27日の日曜日、町田の畑にて「和綿を摘んで紡ぐ」ワークショップを開催いたしました。
お天気が心配されていましたが、日中はおひさまも出てきて、汗ばむほどの陽気となりました。
5月のこどもの日に種を播き、それからすぐスコールに遭い、種が地表に浮き出てきてしまったり、梅雨の長雨、数度の台風に見舞われたりと、過酷な成育条件にも関わらず、大きく育ち、美しいコットンボールを我々に見せてくれました。


この10月下旬の棉は、花を咲かせているもの、弾ける準備をしているもの、弾けてふわふわの綿花をまとっているもの、と全ての状態を見ることができました。
和綿は下向きに綿花をつけます。宝探しのように一つずつ丁寧に摘んでいきます。
指先を鳥のくちばしのようにしてつまめば、すっと採れます。その柔らかい感覚が優しく楽しく、大人も子どもも夢中になって摘んでゆき、どんどん綿が積まれていきます。
これだけ収穫できました!

これだけで何枚のTシャツができるでしょうか。
東京コットンビレッジの方のお話だと7枚作れるか…というところだそうです。
身体を動かした後はお楽しみのお昼ごはんです!
かまどで炊いた栗ごはん。おこげも香ばしくまさに秋の味覚です。


栗をむいてくださった農家のみなさま、本当に感謝です。
食後には朝摘みレモンバームティー、コーヒーをいただき、お腹も満足したところで、午後からはいよいよ糸つむぎです。
講師の冨澤さんの説明をみなさん真剣に聞いていらっしゃいます。


まず摘んだコットンから種を取り除き、カーディングという手法でコットンをふわふわのシート状にしていきます。
そしていよいよ指で撚っていきます。説明を受けている時は簡単に見えるのですが、実際にやってみると大変に難しく、手がつりそうに…
糸の撚り方にもそれぞれの性格が出るようで…

みなさん和気あいあいとした雰囲気で本当に笑顔あふれるワークショップでした。
綿から糸にして、1枚の洋服になるまでにこんなにもたくさんの工程があることに驚いたとの感想を多くいただきました。

秋の高い空の下、木には柿が生り、刈られた稲が干されているこの日本の風景。次世代に伝えたいと改めて感じました。
それはもちろん簡単な事ではありませんが、参加者のみなさまの心に、楽しい一日の記憶として刻んでいただき、その第一歩になればと願います。

小田急町田