最近本を読みましたか。読書をするとこころが動き、満たされた気持ちでいっぱいになります。本を読むとそこには出会いがあり、いつでも誰かの温度を感じるのです。さあ、好きな本をひらいて、こころに栄養を届けましょう。
おたよりでは、京都山科のMUJI BOOKSから、本が大好きなスタッフがえらんだ1冊を紹介します。
本のあるくらしがこれからも続きますように。
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『しかけに感動する「京都名庭園」』著・烏賀陽百合
誠文堂新光社 1,600円(税別)
こんにちは。BOOKS担当です。
まだまだ寒い日もありますが、大寒を過ぎ春めいてぽかぽかした日も増えてきました。
遠出はしづらい日々が続いていますが、こんな時だからこそ、春になったら今までなかなか行けてなかった地元京都の庭園めぐりをしたいと思っています。
著者の烏賀陽さんが最初に「日本庭園」とは自然を愛でてきた日本人の歴史だと触れられているように、先人たちがより自然を愛でやすいように配置し、大切に手入れされ続けたものがそのままに残っているとても貴重なものです。桜や楓で四季を感じ、松で変わらない美を感じ、竹林で山中の趣を、苔むした自然に永遠の時間を感じることができるとこの本は教えてくれます。
少し前、この本で紹介されている無鄰菴を初めて訪ねてみました。(現在は事前予約制で見学可能)
寺院庭園よりも、個人庭がより面白いと前置きされているとおり、政治家として活躍した山縣有朋(やまがたありとも)が別邸として作ったこの庭は彼の趣味が色んなところで形になっていました。
苔を嫌い、芝生を好んで作庭したこと、東山の景色を主役にするよう、あえて庭の景色が背景に溶け込むように作られたことなど、著者の説明を読んでから巡ると、「こういうことだったのか!」と、うれしい発見がいくつもあって、日本庭園へのあこがれがますます強くなっていきました。
京都は湿度が高いため苔が自生しやすく、徐々に苔を受け入れた山縣有朋。今では40種もの苔が自生しているそう。
1896年に作られた庭の景色がほぼ当時と変わらず目の前に広がっていると思うと、不思議な気分になると同時に著者が言う“包み込むような安心感"が庭にはあると思いました。時間を忘れるほど、ずっと眺めていたい景色でした。
次は、無鄰菴の方にもおすすめされた白龍園に行ってみたいと思います。この本をお供にしばらく私の庭園巡りは続きそうです。
京都にはいつもの生活範囲からほんの少し足をのばすだけで、たくさんの庭園があります。宇治や醍醐、右京区や左京区の庭園の見どころもたくさん紹介されています。是非、お手にとってご覧くださいね。
『しかけに感動する「京都名庭園」』は1階MUJIBOOKSの『よく歩く』のコーナーにあります。
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