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【スタイリングアドバイザーが語る無印良品】天竺編みのTシャツ
2019/05/10
ものづくりの背景を伝えながら、一人ひとりに合った服選びや着こなしを提案する、無印良品のスタイリングアドバイザー。
お店でさまざまな相談を承ってきた彼らが伝える、無印良品のTシャツの魅力を、3週にわたってお届けします。
第1回は、「1年後、3年後と、長く愛着を持って、服を楽しんでもらえる提案を心がけている」という女性アドバイザーが語る、天竺編みのTシャツです。
人が昔から親しんできた、綿の肌触りや安心感……それが着心地の良さにつながっています。
――天竺編みのTシャツ、ずばり、その魅力はどういったところでしょう?
ひとつめは、綿100%であること。かたちも定番なのですが、綿100%という言葉が、私には魅力的です。
たくさん機能が付いている素材のTシャツもありますが、人がふだん着として服を着ていくうえで、いちばん大事なことは、その人が感じる着心地だと思っているんです。
――着た人が、しぜんと心地良く感じられるような……。
はい。そういう意味で、肌あたりや、触り心地に対して、天然素材を100%使っていることは、安心をもたらしてくれます。
綿というのは昔から使われてきた素材で、なんとなく自分たちにも愛着があるものです。そして綿は服だけでなく、寝具をはじめとした、日常において肌に触れるものにも使われていますよね。
そういった素材に対する安心感や、その気持ちから生まれる着心地の良さは、天竺編みのTシャツの魅力として、まず挙げられると思います。
――たしかに綿は、人が昔から長く使い続けてきた、親しみのある素材です。
そしてふたつめは、このTシャツの天竺編みという編地が持つ、ほど良い伸び。
フライス編みほど横方向への伸びがあるわけではなく、かといって、布帛のように伸びないわけではない。その、“ほど良く伸びる”特性が、ふだんの日常の動きに、とても良く沿ってくれます。
綿ならではの素材の良さを生かしつつ、天竺編みに仕立てたことによって、ほど良い伸びと耐久性が備わっている。日常づかいの服としては、とても着心地の良い編み立てかただと思います。
すっきりとしているのに、ぴったりとはしていない。この身ごろ幅も絶妙で良いですね。
――すべすべとした肌触りも、天竺編みならではですね。
ええ。じつは私、天竺編みでつくられた無印良品のTシャツを、毎年買い足しているんです。
もともと化学繊維や合成繊維で肌がかゆくなってしまう体質なので、天然素材である綿100%のTシャツが自分には良いからというのが、ひとつめの理由。
そしてもうひとつの理由は、このかたちです。からだの線をひろってしまうタイプの服が苦手で、いつも天竺編みのTシャツを選んでいました。
――たしかに、すっきりとしているのに、ぴったりとはしていません。
そうなんです。この絶妙な身ごろの幅感が好きですね。
中に着てもよれてしまうほど、幅があるわけでもなく、かといって一枚で着て目立ってしまうほど、ぴったりしているわけでもない。この少しのゆとりに、安心感があります。
また、首元があまり広く開いていないバランスも、重宝しています。リブ部分に少しだけポリウレタンが入っていることによって、ほど良い伸縮性を持たせていて、脱ぎ着するときの負荷が軽いのも、長く着られるポイントだと思います。
サイズや組み合わせるアイテムで、表情が変えられる。天竺編みTシャツならでは、だと思います。
――サイズ展開の多いことも、天竺編みTシャツの特色ですね。
はい。サイズの幅そのものも広いのですが、着たときのシルエットが良い感じに収まって、あまりおかしくならないのも天竺編みTシャツの良さなんです。
――というと?
コンパクトなTシャツだと、サイズをあげて着たときにイメージしたシルエットにならないことがあったり、厚めでしっかりした生地のものは、オーバーサイズを着ると肩が張ってしまったり。
そういった中で、天竺編みのTシャツは、ジャストサイズで着てもきれいだし、オーバーサイズの着こなしやゆったりとしたシルエットを求めて大きめを選んでも、違和感なく着こなしやすいんです。
――たしかに、やわらかい生地だから、からだにもうまく沿ってくれます。
私もいろんなサイズを持っていて、ぴったり合うのはSサイズなのですが、ちょっとラフな感じでMサイズを着たりだとか、大きめが着たいときにはXLサイズを選んでいます。一枚990円で、気兼ねなく試しやすいところも魅力ですね。
着こなしの自由ではないですけれど、1枚目はジャストで買っても2枚目はサイズを変えてみようだとか、もともとゆったりした着心地が好きだからサイズをあげてみようだとか、そういう選択肢もありますから。
――話を聞いているうちに、サイズ違いを揃えたくなってきました。
サイズ幅もそうですが、組み合わせるアイテムによって、カジュアルにもきれいめにも表情が変えられる点も、天竺編みならでは、だと思います。
Tシャツを着るなら、やっぱり白。なじみやすい色であることと、清潔感が好きです。
――天竺編みTシャツは、着こなしの自由度が高いんですね。
やはりTシャツらしく、ラフに着られるものとして探す方もいますし、一方では、気安い友人との食事だとかで、お出かけ着なんだけれども、かしこまった格好まではいかない……というときに、着こなしや組み合わせ次第で多様性を持って使えるアイテムとして、天竺編みのTシャツを選ぶ方もいます。
そういえば、さきほど身ごろ幅が絶妙だという話をしましたけれど、この袖丈もすごく良いと思います。これくらいの丈があると、安心感がありますね。
――色もいろいろありますが、今日は白いTシャツです。
私は着るなら、やっぱり白。なじみやすい色であることと、あとは白い色が持つ清潔感が好きですね。
白いTシャツをさらっと着こなせていることや、シンプルに組み合わせていることを、いいなと思える感覚が、誰にも、どこかしらあると思うんです。
――白いTシャツを取り入れたコーディネートを提案するとしたら?
ラフな着こなしだったら、淡い色のスリムストレートのデニムを合わせて、爽やかに。私の勤務するあたりでは、カジュアルだけど、きれいめに着こなす恰好を好まれる方が多いので、ラフすぎない感じでTシャツを取り入れるとなると、すっとしたスリムストレートのデニムが良いかなと。
あとは、リネンのイージーフレアのスカートですね。とてもかたちがきれいなので、ウエストを高い位置に上げて、Tシャツを入れて……ジャストサイズで着ても良いですし、大きめに着て、カーディガンを合わせても、すてきですね。
買いやすく、色柄サイズのバリエーションを持てることは、やっぱりTシャツの魅力です。
――今日はTシャツを着ていこう、と思う日は?
まったくおしゃれではないのですが、今日は作業が多いから、だとか(笑)。
動きやすいという点で言うと、Tシャツはとても便利ですから、そうなると使う頻度が増えて、洗う回数も増えてくる。
だから、洗い替えとして買いやすい価格や、色柄サイズのバリエーションを持てることは、やっぱりTシャツの魅力ですね。
――ふだんは、どういったお手入れを?
毎年、無印良品のTシャツを買い足してきたので、お手入れにも遍歴があるんです。
以前は、あまり気にせずに、回る洗濯機にそのまま、ぽんと入れていたんですが、それだと摩擦で表面が毛羽立ちやすかったりだとか、他の洋服と絡まって、少しねじれてしまったりだとか……。そういった失敗を経て、いまはネットに入れて洗っています。
――やはり、違いますか?
裏返して、ネットに入れて洗うと、表面への摩擦が少なくなって毛羽立ちが抑えられますし、他の服とも絡まないので、よれや型崩れを防げますね。Tシャツって他のおしゃれ着に比べて、けっこう扱いが雑だと思うのですが(笑)、頻度も高く着るものなので、長く着るためにも、おすすめしています。
何度も着ていくうちに、やわらかく毛羽立ってきた肌触りが、愛着に繋がったり……。
――一方で、長く着ていくうちに、増してくる風合いや愛着も、ありますよね。
私はけっこう、一枚のTシャツを長く、大切に着ています(笑)。
個人的には、身ごろのよれは気になるのですが、表面の毛羽立ちは、それほど気にならないんです。何度も着ていくうちに、やわらかく毛羽立ってきた肌触りが、ずっとこれを着ているなという愛着に繋がったりだとか……。
本当にダメになったら、部屋着に落として、ちょっと掃除するときに着たりするのですが、そこに至るまでにはけっこう……いちばん長いもので4年前に買ったものも、ありますね。
――そんな天竺編みのTシャツ、どんな人が着こなしているイメージ?
Tシャツって、本当にいろんな年代の人が、手に取っていく服なんです。
大学生だったら、毎日私服を着なければいけないから、と選んでいくし、お母さんだったら、日ごろの取り扱いもしやすくて、こどもに触れても安心できる素材として選びます。もちろんファッションとして、定番のかたちを気に入っていたり、色やサイズの揃うおしゃれ着として選ぶ人もいますし、その一方で、おうちで楽に過ごせるものが良いと、大きめの天竺編みTシャツを選ぶ年輩の方もいます。
Tシャツって、誰もが一度は着てきた服。いろんなシーンで、いろんな人に着てほしい。
――挑戦する服ではなくて、いつもの服、なんですね。
だから、どういう人というよりは、みんなに一回、着てみてほしいです。
天竺のTシャツって、サイズの幅が広くて、こども向けにもつくられていますから、親子や男女で揃えて着ることもできるんです。だから、たとえば家族でいっしょに揃えて出かけたり、だとか。
――みんなで着られる服、ですね。触れてやさしい、気遣いもいらない、身近で、安心できて……。
Tシャツって、誰もが一度は着てきた服ですよね。だから、抵抗なく着られる。それが、魅力だと思うんです。
定番だからこそ、いろんな人が着ようと思って選ぶものだし、いろんな人に着てほしいですね。もちろん、正装しなければいけない、制服を着なければならないという場面はありますけれど、このシーンだからこういう人に着てほしい、というよりは、どのシーンでも、誰にでも着てほしい。それが、天竺編みのTシャツだと思っています。
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