オーガニックコットン|健康な土が、次世代へつながる

無印良品 素材 コットン オーガニック インド

おたより/素材からはじまる

2025/07/21

豊かな土に育まれるコットン
 

無印良品では、製品に使用するコットンの一部にオーガニック農法で栽培されたものを採用しています。オーガニック農法とは、体や土地に悪影響があると考えられる化学肥料や農薬を使用せずに栽培する方法のこと。土壌の健康を保ち、生物多様性を促進するとともに、労働者の健康を守り、持続可能な農業に貢献します。
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無印良品が採用するオーガニックコットンは、遺伝子組み換えの種を用いず、栽培国の有機農法基準に即して栽培されています。さらに、農家の労働環境に配慮し、公正な労働条件を確保することを絶対条件としています。

私たちがなぜ、オーガニックコットンを選択しているのか。それをお伝えするために、生産地のひとつ、インドを訪ねました。
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古くから綿花の栽培が盛んなグジャラート州の中心都市・アーメダバード

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アーメダバードから数時間、車を走らせると広がる景色

インド北西部にあるグジャラート州は、古くから綿花の栽培が盛んで、インドの繊維産業の中心地となってきました。中心都市であるアーメダバードから車を西へ2時間ほど走らせると、道路の周囲に綿花畑が現れ始めます。私たちが訪ねた12月の半ばは、まさにコットンの収穫が佳境を迎える時期で、この地域では乾季にあたります。乾いた大地に真っ白なコットンが点々と広がっていました。
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目指す畑に到着すると、大勢のコットン農家の方々が出迎えてくれました。忙しい収穫期であるにも関わらず、オーガニックコットンの生産過程を丁寧に説明してくれます。それは、遺伝子組み換えされていない種を使うことから始まるといいます。遺伝子組み換えされた種は、収穫量を上げることはできますが、他の農作物への影響が懸念されているからです。
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天然の防虫剤になる植物の葉

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生産者の家の土間で飼われている牛たち

生産者のひとりが、畑の脇に育つ樹木の傍へと案内してくれました。この樹木の葉を発酵させると天然の防虫剤になるとのことでした。また、畑のすぐ側にある生産者の住む村を訪ねてみました。多くの家は土間部分が広くとられており、そこに数頭の牛を飼っています。牛は神様であり、家族であり、大事な財産でもあります。その牛の糞は堆肥の原料となります。
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収穫量よりも未来を選ぶ


農薬を使わず天然の防虫剤を用い、化学肥料に頼らず牛の糞から作った堆肥を施す。そんな農場の土には、多くの細菌やミミズなどの生き物が棲んでいます。それらは、土の中の栄養を植物が取り入れやすくする働きを持っています。つまり、コットンと土と土中生物は、豊かな共生関係を結んでいるのです。しかし、農薬や化学肥料を用いると、この生態系が壊れてしまいます。それだけでなく、農薬を使うことで農場で働く人たちの健康も壊してしまうことになるのです。
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オーガニックコットンの栽培を選択すると、最初の年は収穫量が約半分に減ってしまうといわれています。それは、まだ土がじゅうぶんに回復していないからです。4年から5年をかけて土が自然の状態に戻るにつれ、収穫量は80~90%まで戻りますが、農家は転換期の数年を乗り越えなくてはなりません。
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けれど、この農場の人々はオーガニックコットンを栽培することを選びました。それは、オーガニック農法を選択することによって、大事な土の健全性が保たれ、働く人の健康が維持され、その持続可能な農場を次世代に安心して手渡すことができるからです。こうして栽培されるオーガニックコットンを無印良品が紹介し、多くの方に手にとっていただくことで、この循環が続いていく助けになると思うのです。


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