シエスタハコダテ

【シエスタハコダテ】ことば遊びはいかがでしょうか。

【シエスタハコダテ】ことば遊びはいかがでしょうか。

MUJI BOOKS

2020/11/04

「この子猫の子」

このことば、何かおわかりになりますか。
実は“上から読んでも下から読んでも一緒”の回文になっています。

この子猫の子→このこねこのこ

さて、それではこちらはいかがでしょう。
「軽い機敏な仔猫何匹いるか」
「力士手で塩なめ直し出て仕切り」

なんと、この長いことばも回文です。
「軽い機敏な仔猫何匹いるか」→「かるいきびんなこねこなんびきいるか」
「力士手で塩なめ直し出て仕切り」→「りきしてでしおなめなおしでてしきり」

本書では、このようなことば遊びをほのぼのする挿絵とともに紹介しています。
イラストレーターの和田誠さんが長年にわたってこつこつ集めた〈ことばのトリビア〉。
読んだらすぐに試したくなるおとなが楽しいことばのあそびがいっぱいです。

ことば遊び、と聞いて個人的に思い浮かぶのはしりとりくらいでした。
りんご、ゴリラ、ラッパ・・・などなど。
そんなしりとりはしりとりでも、和田さんのおばあちゃんが教えてくれたのは「江戸しりとり歌」というもの。
「牡丹に唐獅子竹に虎、虎を踏まえて和藤内、内藤様はさがり藤・・・」といった歌で、自分の思いつきで繋げていくしりとりでななく、最後の漢字一字が繋がってできている歌です。
口から口へと伝わる口承で江戸時代から続いてきたもので、それを和田さんはおばあちゃんから聞いて覚えていたそう。

和田さんは、「ことばで遊ぶというのはタダだし、道具を必要としないで簡単にできるし、人数のきまりもないし、多少は知的な感じもあるし、(中略) そういう気楽に遊ぶということが、庶民の中で息づいていたんだと思います」と語ります。
いつでも、誰でも、どんなところでもできる遊びだからこそ昔から続いていて、今でも面白いと思えるのかもしれませんね。

ご紹介した回文やしりとり以外にも、戦時中の替え歌から、落語や和歌、歌詞や訳詞、アナグラム、マザーグースにクマのプーさんまで、あらゆることばが紹介されています。
スマホやパソコンなど、娯楽に困らないこの時代に、シンプルで奥の深いことば遊びはいかがでしょうか。

当店では他にも、言葉に関する本を取り揃えております。
ぜひお手に取ってご覧くださいませ。
 
【シエスタハコダテ】ことば遊びはいかがでしょうか。②

~本日ご紹介した本~
『ことばの波止場』
著者:和田誠
出版社:中央公論新社
消費税込726円

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