旅とMUJI
「日常使いできるものを、旅にも持っていきたい」 | トラベルS字フック、洗面用具ケース ほか

2026/09/09
第4回は、メイクアップアーティストとして活躍し、その洗練されたライフスタイルでも多くの人を魅了するnagisaさん。世界を巡るなかで培われた審美眼で選ぶ道具たちには、無駄のない機能美が宿っている。日常と旅を軽やかにつなぐ、nagisaさんの美学に迫る。
(取材と文・山田さとみ 撮影・リン・イーリン)
メイクアップアーティスト。ロンドンを拠点に活動を開始し、帰国後は雑誌や広告を中心に『UNION MAGAZINE』の制作など、グローバルに活動中。自身のYouTubeチャンネル「nagisa TV+」では、メイクやファッション、ライフスタイル情報を発信中。
Instagram:@nagisamakeup
憧れを原動力に、海を越えて広がった表現の場
メイクアップアーティストとしての活動を軸に、雑誌『UNION MAGAZINE』の制作や、自身のYouTubeチャンネル「nagisa TV+」での発信など、nagisaさんの表現の場は幅広い。幼少期から海外に強い憧れを抱き、数々の旅の経験がその感性を養ってきた。
「音楽や雑誌などのカルチャーから、外国には日本と違う世界が広がっていることを知って、ずっと興味がありました。いろんな国の人とコミュニケーションが取りたくて、小学生のころから英語を勉強していました」
22歳のとき、初めてパスポートを取って渡英。語学を学びながら、現地でメイクアップアーティストとしてのキャリアを積み、活動の場を国内外へと広げていった。
「1年半ほどロンドンで暮らしました。日本に帰国してからは、コレクションや広告撮影に呼ばれて年に4回くらい海外へ。2012年に『UNION MAGAZINE』を創刊してからコロナ禍になるまでは、海外のアーティストと撮影をするため、より旅をするようになりましたね」

日常と旅をシームレスにつなぐ、削ぎ落とされたもの選びの美学
こうして培われた確かな審美眼。メイクアップの技術にとどまらず、洋服のコーディネートやライフスタイルといった彼女のセンスそのものが、多くの人を惹きつけている。なかでも、原点といえる旅でのもの選びには、その美学が色濃く反映されている。
「旅行のときだけ使うものはなるべく増やしたくないんです。だから、日常使いできるものを旅にも持っていきたい。例えばこのネックピロー(終売。現在は『フィットするネッククッション』が販売中)は、撮影でロケバスに乗るときにも、飛行機でも使っています。フード付きで顔を隠せるから、明るい空間でも寝やすくて」


日常と旅をつなぐアイテムは、どのように見つけ出しているのだろう。
「旅の前には、無印良品のお店へ行くことが多いです。シンプルなのに機能的で価格もお手頃。無駄をきれいに削ぎ落としてくれているところが一番の魅力ですね。SNSもチェックして、直感的にいいなと思ったものを探しに行ったり。トラベル用品のコーナーも参考にしています。この『洗面用具ケース』もそこで見つけました。大容量で、滞在先ではそのまま掛けられるのがとても優秀。無印良品で一番買ってよかったと感じているアイテムです」

普段はキッチンで布巾を、お風呂場でスポンジを吊るしているという『ワイヤークリップ』も、必ず旅先へ持参するアイテムのひとつ。
「滞在先の洗面台が狭いときは歯磨き粉を吊るしたり、洗濯物を干すのに使ったり、お菓子の袋を留めたりもします。この『S字フック』もすごく便利で、飛行機の座席についているフックって、浅くて直接荷物を掛けづらいんですよね。そこにこれをひとつ噛ませるだけで、荷物がしっかり掛けられるようになるんです。ホテルのクローゼットや、レストランのテーブルに引っ掛けておけばバッグを床に置かずに済みますし」



トラブルをも前向きに。余白を楽しむ旅と暮らし
nagisaさんの言葉からは、自分に必要なアイテムを見抜く力に加えて、ひとつのものを幾通りにも使いこなす柔軟なアイデアがうかがえる。そうしたしなやかな視点もまた、旅の経験が育んだものなのだろうか。
「段取りを考えるのは、昔から好きでした。両親は好きなことを自由にやらせてくれるタイプだったので、小学生のときにひとりで計画を練って、1時間くらいバスに乗って祖母の家へ行ってみたり。旅そのものも、そのころから好きでしたね。時間通りにバスに乗れて、一つひとつタスクが達成されていくのが楽しいし、時折起こるトラブルを自力で解決していくのも気持ちがよくて」
計画通りにいかないことすら前向きに捉える。そのポジティブな思考回路は、旅先だけでなく日々の暮らしのベースにもなっているという。
「悪いイメージを持つと、それを引き寄せてしまう気がして。だから、何事もハッピーなマインドでいるようにしています。『これができなかった』と落ち込むのではなく、『これができた』と前向きに捉える。それは旅のスタイルにも通じていて、最近はあまり予定を欲張りすぎないようにしています。あれもこれもと持ち物を増やさないのと同じですね。昔はイタリアを3都市めぐるような旅も好きだったけれど、いまは1つの都市でじっくり過ごす。そういう『余白』を楽しむことが、昔よりできるようになりました」

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