暮らしのQ&A
おいしく体を整える。新発売のせいろソースと薬膳料理家おすすめ食材

2026/10/07
取材・文/秦レンナ
やまだなみ 薬膳・発酵料理研究家、国際中医薬膳師。「食べごと研究所」主宰。神奈川県葉山町の「古家1681」で和食薬膳教室や発酵教室を開くほか、雑誌やWEBなどで薬膳、発酵食、季節の食養生にまつわるレシピ提案や解説を行っている。著書に『薬膳せいろ 体にやさしい温活レシピ(朝日新聞出版)』、『薬膳おにぎり(主婦と生活社)』など多数。
食材を入れたら、あとは待つだけ。せいろは忙しい日々の味方
子どもの離乳食づくりをきっかけに、せいろを使い始めたという薬膳・発酵料理研究家の山田奈美さん。日々の食卓に欠かせないものになっているといいます。
「野菜は水っぽくなりにくく、肉や魚はふっくらジューシーに。食材のうまみや栄養が、蒸すことでギュッと凝縮され、内側までやわらかく仕上げられるのがせいろ料理の大きな魅力。油を使わずに調理しやすいことも、日々の食卓に取り入れやすい理由です」
さらに、調理に手がかからないことも、大きな利点だとか。

「食材を切って並べたら、あとはほったらかしでいいので、とても楽なんです。また、野菜だけでなく、お粥や肉、魚など複数の食材を組み合わせれば、一つのせいろで主菜と副菜を同時につくることもできます。
手間をかけずにもう一品増やせて、洗いものも少ない。一人暮らしの方にも、子育て中の方にも、忙しい日々の食事づくりを助けてくれる調理道具だと思います」
秋の体に、あたたかくてみずみずしい蒸し料理を
旬の食材を生かし、薬膳の視点から季節や体調に寄り添う料理を提案している山田さん。薬膳では、心身を支える要素を「気・血・水」で捉え、「気」は活動するためのエネルギー、「血」は体に栄養を運ぶもの、「水」はからだを潤すものを指します。なかでも夏の疲れが残る秋は、「気」を消耗しやすい時期だとか。
「薬膳では、元気のもととなる『気』は、胃腸でつくられると考えます。あたたかい料理で胃腸をいたわり、しっかりと『気』を補うことが、秋の養生につながります」
また、秋は空気の乾燥も気になり始める季節。あたたかいだけでなく、食材の水分を保ち、みずみずしく仕上げられるせいろ料理は、まさにこの時期にぴったり。特に、体を潤すと言われる、れんこん、かぶ、落花生などを意識的に取り入れるのがおすすめだといいます。
「季節の変わり目ということもあり、不調や疲れを感じやすい人は、旬の鮭やカツオ、サンマなど、エネルギーになりやすい魚や肉に加え、『気』を生み出すといわれるきのこ類もおすすめです。

蒸すことで、あっさりと食べやすくなり、消化も助けてくれます。また、薬膳では、香りの良い食材には、滞った『気』を巡らせる働きがあると考えます。しそ、ねぎ、みょうがなどの香りの良い薬味もたっぷり添えてみてください」
3つのソースで、秋の食材をもっとおいしく
体をいたわりながら、季節のおいしさも存分に楽しみたい秋。せいろ料理をさらに味わい豊かにしてくれるのが、3種の『せいろ料理と合わせて温めて食べるソース』 シリーズです。
今回、山田さんにそれぞれを試していただき、秋の食材とのおすすめの組み合わせを教えていただきました。

「どれもうまみがしっかりあり、家庭ではなかなかつくれない深い味わいでした。塩や味噌だけでは少し物足りないと感じるときも、ソースがあれば気軽に味の変化を楽しめますし、せっかく新米がおいしい時期なので、ご飯と合わせれば食卓の楽しみも広がりますね。
せいろの中で一緒にあたためるだけという手軽さも魅力で、料理初心者の方でも使いやすいと思います」
淡白な食材を引き立てるうまみ | アンチョビとにんにく ×カブ・長芋・エリンギ

アンチョビのうまみと、にんにくの風味が効いたソース。山田さんのおすすめは、カブ、カリフラワー、エリンギ、長芋、大根など、味わいの淡泊な食材との組み合わせです。

「食材のやさしい甘みを、力強いうまみが引き立てます。洋風の献立になじみやすく、だしがないときに、スープのうまみを足す調味料として使うのもいいかもしれません」
甘みのある秋の食材と好相性 | 焙煎ピーナッツと米味噌 ×鶏肉・イチジク

香ばしいピーナッツと米味噌のコクに、ほのかな辛みと甘みを感じる濃厚なソースは、豚バラ肉やキャベツ、ナスやかぼちゃなど、甘みのある食材と好相性。

「ピーナッツには豊富な脂肪分が含まれ、濃厚でどっしりした味わいなので、タラやヒラメなどの白身魚、ささみにもよく合います。
意外なところでは、旬の果物であるイチジクもおすすめ。味噌やゴマ、ピーナッツと相性が良く、一味違ったおいしさを楽しめる組み合わせです。また、小松菜などの青菜を和える衣として使えば、もう一品が手軽に仕上がります」
やわらかな味わいを引き締める | 4種スパイスと豆板醤 ×しいたけ・豆腐

豆板醤の辛みとスパイスの香りが食欲をそそるソースは、鶏胸肉やしめじ、さつまいもとよく合います。

「しいたけや豆腐など、やわらかな味わいの食材に添えると、味がきりっと引き締まります。また、中華風の献立に合わせたり、炒めものやスープの隠し味にしたりするのもおすすめです」
調理のポイント
- 食材が同じくらいの時間で蒸し上がるよう、にんじんや大根など火の通りにくいものは小さめに。肉は塩麹に漬け込んでおくとやわらかくなり、火が通りやすくなります。
- 二段で使う場合は、火の通りにくい食材や汁気の出る料理を下段に、火の通りやすい食材を上段に置きます。
- 蒸している間は、鍋の湯を切らさないこと。火が強すぎるとせいろが焦げたり傷んだりするため、湯の量と火加減に注意しましょう。
この秋、せいろ料理を楽しみたい方へ、山田さんからアドバイス
食材や味つけを変えながら、何通りものおいしさを楽しめるせいろ料理。「とにかく簡単で、ヘルシーで、おいしい。いつもの食材も、蒸してみると、それまで知らなかった味わいや食感に出合えることがあります」と、山田さん。
せいろ料理を長く楽しむために、選び方や扱い方のポイントも押さえておきましょう。
せいろの種類と選び方
せいろには、檜や杉、竹などさまざまな材質があります。今回山田さんが使用したのは、無印良品の『竹材 蒸籠(せいろ)/本体 深型』と『竹材 蒸篭(せいろ)/蓋』。
「竹材は軽くて乾きやすく、香りが穏やかなので、食材の風味を邪魔しにくいのが特長です。初めての方にも扱いやすいと思います」

サイズは、23〜25cmくらいが汎用性も高くおすすめとのこと。
「複数の食材を一度に蒸せるし、大きめのお皿も入り、便利です。また深さもある方が、茶碗蒸しなどの料理にも使いやすいと思います」
せいろと一緒に使いたい道具
調理には、洗って繰り返し使えるシリコーンシートや、使い捨てできるクッキングシートを敷くと、食材がつきにくく、後片付けも簡単に。

「シリコーンシートは繰り返し使え、食材が滑りにくいところも便利です。蒸し鶏や漬け込んだ魚など、蒸し汁まで味わいたい料理は、器にのせて蒸すのもおすすめです」
そのほか、せいろ用受け台があると、フライパンでもせいろ料理が楽しめます。
せいろのお手入れ
使用後は、さっと拭き取るだけで◎。汚れが気になるときは洗剤を使わずに水洗いし、網目に入り込んだものはたわしなどでやさしく落とします。

「お手入れで一番気をつけたいのは湿気です。洗った後はしまい込まず、風通しの良い場所でしっかり乾かしてください」
あたたかな湯気とともに、旬の食材を味わうせいろ料理。3種のソースを添えて、体をいたわる秋の食卓を、より豊かに楽しんでみませんか。
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