とろぶ日記とは、無印良品 イオンモールKYOTOで働くとろぶが綴る、京都での出会いと暮らしの日記です。
保津町は前回の【とろぶ日記vol.1 亀岡】でご紹介した、柿渋染め体験で染めたTシャツを乾かしている間にぶらりと訪れた町です。保津町での滞在時間はほんの2時間。しかしその2時間での出来事があまりに濃厚すぎた、ということで、前編と後編に分けてご紹介することとなりました。近日配信する後編の記事も併せてぜひご覧ください。
亀岡市の東部に位置する保津町は人口約1500人。町に対する森林面積が77%を占める自然豊かな町です。集落沿いを流れる保津川は長岡京や平安京の造営時に山地から木材を運んできたという歴史があり、江戸時代には食料をはじめとした多くの物資を都の中心地へ運ぶ水運の街でした。
実際に足を運ぶまでは、夏に開かれる保津川市民花火大会や、嵐山と保津をつなぐトロッコ列車、保津川下りなど、観光の取り組みが盛んな町というイメージを持っていましたが、今回はそれらの側面とは異なる、保津町の”営み”に触れる旅。
そんな旅に連れて行ってくださったのは、保津川こなこな研究所でのポン菓子の製造や、町内の空き家活用の事業化など、保津に幅広い面から深い関わりを持っている中野さん。保津で中野さんのことを知らない人の方が少ないんじゃないかなんて言われているようです。
そんな中野さんに連れられて、初めに訪れたのは、京都ほづ藍工房さん。「京保藍」を用いた商品の販売や、藍染体験などを行なっている工房です。
「京保藍」とは、大正時代まで京都で栽培されていた良質な水藍を、保津で復活させた藍のブランドで、放棄農地や休耕田を利用した藍の栽培などは地域産業にも良い影響を与えているとのこと。工房の前にも水が張られたプランターでも「京保藍」が育てられていました。
いざ、工房にお邪魔すると目に飛び込んできたのは想像を超える量の藍色。
右を向くと、藍染めされた衣服がハンガーにずらりと吊るされており、
左を向くと、藍色のクロスに置かれた藍染めを施された小物商品たち。
そして正面を向くと、藍色の暖簾が吊るされていました。
代表の吉川さんに工房を案内していただき、染めの作業場も覗かせてもらうと、藍の染料が入ったいくつもの大きなバケツたちがまたずらり。
ここでハンカチやトートバッグ、Tシャツの藍染め体験ができるようです。
僕たちが訪れた時には工房のスタッフさんがちょうど作業をされていたところでした。
実は中野さんは水藍の栽培もされているようで、吉川さんと今年の藍について話をされていました。「収穫もうちょっとだけ待っててね。」なんて談笑に近い会話を聞いていると、僕も将来は仕事と暮らしをはっきりと分けるのではなく、それら二つを合わせた"営み"を過ごしたいという気持ちに。
"営み"を大切にしている保津の人たちの生活はとても羨ましい…。
後編では同じ保津町内にある、吹きガラス工房Caloreさんと農家民宿 Farmhouse NaNaさんをご紹介します。みなさん穏やかな空気をまといつつ、創造性に富んだ方たち。初めて見るものたちばかりで胸の高鳴る時間を過ごしました。
配信までもうしばらくおまちくださいませ。
イオンモールKYOTO