上手な買い物のヒント
臭いや洗い残しは詰め込みすぎが原因のことも…… 意外と知らない洗濯のコツ

2025/09/29
【お話を聞いた人】
藤原千秋さん
大手住宅メーカーで営業職を経て、独立。主に掃除や家事、住宅に関する記事執筆を専門とする、ライター・アドバイザー&コラムニストとして活動中。監修本に『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)などがある。私生活では、三女の母。
「洗濯しても臭う」問題は、「すぐに洗う」で解決

自覚がなくても、1日着用していた衣類には汚れが付着しています。汗で濡れた衣類はなおさらで、放置すればするほど、汚れをエサに臭いの原因となる菌がどんどん繁殖していきます。
洗濯してもこの汚れや菌が落ちきれなければ、シミが残るほか臭いの原因になることも。そのため「脱いだ衣類はなるべく早く洗濯して乾かす」、これが臭いを断ち切るポイントになります。毎日洗濯するのが難しい場合は、脱いだ衣類をいすの背などにかけておくのがおすすめ。
できる限り「乾燥」させることで菌の増殖を抑え、ほかの洗濯物への「臭い移り」も防げます。
汚れが落ちないのは、洗濯機の詰め込みすぎが原因かも

意外と多いのが、洗濯機がギュウギュウになるまで洗濯物を詰め込んで洗っているご家庭。「汚れがきちんと落ちない」「臭いが消えない」のは、単純に詰め込みすぎてきちんと洗えてないことが原因であることも。
洗濯機にはそれぞれ容量がありますが、基本的に規定の7割くらいにとどめるのが◎。試しに少ない量で回してみると、洗濯の仕上がりが驚くほど変わります。また、汚れが落ちないからといって勝手に洗剤の量を増やせば、衣類に成分が残ってそれが菌のエサになって臭いの原因になったり、かえって汚れが落ちなかったりと、トラブルが起こることも。洗剤も規定量を守ることが大切です。
「柔軟剤は絶対に必要」は勘違い。使い過ぎは臭い・カビの原因に

洗濯の嫌なにおいを消すために柔軟剤を使っているとしたら、それは間違い。汚れがきちんと落ちていない洗濯物に余計な香りや成分が加われば、「悪臭」になりかねません。
そもそも柔軟剤は、静電気の発生を抑えたり、繊維の摩擦を減らして柔らかく仕上げたりするためのもの。全ての洗濯物に必ず必要なものではありません。入れすぎてしっかりすすげていなければ、それが菌のエサとなってやがてにおいやカビの原因になったり、衣類やタオルの劣化を早めることにも。
香りが強すぎれば周囲が不快に感じることもあるので、使用する場合は適正量を守りましょう。香りが苦手な人は無香料タイプの柔軟剤もあるので、試してみてください。
黄ばみを取りたい場合は「過炭酸ナトリウム」を使用するのが◎

白いシャツの襟や袖につく「黄ばみ」の原因は、皮脂や汗。よかれと思って塩素系の漂白剤に長時間浸けると、黄ばみが取れるどころか、繊維によってはボロボロになるなど取り返しのつかない状態になってしまうことがあります。
基本的に衣類の黄ばみを落としたい場合には「酸素系」の漂白剤、コットンやポリエステルなら、(弱)酸性の弱アルカリ性の過炭酸ナトリウム、シルクやウールなら弱酸性の過酸化水素水が効果を発揮。コットンのシャツやタオルなどが全体的に黄ばんでいるときは、大さじ2杯の過炭酸ナトリウムを入れた3リットルのぬるま湯に浸け置きを。部分的に黄ばんでいるときは、ぬるま湯で溶かしてペースト状にしたもの塗布し、15分程度置いた後に通常の洗濯をしましょう。
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