砂糖

    時間をかけて結晶を⼤きくした純度の高い砂糖。溶けるのにも時間がかかるため、果実酒作りによく用いられる。

  • 上白糖のイメージ

    上白糖

    クセがなく、しっかりとした甘みが特徴。どんな素材にも合いやすく、水溶けがよい。

  • グラニュー糖のイメージ

    グラニュー糖

    純度が高く、サラサラとしていて、あっさりとした甘さが特徴。素材の味や風味を活かした仕上がりに。

  • 三温糖のイメージ

    三温糖

    淡い茶色の色合いで、製造過程で起こるカラメル化により、ややコクがある甘みを持つ。

  • 本和香糖のイメージ

    本和香糖

    粒子がさらさらと細かく、ミネラル分を含んだ上品で柔らかな風味が特長。

  • 黒糖のイメージ

    黒糖

    サトウキビの搾り汁を精製せずに煮詰めて作るため、ミネラルを多く含み、コク深い味わいが特徴。

少しずつ楽しむ
アレンジアイデア

梅シロップの基本のコツを押さえたら、アレンジレシピも試してみませんか。
いろいろなアイデアを小瓶に詰め込み、出来上がるまでの過程を見るのも楽しいものです。
身近な材料でできるものから変わり種まで、6つのアイデアをご紹介します。

  • ハチミツ漬けのイメージ

    ハチミツ漬け

    完熟の梅を瓶に入れ、梅がかぶるようにハチミツを入れて漬けます。
    ハチミツのコクと梅の爽やかさを楽しめます。

  • レモンのイメージ

    レモン

    炭酸水やお湯割りはもちろん、牛乳や豆乳で割るととろみがついてヨーグルトドリンクのような味わいになります。

  • 生姜のイメージ

    生姜

    梅の爽やかさとピリリとした生姜の風味が効いたシロップ。
    夏は炭酸水ですっきり爽やかに、冬はホットでじんわり温まるシロップです。

  • ブランデーのイメージ

    ブランデー

    ブランデーで漬けると芳醇な風味が楽しめます。ロックやソーダ割がおすすめです。

  • スパイスのイメージ

    スパイス

    シナモンスティックやスターアニス、クローブ、カルダモンをお好みの割合で。いつもとは違ったスパイシーな香りが楽しい梅シロップになります。

  • 桃缶シロップのイメージ

    桃缶シロップ

    桃の缶詰のシロップに砂糖を加えて完熟梅をつけると、華やかな香りと風味のシロップに。
    実はくずしてヨーグルトと食べたり、アイスティーに入れても楽しめます。

※アルコール度数20度以下のお酒で果実を漬けることは法令で禁止されています。20度以上の度数のものを使用してください。

梅しごとの定番

堀内果実園さんの「梅酒」

材料(4L分)

青梅…1kg
氷砂糖…800g
ホワイトリカー(焼酎、ウィスキー、ブランデーでも可)…1.8L
※保存瓶(4L)はあらかじめ消毒し乾燥させておく。

つくり方

  • 梅の実を傷つけないように、へたの黒い部分を取り除き、表面のゴミや汚れを洗い流す。
  • 1の梅を重ならないようにザルに広げて水を切り、乾いた清潔なふきんで一粒ずつ丁寧に水気をふき取る。
  • 保存瓶に2の梅と氷砂糖を交互に重ねていき、最後に氷砂糖を多めに入れ、上を平らにする。
  • 3にホワイトリカーを静かにを注ぎ入れ、しっかり密閉し、直射日光の当たらない涼しい場所で保存する。

※約3ヶ月で風味良くいただけますが、1年以上熟成させてもおいしくいただけます。

初心者でも簡単

山口農園さんの
「梅のさしす漬け」

材料

梅(完熟梅)…1kg
ざらめ…300g
塩…100g
米酢…800ml

つくり方

  • 梅の実を傷つけないように、へたの黒い部分を取り除き、表面のゴミや汚れを洗い流す。
  • 梅を重ならないようにザルに広げて水を切り、乾いた清潔なふきんで一粒ずつ丁寧に水気をふき取る。
  • チャック付き保存袋に梅、ざらめ、塩、米酢を入れ良く混ぜ合わせる。
  • できるだけ空気が入らないように袋を閉め、バットなどの平らな容器に寝かせ、直射日光の当たらない涼しい場所で1か月程度寝かせる。つかり具合の確認は袋の外から行い、袋を開けないようにしましょう。
  • 平らなザルに梅を並べ天日干しをする。天気の良い日の朝に干し、夕方にしまう。干す日数の目安はLサイズの梅の場合、2日間干したのち、3日目の朝に梅の表面が乾いたらひっくり返す。
    ひっくり返す時は日中より朝や夕方に行うほうが、ザルに梅干しが張り付きにくくなります。1~2日間干し、裏面も乾けば完成。手に持った時に、梅の実の重量が半分程度になったら完成の目安です。

ごはんが欲しくなる

堀内果実園さんの「梅干し」

材料

完熟梅…1kg
塩…200g〜300g
霧吹き、ビニール袋、保管容器(ガラスやホーロー製など)、
落し蓋、重し

つくり方

  • 梅を水洗いして軽く水気を切る。
  • ビニール袋の内側に、霧吹きで焼酎を吹き付ける。
  • 塩の分量の約半分をビニール袋に入れ、梅を入れて袋ごしに転がせ、塩をまんべんなく梅にいきわたらせる。
  • 保存容器の底に霧吹きで焼酎を吹き付け、③の梅を入れ、最後に残りの塩を入れる。
  • 清潔で乾いた落し蓋と梅の重さの2倍以上の重しを梅の上に順に置く
  • その後1週間に一度程度、霧吹きで焼酎を吹き付け、カビを予防する。
  • 漬け込んで約20日後、梅酢が完全に出ているのをチェック。梅酢がでてくるようなら重しを取る。
  • 梅を取り出し、約3〜4日間天日干ししたら出来上がり。

※壺か瓶で保存してください。

作った梅干を洋風にアレンジ

山口農園さんの
「梅干しのオリーブオイル漬け」

材料

梅干し(塩で漬けたもの)…15個
塩…ひとつまみ
ニンニク…2片
オリーブオイル…150ml程度

つくり方

  • 容器に梅を入れ、ひたひたになるくらいの水と塩をひとつまみ入れたのち、一晩寝かす。
  • 梅を取り出し、よく水分をふき取ったのち、梅干しを保存容器に入れる。
  • にんにくは包丁でつぶして容器に入れる。
  • オリーブオイルを梅干しがかぶるくらい入れる。
  • 冷蔵庫で1晩寝かせたら完成。

余った梅でおいしく

堀内果実園さんの「梅味噌」

材料

青梅または完熟梅…120g
味噌…180g
砂糖…90g

つくり方

  • 梅のヘタを取り除き、水洗いして水気をしっかりふき取る。
  • 容器の底にうすく味噌をひき、味噌→梅→砂糖の順に交互にいれていく。これを2、3回繰り返す。
  • 日の当たらない冷暗所で約1か月おいておく。
  • 梅にシワがより、味噌がトロッとしてきたら出来上がり。

※おでんや田楽、和え物やドレッシングなどいろいろなタレに使えます。梅の実は、お漬物のようにお召し上がりいただけます。

梅しごとにぴったり。
無印良品のキッチン用品

梅のイメージ

年に一度の梅がとれるタイミングに楽しめる「梅しごと」。
毎年の定番行事となっている方も、今年はじめてチャレンジする方も、久しぶりに仕込む方も、
梅の香りに包まれながら、季節の手しごとを楽しみましょう。

※本年は梅のみを販売いたします。5月の梅酒セット(瓶と梅のセット)販売の予定はございません。瓶は個別でご用意ください。